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マネージャー育成フォーラム2026 セミナーレポート|調査データで分かる管理職の本当の悩みと、刺さる研修設計

2026年6月4日、アイディア社は、企業の人事・人材育成をご担当される皆さまを対象に「マネージャー育成フォーラム 2026」をオンラインで開催いたしました。本フォーラムでは、例年お伝えしている研修設計の解説に加え、当社が研修現場で蓄積した独自調査データを起点に、管理職が「本当に困っていること」を可視化してお届けしました。

調査からは、同じ管理職層でも〈次世代リーダー(管理職手前)〉と〈新任管理職〉とで、コミュニケーション上の悩みの構造が大きく異なることが見えてきました。本レポートでは、この調査データを皮切りに、マインド・部下育成・DEI対応・グローバル・研修効果という6つの切り口で、現場で成果につながるマネージャー育成の設計ヒントをご紹介します。各章には、当日の解説動画もあわせて掲載しています。

開催概要

開催日:2026年6月4日(木)

形式:オンライン(リモートカンファレンス)

登壇:Jason Durkee(IDEA DEVELOPMENT株式会社 代表取締役)

取り上げたテーマ:1. データ/2. マインド/3. 部下育成/4. DEI対応/5. グローバル/6. 研修効果を高めるテクニック

登壇者紹介

IDEA DEVELOPMENT株式会社 代表取締役 ジェイソン・ダーキー

JASON DURKEE / ジェイソン ダーキー

IDEA DEVELOPMENT株式会社 代表取締役

1972年、米国シアトル生まれ。1992年に来日し上智大学を卒業。在学中より研修企画会社に勤務し、インストラクターおよび開発を担当、その後専任部長を務める。2003年に企業向け教育研修会社 IDEA DEVELOPMENT(アイディア社)を設立し、代表取締役に就任。現在は能力開発のコンサルタント・インストラクターとして、上場企業や外資系企業などに人材育成サービスを提供している。

主な著書:「ビジネス英語の技術」「ガツンといえる英語」(Japan Times 刊)、「無理なく続く英語学習法 忙しいビジネスパーソンでも挫折しない」(日本実業出版社)。

創業以来、毎年ATD国際会議(世界最大級の人材育成の国際会議)に自ら参加し続け、世界の人材育成トレンドを日本企業の文脈で読み解いて解説することに定評があります。本フォーラムでお伝えした6つの切り口も、こうした世界の最新知見と、当社が研修現場で蓄積した実践知をダーキー自身が統合・編集したものです。

本レポートの構成(6つの切り口)

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1. データ|調査で分かった、管理職の本当の悩み

本フォーラムは、アイディア社が研修現場で受講者から集めた「マネジメント上のコミュニケーションの悩み」のデータ紹介から始まりました。悩みは〈次世代リーダー(管理職手前)〉と〈新任管理職〉に分けて整理しています。まずは当日の解説動画をご覧ください。

管理職が抱えるコミュニケーションの悩み(割合)

同じ「コミュニケーションの悩み」でも、層によって上位の悩みが大きく異なる

新任管理職

多様性によるコミュニケーション難易度
28%
時間・人数が多いチーム運営
21%
実践への不安・研修内容の応用
21%
理解度・意見を引き出す難しさ
17%
メンタル不調者への対応
10%

次世代リーダー(管理職手前)

Z世代・世代差コミュニケーション
25%
個別対応・任せ方のさじ加減
25%
伝え方・傾聴・フィードバック
20%
グローバル・文化差
10%
働き方・環境(在宅・1on1)
10%

同じ管理職層でも、悩みの構造ははっきり分かれます。新任管理職は「多様な部下をどうまとめるか(28%)」と並んで「学んだことを実践できるかという不安(21%)」が大きく、研修を“現場で使える形”にして送り出す設計が求められます。一方の次世代リーダーは「世代差(25%)」と「任せ方のさじ加減(25%)」が二大テーマで、まだ部下を持つ前から人を動かす土台づくりが必要です。つまり、同じテーマ名でも一律の研修では刺さりません。誰の、どの悩みに効かせるのかを起点に設計を変えることが、成果への第一歩になります。

この違いは「研修で最も良い学びになったこと」にも表れています。新任管理職では「気づかせる質問(48%)」「安心して話せる雰囲気づくり(32%)」が突出し、次世代リーダーでは「広げる・深める質問(30%)」「巻き込み(25%)」が上位でした。いずれも“教える”より“引き出す”力が鍵になっており、続くマインド・部下育成の各章では、この力をどう育てるかを具体的に見ていきます。

2. マインド|管理職になりたくない人に、魅力を気づかせる

近年、マネージャーや管理職になりたくない若手社員が増えています。背景にあるのは、上司を見て「忙しそう」「責任が重そう」「勤務時間が長い」と感じ、管理職に魅力を見いだせないことです。一方で、管理職の役割はこれまで以上に重要になり、求められる能力も広がっています。このギャップを埋めるのが、まず管理職の良さに気づいてもらうマインド起点のプログラムです。当日の解説動画は以下をご覧ください。

「気づかせる」3回研修の流れ

STEP 1

マインド研修

管理職の魅力と、これから求められる力に気づく

STEP 2

スキル研修

教える・気づかせる・動機づけの基本を身につける

STEP 3

マネジメントシミュレーション

疑似体験で強み・弱みを把握し、学習プランをつくる

ポイントは、いきなりスキルから入らないことです。まず楽しい研修でマネジメントの面白さを体感させ、管理職にならなくても役立つコーチングや動機づけのスキルを学ぶ。研修中のプチ成功体験で自信をつけ、最後のシミュレーションで自分の得意・不得意を知る——この順序が「なりたくない」を「やってみたい」へと変えていきます。データ編で見た「気づかせる質問が最も良い学びになった」という声とも重なり、“教える”より“引き出す”体験が意欲を高めることが分かります。

「管理職になりたくない」という意識を研修でどう変えるか。マインドセットを軸に、変化対応と成長支援まで統合した研修設計の事例をご紹介しています。

▶ 関連事例:管理職研修にマインドセットを組み込んだ設計事例

3. 部下育成|変化に強い部下の成長支援テクニック

部下育成は、「教える(ティーチング)」「気づかせる(コーチング)」「定着させる(分かる→できる)」「モチベーションを上げる」「課題を解決する」という5つの要素から成り立ちます。重要なのは、この同じ内容を、使える研修期間に応じて柔軟に設計し直せることです。当日の解説動画は以下をご覧ください。

同じテーマを、規模に応じて4通りに設計する

1日研修

期間の目安:1日

進め方:集合研修1日で、教える・気づかせる・定着・動機づけ・課題解決の5要素を一巡する

職場実践・定着:軽め

向いている場面:基礎を手早く押さえたい/研修時間を取りにくいとき

半日研修 × 2回

期間の目安:数週間〜(事前+リモート2回)

進め方:事前インプット+演習中心のリモート研修+職場実践+個別コーチングを組み合わせる

職場実践・定着:あり

向いている場面:忙しい管理職の負担を抑えつつ、実践・定着まで入れたいとき

充実した3回研修

期間の目安:1か月程度(3回+職場実践)

進め方:3回研修と間の職場実践を組み合わせ、体験学習サイクルを回す(挑戦習慣・部下育成・チームビルディング)

職場実践・定着:しっかり

向いている場面:行動変容までしっかり踏み込みたいとき

定着重視の6回研修

期間の目安:約6か月

進め方:キックオフ→教える/気づかせる→動機づけ→定着フォロー→課題解決→成果発表まで伴走する

職場実践・定着:最重視(半年伴走)

向いている場面:後継者育成など、知識・ノウハウの継承まで狙いたいとき

同じ「部下育成」でも、1日で基礎を押さえる設計から、半年かけて後継者を育てる設計まで幅があります。鍵は研修の長さそのものではなく、予算と確保できる期間に対して「どこまで職場実践と定着フォローを組み込めるか」です。短期なら基礎の習得に絞り、長期なら職場実践を重ねて行動変容と成果まで狙う——目的に合わせて深さを選ぶことが、現場で機能する設計につながります。

とくに長期で取り組む後継者育成は、つまずきやすいポイントが共通しています。フォーラムで示された「よくある失敗とその解決のヒント」は次の5つです。

後継者育成研修でよくある失敗と、解決のヒント

1

マインドセットが不十分

解決のヒント:変化の必要性・ビジョン・具体的なアイディアで動機づけてから始める

2

行動が続かない

解決のヒント:行動に落とす仕組みと、しっかりした定着フォローを組み込む

3

一人ひとりのニーズに合っていない

解決のヒント:全体フレームの中で、個別対応を前提に設計する

4

成果が不明瞭

解決のヒント:定期的な進捗・成果の確認と、研修効果測定を入れる

5

未達成時の対策がない

解決のヒント:後継者のフォロー施策まで、あらかじめ視野に入れておく

5つの失敗に共通するのは、いずれも「研修当日」ではなく「設計と前後のフォロー」で防げる点です。マインドづくり・行動の仕組み化・個別対応・成果確認・未達への備えを最初から組み込んでおけば、育成は“やりっぱなし”になりません。次章では、こうした育成を多様なメンバーにどう適用するか(DEI対応)を見ていきます。

4. DEI対応|背景の異なるメンバーの効果的なマネジメント

ダイバーシティが進む職場では、年齢・性別・価値観・国籍など、背景の異なる部下をマネジメントする場面が増えています。「難しい」と感じる相手ほど、自分の物差しで測ると噛み合いません。フォーラムでは、抽象的なダイバーシティ論ではなく、実践的な型として「ギャップマネジメント」が示されました。当日の解説動画は以下をご覧ください。

ギャップマネジメントの4ステップ

SEE

相手の目で見る

自分の物差しを外し、見える視点を増やす

LISTEN

相手の耳で聞く

言葉の奥にある本音や前提を聴く

TALK

相手に伝わるように話す

相手に届く説明の仕方を選ぶ

DO

相手が動きたくなるようにする

相手が動きたくなる理由をつくる

4つのステップに共通するのは、すべて「相手起点」である点です。自分がどう見て・どう伝えたいかではなく、相手にどう見え、どう聞こえ、どう伝わり、どうすれば動きたくなるか。背景の異なるメンバーほど、この順序で組み立てると噛み合います。会議の場でも、誰に何を担ってもらうか(キャスティング)を相手起点で設計することが、効率と納得の両立につながります。

5. グローバル|外国籍社員のマネジメントテクニック

グローバル化が進むなか、日本人マネージャーが複数の外国籍部下をマネジメントする場面が増えています。上級レベルの英語力があっても「日本語ならできるが英語だと難しい」「ネイティブほどはうまくいかない」という声は少なくありません。フォーラムでは、ストーリーテリング・存在感・人を動かす力・部下育成・ネガティブフィードバックなどを強化する考え方が示されました。当日の解説動画は以下をご覧ください。

日本文化とのギャップが大きいスキルほど、優先して強化する

同じマネジメントスキルでも、日本語での進め方との「ギャップ」の大きさは異なる

ギャップ:少ない

タイムマネジメント

プロジェクトマネジメント

トラブルシューティング

問題解決

ギャップ:ある

モチベーション

部下育成

指示出し

影響力

ギャップ:大きい

ストーリーテリング

エグゼクティブプレゼンス

ネゴシエーション

ネガティブフィードバック

タイムマネジメントや問題解決のように、日本語でも英語でもやり方が大きく変わらないスキルがある一方で、ストーリーテリング・エグゼクティブプレゼンス・ネゴシエーション・ネガティブフィードバックは、文化のギャップが大きく、日本人マネージャーが英語で特に苦戦しやすい領域です。限られた研修リソースは、この「ギャップが大きい」スキルに優先的に振り向けるほど、投資対効果が高まります。

たとえば、苦手意識の強いネガティブフィードバックは、感情的にならず行動変容につなげる型として「DAP」が示されました。

ネガティブフィードバックの型「DAP」

1

Describe(事実)

起きた事実だけを、解釈を交えず具体的に伝える

2

Appreciate(解釈)

その事実をどう受け止めたか、影響を共有する

3

Prescribe(期待)

次にどうしてほしいか、期待を明確に伝える

変革や新方針を浸透させる場面では、チェンジマネジメントの7要素(詳細・理由・利点・欠点・支援・ツール・質疑応答)を押さえると、外国籍メンバーの納得感が高まります。いずれの型にも共通するのは、英語のフレームとして共有しやすく、相手の背景が異なっても再現しやすいことです。次章では、こうしたスキルを「現場で定着させる」ための研修設計を見ていきます。

6. 研修効果を高めるテクニック|設計・定着・効果測定

研修は「受けて終わり」では成果につながりません。最終章では、設計・定着・効果測定の具体策が示されました。基本となるのは、研修の前後に自己学習や職場実践、定着フォローを織り込んだ「ブレンドラーニング」です。当日の解説動画は以下をご覧ください。

ブレンドラーニングの基本的な流れ

1

キックオフ

全体像と目的を共有し、最後までやり切る動機づけ

2

自己学習

必要な知識をオンデマンドでインプット

3

リモート研修

職場実践を踏まえて演習・共有する

4

職場実践+上司の巻き込み

学びを現場で使い、上司を巻き込む

5

成果発表

期間中の成果を上司・経営層に発表する

成果の分かれ目は、研修当日そのものよりも「その前後」にあります。自己学習で土台をつくり、職場実践で使ってみて、上司を巻き込んで後押しする——この一連の流れを設計に組み込めるかどうかで、定着の度合いは大きく変わります。

研修スタイル3方式の比較

比較軸 集合研修自己学習Myラーニング
ジャーニー
成果×
個別ニーズ対応×
必要なモチベーション
低くてもよい
×
本人任せ

一定以上必要
適した内容全員共通の基礎・
ヒューマンスキル
汎用の知識系職種で異なる
応用スキル

研修スタイルに唯一の正解はありません。全員共通の基礎を一から学ぶなら集合研修、知っていればよい知識系なら自己学習、職種によって求められる応用が異なるなら一人ひとりに最適化するMyラーニングジャーニー、というように目的で選び分けます。そして効果測定は、学習→行動→成果の3段階をSCMメソッドで測ると、研修がビジネスにどう貢献したかが見えるようになります。

学んだことを現場で定着させるには、研修そのものより前後のフォロー設計が鍵になります。管理職向けのコーチング研修で起きやすい課題と解決策を、5つの観点で整理しています。

▶ 関連記事:管理職コーチング研修|現場で機能する5つの課題と解決策

参加者の声

当日のアンケートでいただいた感想の一部を、掲載のご許可をいただいた範囲で匿名にてご紹介します。

本フォーラム参加者アンケートより

94%

が本フォーラムを「良かった」以上と評価

(「良かった」「まあ良かった」の合計)

マネージャー育成は当社でも大きな課題ですが、いろいろとヒントをいただきました。実践できるかはこれからですが、知識として知っているのは大きいです。

人材育成ご担当者

当社もマネージャーを敬遠する傾向にあるので、まず魅力を伝えるところは興味深かったです。

人材育成ご担当者

マネジメント職、特に管理職手前の育成要素として何が必要なのかを考えるきっかけになりました。

人材育成ご担当者

単なる研修ではなく、職場で「できる」まで伴走するこだわりが必要だと感じました。AIやオンラインツールを組み合わせた、時代に即したサポート体制も魅力的でした。

人材育成ご担当者

研修における定着フェーズの重要性と対応について知れて良かったです。現業と研修のバランスがモチベーションに与える影響も再認識しました。

人材育成ご担当者

外国籍の方とどう接するのかが不透明でしたが、変えるべきだという点が明確になりました。

人材育成ご担当者

他社の方も同様の課題を抱えていることがチャットで確認でき、自分の課題以外の気づきもありました。

人材育成ご担当者

キーワード(ニーズと課題)や、研修導入の全体像の理解が深まりました。

人材育成ご担当者

無料とは思えない濃密な情報と知見が得られました。今回も当社の課題であるマネジメントについて学びがあり、助かりました。

人材育成ご担当者

よくある質問

次世代リーダーと新任管理職で、コミュニケーションの悩みはどう違いますか?

調査では、新任管理職は「多様な部下をまとめる難しさ(28%)」と「学んだことを実践できるかという不安(21%)」が上位でした。一方、次世代リーダー(管理職手前)は「Z世代・世代差(25%)」と「任せ方のさじ加減(25%)」が二大テーマです。同じ「コミュニケーションの悩み」でも上位が異なるため、対象に応じて研修設計を変えることが効果的です。

管理職になりたがらない若手に、どう魅力を伝えればよいですか?

いきなりスキルを教えるのではなく、まず管理職の面白さを体感させる「マインド起点」の設計が有効です。マインド研修→スキル研修→マネジメントシミュレーションの順で、プチ成功体験を通じて自信を高めます。管理職にならなくても使えるコーチングや動機づけのスキルから入ると、抵抗感が下がります。

部下育成の研修は、どのくらいの期間が最適ですか?

唯一の正解はなく、目的と確保できる期間で選び分けます。基礎を手早く押さえるなら1日研修、負担を抑えつつ実践まで入れるなら半日研修×2回、行動変容まで狙うなら3回研修、後継者育成など継承まで踏み込むなら半年規模の6回研修が目安です。鍵は研修の長さよりも、職場実践と定着フォローをどこまで組み込むかにあります。

外国籍社員のマネジメントで、日本人管理職が特に苦戦するスキルは何ですか?

文化のギャップが大きく苦戦しやすいのは、ストーリーテリング、エグゼクティブプレゼンス、ネゴシエーション、ネガティブフィードバックです。一方、タイムマネジメントや問題解決はギャップが小さめです。限られた研修リソースは、ギャップの大きいスキルに優先的に振り向けると効果的です。

研修を現場で定着させるには、何が必要ですか?

成果の分かれ目は、研修当日よりも前後の設計にあります。自己学習でインプットし、職場実践で使い、上司を巻き込んで後押しするブレンドラーニングが基本です。効果測定では、学習→行動→成果の3段階をSCMメソッドで測ると、研修のビジネス貢献が見えるようになります。

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