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2022.08.25管理職研修

次世代リーダー育成研修の設計法|現役管理職研修との違いを調査データで解説

「管理職になりたい」と考える若手社員は、年々少なくなっています。上司の忙しさや責任の重さを間近で見て、マネジメントに魅力を感じにくくなっているためです。一方で、変化の激しい事業環境を勝ち抜くには、次の経営や組織を担うリーダーを早い段階から計画的に育てることが欠かせません。

そこで注目されているのが「次世代リーダー育成研修」です。ただ、いざ企画しようとすると「すでにある管理職研修と何が違うのか」「対象や中身をどう設計し分ければよいのか」が分かりにくい、という声をよく聞きます。この記事では、両者の違いを当社の最新調査データで整理したうえで、次世代リーダー研修ならではの設計のポイントと具体的な事例までを解説します。

次世代リーダー育成研修と現役管理職研修は何が違うのか

両者を分けるうえで大切なのは、「役職」ではなく「育成フェーズ」で考えることです。現役管理職研修が、すでに役割を担う人の実務課題を解決する研修であるのに対し、次世代リーダー研修は、これから管理職になる人の意欲と基礎をつくる研修です。同じ「リーダー育成」という言葉でも、対象・目的・重点テーマ、そして動機づけの扱い方が大きく異なります。

現役管理職研修

対象

すでに管理職に就いている人(新任管理職から課長・部長まで)

主な目的

いま抱える実務課題の解決。部下育成やチーム成果に直結させる

重点テーマ

多様な部下への対応、権限委譲、時間と人数のマネジメント

動機づけの扱い

すでに役割を担っている前提。意欲づけは研修の前提条件

次世代リーダー育成研修

対象

管理職になる手前の若手・中堅社員(早期選抜のメンバーを含む)

主な目的

マネジメントへの動機づけと基礎づくり、将来を構想する力の獲得

重点テーマ

質問と対話、周囲の巻き込み、将来像からの逆算(バックキャスティング)

動機づけの扱い

「なりたい」という意欲を生むこと自体がプログラムの起点になる

両者に共通する原則:「分かる」を「できる」に変えるには、研修後の職場実践とフォローまで設計に含めることが欠かせません。

つまり、次世代リーダー研修の設計でまず押さえるべきは、現役管理職研修をそのまま前倒しで実施しても機能しにくい、ということです。役職に就いていない段階では、実務課題そのものがまだ手元にありません。だからこそ「なぜマネジメントに取り組むのか」という意欲づけと、職種を問わず役立つ基礎スキルから入る設計が必要になります。次の章からは、この違いを当社の調査データで具体的に見ていきます。

対象や狙いに合わせた次世代リーダー育成研修の設計をご検討中の方は、当社のプログラム内容をご覧ください。

▶ 若手・次世代リーダー研修の詳細を見る

データで見る「悩みの違い」――2026年の独自調査から

次世代リーダー研修と現役管理職研修の違いは、感覚論ではなくデータでも確認できます。当社が管理職層と次世代リーダー層を対象に行った2026年の調査では、両者が抱えるコミュニケーションの悩みは、数の多寡ではなく「上位に来る悩みの種類」が大きく異なっていました。新任管理職は実務をどう回すかに悩み、次世代リーダー候補は対話と関係づくりの基礎に悩む。悩みの向きそのものが違うのです。

悩みの「向き」が対象で分かれる

新任管理職の悩みの中心

実務を「どう回すか」

多様な部下への対応の難しさ28%
部下にかける時間と人数の多さ21%
学びを実践できるかの不安21%

次世代リーダー候補の悩みの中心

対話と関係づくりの「基礎」

任せ方・さじ加減の見極め25%
自分の考えの伝え方20%
Z世代との世代差への戸惑い25%

悩みの量はどちらも同程度。違うのは「向き」です。実務の負荷に向かう新任管理職と、対話の基礎に向かう次世代リーダー候補とでは、研修で扱うべき題材が変わります。

新任管理職は、すでに部下を持つからこその「時間と人数のやりくり」や「学んだことを現場で実践できるか」という実務密着の悩みを抱えます。一方、次世代リーダー候補が向き合うのは「どこまで任せ、どこを支援するかのさじ加減」や「自分の考えの伝え方」という、マネジメントの土台となる対人スキルです。この違いは研修設計に直接効きます。次世代リーダー研修では実務課題の解決を急ぐより、まず対話と関係づくりの基本を体系的に扱うほうが響きます。世代差への戸惑いは両者に共通するため、ここは共通テーマとして組み込めます。

重点化すべきスキルも、対象によって変わる

悩みの向きが違えば、研修で重点的に鍛えるべきスキルも変わります。先ほどと同じ2026年の調査で、次世代リーダー候補に「今後の業務で活用したいスキル」を尋ねたところ、回答はあるひとつのスキルに大きく集中しました。

次世代リーダー候補が「今後活用したい」スキル

2026年・当社調査。質問のスキルが他を大きく引き離して突出

質問のスキル
45%
場の雰囲気づくり
25%
周囲の巻き込み
20%
オンラインでの進行
10%

次世代リーダー候補が最も伸ばしたいのは「質問のスキル」。指示で動かすのではなく、問いで相手の考えを引き出す力です。研修の中心に据えるべきテーマが、ここではっきりします。

次世代リーダー研修は、この「質問・対話のスキル」をプログラムの軸に据えるのが効果的です。現役管理職も質問のスキルを重視しますが、次世代リーダー候補ではその比重がさらに突出します。まだ部下を率いた経験が浅い分、自分の指示を通すより、相手の考えを引き出して動いてもらう力を先に身につけたいという意識の表れと考えられます。実務テクニックの網羅よりも、対話の型を繰り返し練習できる設計のほうが、この層には響きます。

次世代リーダー育成研修を設計する4つのポイント

ここまで見てきた「悩みの向き」と「重点スキル」の違いを踏まえると、次世代リーダー研修で押さえるべき設計のポイントは大きく4つに整理できます。なかでも現役管理職研修と決定的に違うのは、最初の「動機づけ」がプログラムの起点になる点です。

01

動機づけから始める|「なりたい」を引き出す

最初に手応えのある演習や成功体験を置き、マネジメントの面白さを実感してもらう。スキルを教え込む前に、まず意欲を生むことを優先する。

02

役職に依存しないスキルを扱う|質問・対話の基礎

管理職にならなくても日々の仕事で活きる、質問・対話・巻き込みのスキルを中心に据える。「学んで損がない」と感じられる構成にする。

03

小さな成功体験と自己理解|自信と学習プランにつなげる

研修内で小さな成功体験を積ませて自信を持たせる。あわせて得意・不得意を可視化し、研修後の学習プランへ橋渡しする。

04

将来視点を持たせる|未来から逆算する

数年先・数十年先のビジョンから今やるべきことを考える視点を養う。目先の業務改善にとどまらない、リーダーとしての構想力を育てる。

言い換えれば、次世代リーダー研修は「スキルを教える場」である前に「マネジメントに前向きになる場」です。現役管理職研修は、すでに役割を担う人の実務課題から入れます。しかし、まだ管理職になっていない人に同じ入り方をしても、自分ごとになりません。ポイント01の動機づけを起点に置き、02〜04を積み上げる順序こそが、次世代リーダー研修ならではの設計です。

4つのポイントを自社の対象や課題にどう落とし込むか。当社のプログラムでは、動機づけから将来視点までを一連の流れで設計しています。

▶ 若手・次世代リーダー研修のプログラムを見る

「なりたくない」を超える――動機づけ設計の3ステップ

設計ポイント01の「動機づけ」を、もう少し具体的に見ていきます。管理職になることに前向きになれない若手に対しては、いきなりスキルを教え込むより、段階を踏んで気持ちを動かすほうが効果的です。当社が「管理職の魅力に気づいてもらう」ことを狙って設計する研修は、次の3ステップで組み立てます。

管理職の魅力に気づいてもらう研修の流れ

STEP 1

マインド研修

楽しい体験を通じてマネジメントの面白さに触れ、「やってみたい」という前向きな気持ちを引き出す。

STEP 2

スキル研修

管理職にならなくても日常で活きる質問・対話のスキルを学び、小さな成功体験で自信を育てる。

STEP 3

マネジメント
シミュレーション

マネジメント場面を疑似体験し、自分の得意・不得意を把握して今後の学習プランにつなげる。

この設計の肝は、順番です。最初からスキルを教えると、「覚えることが多くて大変そう」という負担感が先に立ってしまいます。まず楽しさと手応えで「やってみたい」を引き出し、次にすぐ役立つスキルで自信をつけ、最後に疑似体験で自分の現在地を確かめる。この順序をたどることで、管理職という役割への心理的なハードルが自然と下がっていきます。現役管理職研修にはない、次世代リーダー研修ならではの組み立て方です。

設計事例:2040年から逆算するバックキャスティング型の次世代リーダー研修

ここまでの設計論を実際のプログラムに落とし込むとどうなるか。当社が早期選抜メンバー向けに設計した、未来から逆算する「バックキャスティング型」の次世代リーダー研修を例に見ていきます。バックキャスティングとは、数十年先のありたい姿を先に描き、そこから逆算して「今やるべきこと」を決める考え方です。

CASE:早期選抜者向け・バックキャスティング型 次世代リーダー研修(約3か月)

状況・ねらい

早期選抜メンバーに、目先の業務改善ではなく数十年先を見据えて今やるべきことを逆算する構想力を養いたい。

成果

未来の顧客理解にもとづく具体的なプロジェクト提案を描き、経営層・上位層に向けた成果発表まで到達。

やったこと

1

キックオフで未来のメガトレンド・業界動向・Z世代の特徴を学ぶ

2

想定顧客であるZ世代(高校生)と6時間の合同研修を行い、生の声・課題感を把握する

3

個別コーチングを挟みながら、未来のビジョンと具体的な提案を練り上げる

4

経営層・上位層に向けて成果を発表する

ポイント:正解を教えるのではなく、未来を自ら描かせて動き出させる。次世代リーダー研修ならではの「自走を促す」設計です。

この事例が示すのは、次世代リーダー研修では「教える」より「考え抜かせる」設計が効くということです。答えを与えられるのではなく、自分でビジョンを描き、社外の相手と対話し、提案としてまとめる。この一連の経験が、リーダーとしての構想力と当事者意識を育てます。現役管理職研修が現在の課題解決に向かうのに対し、次世代リーダー研修は未来への構想に向かう――この方向性の違いが、プログラム設計の随所に表れます。

自社の選抜メンバーや若手の状況に合わせた次世代リーダー研修の事例をもっと知りたい方は、当社のプログラムをご覧ください。

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次世代リーダー育成研修に関するよくある質問

次世代リーダー育成研修と現役管理職研修は何が違いますか?

対象と目的が異なります。現役管理職研修は、すでに管理職に就いている人の実務課題の解決が中心です。一方、次世代リーダー育成研修は、管理職になる手前の若手・中堅社員を対象に、マネジメントへの動機づけと基礎づくり、将来を構想する力の獲得をねらいます。2026年の当社調査でも、両者が抱える悩みの向きは「実務をどう回すか」と「対話や関係づくりの基礎」とで分かれていました。

次世代リーダー育成研修の対象は入社何年目くらいですか?

明確な決まりはありません。役職ではなく「育成フェーズ」で考えるのがポイントで、管理職になる手前の若手・中堅社員が中心になります。早期選抜の枠組みであれば、入社数年目のメンバーが対象になることもあります。自社の人材戦略のなかで、どの段階の社員に何を期待するかから逆算して対象を決めるとよいでしょう。

後継者育成研修と次世代リーダー育成研修はどう違いますか?

後継者育成研修は、特定のポストの後継者を計画的に育てる、より対象を絞った取り組みを指すことが多いです。次世代リーダー育成研修は、将来のリーダー候補を幅広く育てる文脈で使われます。後継者育成では「学びが行動につながらない」「一人ひとりのニーズに合っていない」「成果が見えにくい」といった課題が生じやすく、行動に落とす仕組みづくりや効果測定まで設計に含めることが成功の鍵になります。

次世代リーダー育成研修の期間や実施形態の目安はありますか?

ねらいによって変わります。動機づけを重視する場合は、マインド・スキル・シミュレーションを数回に分けて行う構成が考えられます。選抜メンバーの構想力を育てる場合は、個別コーチングや成果発表を組み込み、数か月かけて実施する例もあります。実際に当社が設計したバックキャスティング型の事例は、約3か月の構成でした。

次世代リーダー育成研修の効果はどう測ればよいですか?

研修直後の満足度だけで判断しないことが大切です。研修後の行動の変化、提案や成果物の質、職場での実践度といった観点で測ると、育成の手応えが見えやすくなります。設計の段階で測定方法を決め、研修後のフォローまでを一連の仕組みとして組み込んでおくことをおすすめします。

次世代リーダー育成研修をお考えですか?

対象の状況に合わせた設計から、動機づけ・将来構想力の育成までを一貫してご支援します。プログラムの内容や進め方は、こちらからご覧いただけます。

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