マネージャー育成の課題と実践手法|即戦力化・次世代リーダー・部下育成・イノベーション

マネージャー育成の課題と実践手法|即戦力化・次世代リーダー・部下育成・イノベーション
2022年9月7日、IDEA DEVELOPMENT株式会社はオンラインカンファレンス「マネージャー育成フォーラム 2022」を開催しました。ハイブリッドワーク時代に求められるマネジメント力の変化、即戦力のあるマネージャーを育てる研修設計テクニック、次世代リーダーの育成、部下を伸ばすコーチング手法、イノベーション人材の育て方まで、マネージャー育成を5つの切り口で解説しています。
本記事では、当日のセミナー内容をダイジェストでご紹介するとともに、全5パートの動画を無料で公開しています。人材育成担当者の方が「自社のマネージャー育成にどう活かせるか」を考えるヒントとしてお役立てください。
当日の全映像を無料公開中
各セクションの動画は記事内に埋め込んでいます。研修企画のヒントとしてぜひご活用ください。マネージャー育成の具体的なご相談は、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちらこの記事でわかること
TREND & DESIGN ─ トレンドと研修設計
ハイブリッドワーク時代のトレンド
Gartnerの調査に基づく7つの誤解と、マネージャーに求められる6つの行動
即戦力化する5つの研修設計テクニック
企画・内容・職場実施・サポート体制・成果発表の各ポイント
APPROACH ─ 育成対象別のアプローチ
次世代リーダーの育成
現役管理職との6つの違いと対応策
部下を育てる5つのスキル
ティーチング・コーチング・定着・動機づけ・課題解決
イノベーション人材の育て方
NEEDS・IDEAS・ACTIONの3ステップ
VOICE & Q&A
ハイブリッドワーク時代のマネージャー育成トレンド
フォーラムの冒頭では、Gartner社のレポート「Redesigning Work for a Hybrid Future」を引用しながら、ハイブリッドワーク時代にマネージャーが直面する課題と、その対策を解説しました。2020年のパンデミックを経て、働き方は工業革命・デジタル革命に続く「ハイブリッド革命」に突入しています。この変化に対応するために、まず押さえておくべき「よくある7つの誤解」を紹介します。
Part 1:2022年のマネージャー育成トレンド
ハイブリッドワークをめぐる7つの誤解
経営者やマネージャーの間で根強い「リモートワークの不安」は、Gartnerの調査データと照らし合わせると、多くが誤解であることがわかります。特に押さえておきたい4つの誤解とその対策を対比で整理しました。
誤解 1
オフィスワークに戻るべき
完全オフィスワークに戻すと離職者が激増。今の延長では燃え尽き症候群が続く。
ヒント
次世代ハイブリッドワークモデルを設計する
疲労度44pt減少、定着意向45pt向上、パフォーマンス28pt向上(Gartner調査)。
誤解 2
リモートワークは生産性が低い
「目に見えないと不安」は管理者の心理であり、データは逆の結果を示している。
ヒント
「究極フレックス」で成果を最大化する
場所・時間帯・メンバー・業務内容・業務量の5要素で柔軟性を持たせると、高成果社員が40%増加。
誤解 3
イノベーションには対面が不可欠
偶発的な廊下での出会いに頼るイノベーションは、パンデミック前から疑問視されていた。
ヒント
「意図的な衝突」を設計する
非同期の協力はイノベーションへの貢献度が同期とほぼ同等(49% vs 51%)。4つの協力スタイルを使い分ける。
誤解 5
対面でないと組織文化が浸透しない
出勤するだけで企業理念が身につくわけではない。調査ではリモート社員の方が文化満足度が高い。
ヒント
求める行動を定義し、環境を整える
ワークスタイルに関係なく、企業理念に沿った行動を具体的に定義して、その行動を促す仕組みをつくる。
このほかにも、「リモートだと仕事の質が下がる」「ハイブリッドはDEI浸透に悪影響」「ITコストが増大する」といった誤解が紹介されました。共通するメッセージは明確です。ハイブリッドワークの成否を分けるのは「場所」ではなく「設計」であり、マネージャーは「オフィスに来ているかどうか」ではなく「アウトプットの質」でメンバーを評価する力が求められています。
ハイブリッド時代にマネージャーに求められる6つの行動
Gartnerのまとめを踏まえ、フォーラムではハイブリッドワーク時代にマネージャーが実践すべき6つの行動を提示しました。前半3つは「マインドセットの転換」、後半3つは「具体的なスキル」に分かれています。
MINDSET ─ マインドセットの転換
究極フレックスで成果を上げる
場所・時間・メンバー・業務内容・業務量の5要素で柔軟性を最大化し、アウトプットで評価する
リモートでもチームワークを強化する
4つの協力スタイル(対面同期・対面非同期・リモート同期・リモート非同期)を意図的に使い分ける
対面の機会を有効活用する
「集まらないとできないこと」に集中する。積極的な交流・身体を使う演習・特別感のあるイベント
SKILL ─ 具体的なスキル
ハイブリッドマネジメントスキルを高める
共感ベースのマネジメント。活動量ではなくアウトカムで評価する仕組みをつくる
メンバーに必要な能力を特定して育てる
今後のワークスタイルを予測し、デジタル・グローバル・イノベーション・ダイバーシティ対応力を強化
充実したITサポートと環境を整える
「Everywhere Enterprise」を目指し、必要なスペックの定義・ネットワーク最適化・クラウド活用を推進
この6つの行動は、フォーラム全体を貫くテーマでもあります。マインドセットの転換(1〜3)は「なぜ変わらなければならないか」を示し、スキル(4〜6)は「どう変わればよいか」を示しています。次のセクション以降では、こうしたマネージャーを実際にどう育成するかを、研修設計の具体的なテクニックとして解説していきます。
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即戦力のあるマネージャーを育てる5つの研修設計テクニック
第2パートでは、「研修を受けても現場で成果が出ない」という人材育成担当者共通の悩みに対して、研修期間中に実際のビジネス成果を出すための5つの研修設計テクニックが紹介されました。
Part 2:即戦力のあるマネージャー育成
「ラーニングスクラップ」の現実を直視する
研修効果測定の専門家であるブリンカホフ(サクセス・ケースメソッドの提唱者)の調査によると、研修後の受講者の行動は3つのパターンに分かれます。
20%+
研修後に実践しない
学んだ内容を職場で一度も試さない。忙しさや機会のなさを理由にする
60%
実践してあきらめる
一度は試すが障害にぶつかると戻ってしまう。サポートがないと定着しない
20%未満
実践して成果を出す
学んだことを継続的に実践し、業務成果につなげる。全体のわずか2割以下
つまり、8割以上の受講者は研修内容を職場で活かせていません。この「ラーニングスクラップ」(研修のやりっぱなし)を解消するためには、研修当日の内容だけでなく、企画段階から成果発表まで一気通貫で設計する必要があります。フォーラムでは、そのための5つのテクニックが具体的に紹介されました。
研修期間中に成果を出す5つのテクニック
企画
短期集中スプリント型。毎週接点を持ち、月20時間以上の密度で3〜5サイクルを回す
設計のコツ:四半期の始め〜2週間後に開始。期末を避け、期内に終わらせる
内容
即実践できるプラクティカルな設計。汎用的で簡単、3日以内に使える機会がある内容に絞る
順序の原則:簡単→難しい、馴染みあり→新鮮、短期成果→長期成果
ここで20%超が脱落 ─ 「実践しない」層。原因:機会がない・忙しい・使い方が分からない
職場実施 ─ 成否の分かれ目
受講者一人ひとりが自分の実際の職場課題を持ち込み、研修期間中に解決する「プロジェクト型」。事前に上司と課題を設定し、各研修で全員の進捗を共有して助け合い、研修直後から職場実施を始める。
事前
上司と自己課題を決定。業務時間内に取り組んでよい課題であること
研修中
具体的なアイディアと実行計画を立てる。毎回進捗を共有し仲間からヒントをもらう
研修後
研修直後(1週間以内)に実践開始。次回研修の1週間前に進捗確認
ここで60%が脱落 ─ 「実践してあきらめる」層。原因:障害にぶつかる・サポートがない・モチベーション低下
サポート体制
上司の巻き込み+個別コーチングの2軸で受講者を支える
上司の役割
課題設定の承認、実施中の相談、成果発表への立会いとフィードバック
コーチング
20分の電話で振り返り・頭の整理・次のアクション決定・動機づけ
成果発表
経営層へのプレゼンで研修を締めくくり、成果を組織に還元する
午前:リハーサル
発表→個別コメント→ビデオレビュー→発表2回目で大幅にブラッシュアップ
午後:本番
1人5分×3人ずつ質疑応答。役員と直属上司が参加し、経営者がクロージング
この図の構造が示すとおり、研修効果のボトルネックは「設計と実践の間」と「実践と定着の間」の2箇所にあります。前者は「すぐ使える内容設計」(STEP 2)で突破し、後者は「上司の巻き込みとコーチング」(STEP 4)で食い止める。ブリンカホフの言う「2割しか成果を出せない」現実を変えるには、この2つのボトルネックを意識した研修設計が不可欠です。
研修スケジュールの全体像
フォーラムでは、上記5つのテクニックを組み込んだ6ヶ月間の研修スケジュール例が紹介されました。ポイントは「3〜5の学習サイクル」と「各サイクル間の職場実施期間」です。
1サイクル(3〜6週間)の流れ ─ これを3〜5回繰り返す
全体期間:3〜6ヶ月。四半期の始めにキックオフし、期内に成果発表まで完了させる
DAY
研修(1日)
新しいスキルを学び、自己課題への適用プランを立てる。前回の実践結果を全員で共有
WEEK 1
即実践開始
勢いが残っているうちに職場で試す。上司に進捗を報告
WEEK 2–3
実践+コーチング
20分の電話コーチングで振り返り。障害を相談し、次のアクションを決定
WEEK 4–6
進捗確認→次回研修へ
次回研修の1週間前に進捗を確認。結果を持って次のサイクルへ
1サイクルの中で「学ぶ→即実践→コーチングで障害を突破→成果を持って次へ」というループが回ります。研修と研修の間隔は3〜6週間が適切で、短すぎると実践の時間がなく、長すぎると勢いが失われます。このサイクルを3〜5回繰り返し、最終月にブラッシュアップ研修と役員への成果発表で締めくくります。
成果が出る受講者の特徴と、研修設計での引き出し方
プロコーチの視点から「研修で成果が出る受講者に共通する5つの特徴」が紹介されました。重要なのは、これらは受講者の生まれ持った資質ではなく、研修の設計で意図的に引き出せるものだという点です。
課題意識がある
「自分の業務で困っている」という当事者意識
事前の上司面談で自己課題を設定
業務時間内に取り組む課題を上司と合意しておく
実践場面をイメージできる
「どの場面で使えるか」を具体的にプランに落とせる
3日以内に使える内容に絞る
汎用的で簡単、すぐ使える機会がある内容を設計する
まず行動できる
小さな一歩から始め、完璧を目指さず行動量が多い
研修直後に職場実施を開始させる
「プロジェクト型」で毎回進捗報告を組み込む
周囲を巻き込める
相手のWinも示して協力を得られる
上司を巻き込む設計にする
課題設定・中間報告・成果発表に上司が関わる仕組み
変化を実感できる
自分のアクションによる成果を自覚できる場がある
コーチング+成果発表を組み込む
定期的なコーチングで気づきを促し、成果発表で達成感を与える
左列を見れば「どんな受講者が伸びるか」がわかり、右列を見れば「そうした受講者を育てるにはどう設計すればよいか」がわかります。5つのテクニック(企画・内容・職場実施・サポート・成果発表)は、まさにこの右列を実現するための具体的な仕掛けです。
研修効果をさらに高めたい方へ
研修効果測定のモデルや手法について詳しく知りたい方は、カークパトリックモデルやフィリップスモデルなどを比較解説した記事もご参照ください。研修効果測定モデル比較の記事を読む
次世代リーダーと現役管理職の育成はここが違う
第3パートでは、「現役の管理職」と「次世代リーダー(管理職候補)」では育成のアプローチが根本的に異なるという点が解説されました。同じ「マネージャー育成」でも、対象者の状況を理解しなければ研修設計を誤ります。
Part 3:次世代をリードするマネージャー育成
管理職と次世代リーダーの6つの違い
フォーラムでは、現役管理職と次世代リーダーの置かれた状況の違いが6つの観点で整理されました。この違いを理解しないまま同じ研修を適用すると、次世代リーダーにとっては「まだ使えない知識」の詰め込みになり、現役管理職にとっては「すでに知っている話」の繰り返しになります。
この6つの違いは、研修設計に直接影響します。たとえば次世代リーダーは「部下がいない」ため、研修で学んだマネジメントスキルをすぐ試す場がありません。また「成果を出すのに時間がかかる」ため、研修後の能力維持にも工夫が必要です。フォーラムでは、これらの違いに対応する具体的な研修設計の工夫が紹介されました。
次世代リーダー育成の6つの課題と解決アプローチ
6つの違いそれぞれに対して、具体的な解決アプローチが提示されました。特に重要な3つを詳しく紹介します。
課題
部下がいない ─ 研修内容をすぐ活かせない
管理職のコーチングは「職場実施の後」に振り返るが、次世代リーダーはそもそも実践の場がない
解決アプローチ
アクションプランニング型コーチング
実施後ではなく研修直後1週間以内にコーチング。「既存業務に研修内容をどう活かすか」「マネジメントの練習機会を意図的に作れないか」をプランニングする
課題
マネジメントのイメージが漠然としている
概念としては理解できるが、自分が管理職になったときの具体的な行動像が描けない
解決アプローチ
マネジメントシミュレーション
インバスケット演習のような擬似体験で、ミーティング・プレゼン・ネゴシエーション・フィードバックを実際に経験。強みと弱みの自己認識(アセスメント効果)も得られる
課題
マネジメントするまで数年かかる
研修を受けてから実際に管理職になるまでに数年空くと、内容を忘れ、スキルが弱まり、モチベーションが下がるリスクがある
解決アプローチ
3年スパンのフォロー設計
研修期間を長くする、フォロー研修を入れる、定期的なリマインドとeラーニングで能力を維持する。アセスメント→研修→プロジェクト→シミュレーション→成果発表を3年間で段階的に実施
特に注目したいのは、コーチングのタイミングの違いです。現役管理職のコーチングは職場実施の「後」に振り返りを行いますが、次世代リーダーのコーチングは研修の「直後」にプランニングを行います。部下がいない次世代リーダーは「何をどう試すか」を考える支援が先に必要だからです。この違いを理解せずに同じコーチングプログラムを適用すると、次世代リーダーは「実践しなかった反省会」を繰り返すことになります。
次世代リーダーに求められる5つの将来能力
現役管理職には「今」必要なスキルを、次世代リーダーには「今後」必要な能力を育てる必要があります。フォーラムでは、ほとんどの企業が無視できない5つのメガトレンドが提示されました。
イノベーション
変化に合わせて新しい価値を創造する力
育成のヒント:自己課題+研修と職場実施の連携+3〜5サイクルの学習ループ+成果発表
デジタル
新しいツールを活かしてビジネスの価値を生み出す力
育成のヒント:基礎知識の自己学習+プチ実験の繰り返し体験+マイクロラーニング(週3回×3分)
グローバル
外国籍のパートナーとスムーズに働く力
育成のヒント:事前診断→インプットセミナー→個人レッスン+電話トレーニング→事後診断の4ヶ月プログラム
ダイバーシティ対応
様々な特性を持つ相手とスムーズに働く力
育成のヒント:文化のギャップ・ワークライフバランスのギャップ・デジタルギャップを乗り越えるスキル
ハイブリッドワーク
対面・リモート・ハイブリッドのどの環境でもマネジメントできる力
育成のヒント:研修そのものをハイブリッドの見本にする。活発なリモート研修+インパクトの強い対面イベント+ITツールの積極活用を受講者に体験させる
5つの能力に共通するのは「従来の管理職研修ではカバーしきれない」という点です。次世代リーダーが将来マネジメントする環境は、今の管理職が経験してきた環境とは大きく異なります。だからこそ、現役管理職向けの研修をそのまま適用するのではなく、次世代リーダー固有の課題と将来能力に合わせた設計が必要です。
次世代リーダー育成・管理職研修の設計でお悩みですか?
「現役管理職と次世代リーダーの研修をどう棲み分けるか」「次世代リーダーに何を学ばせるべきか」といったご相談に、100以上の研修プログラムを設計してきたアイディア社がお応えします。お気軽にご相談ください
部下を育てるマネージャーの5つのスキル
第4パートでは、プロコーチの視点から「部下を育てるマネージャーに必要な5つのスキル」が紹介されました。ポイントは、5つのスキルが単なる並列ではなく、明確な構造を持っている点です。
Part 4:メンバーを育てるマネージャー育成
5つのスキルの全体構造
フォーラムで紹介された5つのスキルは、3つの「育成の流れ」と2つの「支える仕組み」に分かれます。まず「教える→気づかせる→定着させる」という流れで部下の能力を引き上げ、その過程を「モチベーション」と「課題解決」の2軸で支えるという構造です。
MAIN FLOW ─ 育成の3ステップ
教える(ティーチング)
目的:新しい知識を与える
ロジカルに伝える ─ 詳細の前に全体像を予告する。複雑な表やチャートも簡潔に説明するコツ
双方向で伝える ─ 一方的な講義ではなく、質問と確認を挟みながらインプットする
バリエーションを持つ ─ PDF、映像、実演、ディスカッション等、複数のインプット方法を使い分ける
気づかせる(コーチング)
目的:考えさせ、理解を深める
成長するマインド ─ 失敗を学びの機会と捉える姿勢を部下に持たせる
アクティブリスニング+鋭い質問 ─ 部下の話を聴き、考えを引き出す質問で気づきを促す
フィードバック(DAP) ─ Describe(事実)→ Ask(質問)→ Propose(提案)の3ステップで伝える
定着させる(分かる→できる)
目的:職場でできるようにする
知識の定着 ─ 長期記憶に残す工夫と、使える場面を明確にする
スキルの定着 ─ 練習する機会を設け、フィードバックを与える
マインドの定着 ─ プラン・サポート・フォローの3点で行動変容を支える
SUPPORT ─ 育成を支える2つの仕組み
モチベーションを上げる
全ステップの土台
下げる要因を減らす
ルーチン業務の担当替え、話を聞いてあげる、安心材料を提供する
上げる要因を増やす
理想的なゴールイメージを明確にする、変化をつける、目標を引き上げる
課題を解決する
知識・スキル不足以外の障害を除去
原因を正しく分析する
情報・環境・プロセス・知識・スキル・道具・モチベーションの7層で原因を特定する
原因に適した対策を打つ
「教えれば解決する」問題は実は少ない。難易度が低い原因から順に対処する
この構造を理解すると、多くのマネージャーが陥る罠が見えてきます。部下が成果を出せないとき、多くのマネージャーは「もっと教えれば(ティーチング)解決する」と考えがちです。しかし実際には、原因が「情報不足」や「プロセスの問題」であることも多く、その場合はスキル5の課題解決アプローチが必要です。また、知識としては分かっているのに実践できない場合は、スキル3の定着テクニックが効きます。
グループコーチングという選択肢
フォーラムではプロコーチの立場から、マネージャーの部下育成を支援する手法として「グループコーチング」も紹介されました。リモートで10人チームが50分間、成功ストーリーの共有→課題や失敗談への相互アドバイス→アクションプランの決定という流れで進めます。
グループコーチングのメリットは、マネージャー同士が「自分だけが悩んでいるわけではない」と安心できること、そして他のマネージャーの成功・失敗から具体的なヒントが得られることです。コーチからの紹介では、ヒューマンスキルの悩みとして「メンバーの様子が分からない」「1on1のスキルやフレームワークが分からない」「エンゲージメントが低下する」「チームの一体感を生み出せない」という声が多いとのことでした。これらはまさに、ハイブリッドワーク時代に多くのマネージャーが直面している課題です。
部下育成・コーチング研修についてのご相談
「マネージャーの部下育成スキルをどう高めるか」「1on1の質を上げるにはどうすればいいか」といったお悩みに、プロコーチの知見を活かした研修プログラムをご提案します。お気軽にご相談ください
イノベーションを起こすマネージャー育成のNEEDS・IDEAS・ACTION
最終パートでは、マネージャーがチームでイノベーションを起こすための具体的な研修メソッドが紹介されました。アイディア社の受講者事前アンケートによると、「イノベーションが必要」と感じている人は大多数である一方、「イノベーションを学んだ経験がある」人はごく少数。つまり多くのマネージャーが「必要だと分かっているが、やり方を知らない」状態にあります。
Part 5:イノベーションを起こすマネージャー育成
イノベーションの3ステップ:NEEDS → IDEAS → ACTION
フォーラムでは、イノベーションを「NEEDS(課題を発見する)→ IDEAS(新鮮なアイディアを出す)→ ACTION(素早く実行する)」の3ステップで体系化し、各ステップに具体的な手法を紐づけて紹介しました。
この3ステップで特に重要なのはACTION(実行)です。多くの研修では「考える」ところまでで終わりますが、このメソッドでは「まず2分で1stアクションを起こす」→「60%の完成度でクイックプロトタイプを作る」→「フィードバックをもらって改善する」というサイクルを研修中に回します。「考えてから動く」ではなく「動きながら考える」姿勢を体験させることが、イノベーション研修の核心です。
イノベーション研修から生まれた受講者の成果
フォーラムでは、実践型イノベーション研修(5日間版)を受講したマネージャーたちの具体的な成果が紹介されました。研修期間中(3〜5ヶ月)にビジネス成果が出ている点が特徴です。
3つの成果に共通するのは、研修で学んだ「具体的な手法」を職場の業務にそのまま適用している点です。欠点列挙法、1stアクション、逆転の発想、クイックプロトタイプといった手法は、イノベーションの文脈だけでなく、日常業務の課題解決にも直接使えるものばかりです。フォーラムの参加者からも「IDEASは、イノベーションだけではなく、業務で数字が上がらない、モチベーションがあがらないなど課題解決においても効果的なアプローチ方法だと思った」という声がありました。
参加者の声
マネージャー育成フォーラム 2022に参加された方々の感想をご紹介します(掲載許可をいただいた方のみ)。
Q&A:マネージャー育成でよくある質問
Q1. マネージャー研修は何ヶ月程度の期間が最適ですか?
フォーラムでは、3〜6ヶ月の短期集中型(スプリント型)が推奨されました。毎週何らかの接点(研修・コーチング・職場実施報告)を持ち、月20時間以上の密度で3〜5サイクルを回すのが効果的です。期間が短すぎると定着しにくく、長すぎるとモチベーションが維持しにくくなります。四半期の始めにスタートし、期内に成果発表まで完了させるスケジュールが実施しやすいとのことです。
Q2. リモート環境でもマネージャー育成研修は効果がありますか?
Gartnerの調査データによれば、リモート環境でも研修効果は十分に得られます。鍵は「対面かリモートか」ではなく「研修設計の質」です。フォーラムでは、リモート研修のポイントとして、演習の割合を50%以上にすること、ブレイクアウトルームを積極的に使うこと、演習にバリエーションを持たせることが挙げられました。また、リモート成果発表も、インプットビデオ→リハーサル→ビデオレビュー→本番という流れで対面と同等の効果が得られるとのことです。
Q3. 現役管理職と次世代リーダーの研修は分けるべきですか?
分けることを推奨します。フォーラムで示されたとおり、現役管理職と次世代リーダーでは「部下の有無」「求められる能力の時間軸」「成果が出るまでの期間」など6つの点で状況が大きく異なります。たとえば次世代リーダーは部下がいないため、コーチングのタイミングを「職場実施の後」ではなく「研修直後のプランニング」に変える必要があります。同じ研修を両者に適用すると、次世代リーダーには実践の機会がなく、現役管理職には物足りない内容になりがちです。
Q4. 研修で学んだ内容を職場で実践させるにはどうすればいいですか?
フォーラムでは、職場実施の成否を決める最大の要因は「上司の巻き込み」だと紹介されました。具体的には、研修前に上司と自己課題を設定する、研修期間中に上司が進捗を確認する、成果発表に上司が立ち会いフィードバックするという3つの接点が重要です。加えて、20分の電話コーチングで受講者個人の振り返りと次のアクションプランを支援する仕組みが、ブリンカホフの言う「実践してあきらめる60%」の脱落を防ぐ効果的な手段です。
Q5. イノベーション研修は管理職に必要ですか?
フォーラムでは、アイディア社の受講者アンケートのデータが紹介され、大多数のマネージャーが「イノベーションは必要」と感じている一方、「イノベーションを学んだ経験がある」人はごく少数でした。イノベーション研修で学ぶNEEDS・IDEAS・ACTIONの3ステップは、イノベーションに限らず、日常業務の課題解決、チームの行動量向上、提案力の強化にもそのまま使えます。実際に受講者からは「新規案件の獲得数が増えた」「チームの事務効率が上がった」といった、イノベーション以外の領域での成果も報告されています。
マネージャー育成のご相談はお気軽にどうぞ
ハイブリッド時代のマネジメント力強化、次世代リーダー育成プログラムの設計、部下育成スキル研修、イノベーション人材の育て方など、100以上の研修プログラムを設計してきたアイディア社が御社の課題に合わせた最適なプログラムをご提案いたします。
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