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2年目社員の育成と研修体系|実行力・思考力・モチベーションの3軸

2年目社員の育成に課題を感じる人事・育成担当者は多くいます。新入社員期の右肩上がりの成長が止まり、伸び悩みや停滞感が表に出やすいのが2年目という時期です。一方で、3年目以降に中堅として活躍できるかを決める分岐点でもあり、育成の仕組みが整っている会社ほど早期から手を打っています。

2年目社員の研修を設計するときによくある悩みが「何を教えればよいか焦点が定まらない」というものです。実務スキルの底上げか、考える力の強化か、やる気の維持か。どれも重要で優先順位がつけにくい。本記事では、2年目社員の育成を「実行力・思考力・モチベーション」の3軸で捉え直し、それぞれの課題・研修内容・設計ステップを体系的に解説します。

読後には、自社の2年目社員の課題がどの軸にあるのか、どのような研修を組み立てるべきかが整理できるようになります。既に2年目の個別課題を把握されている方は、2年目社員の育成でよくある6つの課題の解説記事も合わせてご覧ください。

この記事の構成

2年目社員はなぜ伸び悩むのか?入社2年目で起きる3つの変化

2年目社員の伸び悩みは、本人の能力や意欲が低下したから起きるのではありません。環境・期待値・内面という3つの側面で同時に変化が起きるため、1年目と同じ学び方・働き方では対応しきれなくなる、という構造的な問題です。この3つの変化を押さえずに研修を設計すると、特定の軸だけを強化しても効果が出にくくなります。

1年目から2年目への変化 ― 3つの側面が同時に変わる

側面

1年目

環境

新人として扱われる/同期と一緒に学ぶ

期待値

吸収と実行の両立/指示された仕事の遂行

内面

初めての経験ばかりで刺激が多い

2年目

環境

新人扱いの終了/新人が後輩として入ってくる

期待値

自走が求められる/成果責任を持ち始める

内面

目新しさの喪失/同期との差が見え始める

重要なのは、この3つの変化がほぼ同じタイミングで重なって起きる点です。環境が変わり、求められる水準が上がり、内面の不安も生じる。3つが連動するため、1つの軸だけを強化してもほかの軸の不調が足を引っ張ります。これが、2年目研修を「実行力・思考力・モチベーション」の3軸で設計すべき根本的な理由です。

変化①:環境の変化 ― 新人扱いの終了と後輩の登場

2年目になると、社内での立ち位置が大きく変わります。これまで「質問して学ぶ」側だった本人が、新人にとっての「身近な先輩」となり、質問を受ける側に回ります。上司や先輩からの声かけも、1年目のような丁寧なフォローから、一歩引いた見守りへと変化しがちです。

この変化は本人にとってわかりやすい成長機会である一方、急に孤独を感じる時期にもなります。1年目で築いた同期ネットワークも、配属先での業務が忙しくなるにつれて接点が減っていきます。環境的には「自立を促される」状況ですが、本人の準備が整っていなければ停滞のきっかけになります。

変化②:期待値の変化 ― 指示待ちから自走への水準アップ

1年目は「指示された仕事を確実にやり切る」ことが評価の中心でした。2年目以降は、自分で仕事の進め方を考え、優先順位を判断し、成果にまで責任を持つ力が求められます。いわゆる「自走」への水準アップです。

このとき躓きやすいのが、「何をやるか」は示されても「どう進めるか」は任されるパターンです。自分で段取りを組み、判断し、周囲を動かす必要がありますが、こうしたスキルは1年目のOJTでは体系的に学ぶ機会が少なく、いきなり実務で求められると負荷が一気に上がります。

変化③:内面の変化 ― 目新しさの喪失と同期との比較

1年目は初めての経験ばかりで、日々の業務が刺激に満ちています。2年目になると同じ業務の繰り返しが増え、目新しさが薄れます。同時に、同期との配属先の違いや評価の差が見え始め、自分の将来像への迷いが生じやすくなります。

「このままこの仕事を続けて成長できるのか」「同期と比べて自分は遅れていないか」といった内面の揺らぎは、表面には出にくく、上司や人事からは見えにくい変化です。しかし、ここを放置すると主体性やエンゲージメントの低下につながり、早期離職の温床にもなります。だからこそ、研修設計には「モチベーション」を独立した軸として組み込む必要があります。

2年目社員の育成でよくある課題を整理する

2年目社員の育成現場でよく挙がる課題は、一見ばらばらに見えます。しかし整理してみると、「実行力」「思考力」「モチベーション」という3つの軸にきれいに集約されます。6つの典型的な課題を3軸にグルーピングすることで、自社の2年目が今どこで躓いているのかが特定しやすくなります。

2年目社員の6つの典型課題 ― 3軸で整理する

実行力の軸 ― 自走して仕事を動かす力

指示がないと動けない

段取りを自分で組み立てられず、上司の指示待ちになってしまう

周囲を巻き込めない

他部署や先輩への依頼・交渉ができず、一人で抱え込んでしまう

思考力の軸 ― 自分の頭で考える力

言われたことしかできない

目の前の業務は処理できるが、その意図や背景を考えずに作業している

問題を発見・定義できない

課題を感じても具体的に言語化できず、改善のアクションに結びつかない

モチベーションの軸 ― 意欲を維持する力

成長実感を持てない

日々の業務に慣れる一方で、自分の伸びが見えにくくなり停滞感を抱く

キャリアに迷う・離職を考える

同期との比較や将来像の不透明さから、今の仕事への意味づけが揺らぐ

こうして整理すると、2年目の育成課題は「スキル不足」と「マインド面の揺らぎ」の2種類が混在していることがわかります。前者は実行力・思考力の研修で補えますが、後者はモチベーションの軸で別途手を打たないと残り続けます。どの軸が欠けているかで、必要な研修のテーマが決まります。

なお、本記事では各課題の深掘りには立ち入りません。6つの典型課題それぞれの背景と対処については、個別記事で詳しく解説しています。自社の2年目社員がどの課題に当てはまるかを具体的に見極めたい方は、2年目社員の育成でよくある6つの課題も合わせてご覧ください。

課題の全体像を把握したら、次は解決の設計軸です。次章からは、本記事の本題である「実行力・思考力・モチベーションの3軸」について、なぜこの3軸なのか、どのような関係にあるのかを解説します。

2年目研修の設計軸|実行力・思考力・モチベーションの3軸とは?

2年目研修を「実行力」「思考力」「モチベーション」の3軸で設計するという考え方は、単に3つのメニューを用意するという意味ではありません。3軸は並列ではなく、土台から応用へと積み上がる依存関係にあるのが本質です。思考力が土台を作り、実行力で業務を動かし、モチベーションで動き続ける。どれか1つが欠けると、ほかの軸で強化した効果も持続しません。

3軸の関係性 ― 土台から応用へ積み上がる

STEP 1 | 土台をつくる

思考力

目の前の業務を「なぜそうするのか」から捉え直し、自分の頭で判断できる状態をつくる

欠けた時の症状

言われたことはできるが応用が効かない

STEP 2 | 動かす

実行力

考えたことを形にする段取り力・巻き込み力を身につけ、成果にまで到達させる

欠けた時の症状

考えはあっても成果に結びつかない

STEP 3 | 動き続ける

モチベーション

成長実感とキャリア展望を持ち、思考と実行を継続する意欲のエンジンをつくる

欠けた時の症状

一時的に伸びても途中で失速する

この依存関係は、3軸のどれか1つを強化しただけでは効果が続かない理由を示しています。例えば、実行力だけを鍛えても、思考力が追いついていなければ「型通りに動けるが応用が効かない」状態になります。思考力と実行力が揃っても、モチベーションが欠けていれば数ヶ月で失速します。3軸を順に積み上げる、あるいは並行しながら最終的に3つを揃えることが重要です。

なぜスキル別・業務別ではなく、この3軸なのか?

2年目研修の設計軸は、「ビジネスマナー」「報連相」「ロジカルシンキング」などスキル別で切る方法もあります。しかし、スキル別に設計すると「研修を受けたのに仕事が変わらない」現象が起きやすくなります。ロジカルシンキングを学んでも、モチベーションが下がっていれば業務に活かそうとしない。段取り力を学んでも、考える習慣がなければ段取り自体の精度が上がらない。

一方、業務別(営業2年目、エンジニア2年目、企画2年目)で切る方法は、職種ごとの事情を反映できる利点がありますが、職種を越えて2年目共通の「伸び悩みの構造」には対応しにくい欠点があります。実行力・思考力・モチベーションの3軸は、職種を問わず2年目で共通して起きる変化に対応しているため、全社一貫の育成体系を作るうえで汎用性が高い軸です。

3軸の優先順位はどう決めるのか?

3軸すべてを同時に扱うのは、研修時間・コスト・受講者の吸収力を考えると現実的ではありません。自社の2年目社員の実態を踏まえ、どの軸から強化するかの優先順位を決める必要があります。判断の基準は、前章で整理した「6つの課題がどの軸に偏っているか」です。

例えば、実行力の2課題(指示待ち・巻き込めない)が顕著なら実行力から着手します。思考力の課題(言われたことしかできない・問題を定義できない)が強いなら、思考力が先決です。離職兆候や停滞感が目立つならモチベーションを入口に置き、そこから思考力・実行力へつなげる順序もあり得ます。次章では、3軸それぞれの研修内容と設計ポイントを具体的に見ていきます。

3軸それぞれの研修内容と設計ポイント

3軸はそれぞれ扱うテーマも、研修の設計ポイントも異なります。ここでは実行力・思考力・モチベーションの順に、どのような研修内容が有効で、どんな点に気をつけて設計すべきかを解説します。各軸の最後には、実際にアイディア社で実施している研修事例を紹介しますので、具体的なプログラムイメージを掴む参考にしてください。

実行力を強化する研修 ― 自走と巻き込み力を育てる

実行力の研修は、「考えたことを成果にまで到達させる力」を身につけることが狙いです。具体的には、仕事の段取りを自分で設計する力、優先順位を判断する力、関係者を巻き込んで動かす力の3つが柱になります。1年目のOJTでは体系的に扱われにくい領域で、2年目で一気に求められる水準が上がる部分です。

典型的な研修テーマは、段取り力(仕事の計画と進捗管理)、巻き込み力(報連相・依頼・交渉)、問題解決の実行フェーズ(意思決定と行動)などです。座学だけでは定着しないため、自分の実際の業務を題材にしたケーススタディやワークを組み込むのが設計のポイントです。研修中に作った行動計画を上司と共有し、研修後に実行・振り返りまで行う「伴走型」の設計が効果を高めます。

よくある失敗は、スキル習得に偏りすぎて「行動が変わらない研修」になってしまうことです。タスク管理ツールの使い方を学んでも、現場で使わなければ意味がありません。研修の目的を「スキルを覚える」ではなく「行動を変える」に置き、アウトプット課題・上司巻き込み・フォローアップを必ずセットで設計することが重要です。実際の研修事例として、2年目社員の実行力強化研修(伴走型プログラム)の設計意図と進め方をまとめています。

思考力を強化する研修 ― 自分の頭で考える習慣をつくる

思考力の研修は、「目の前の業務を構造的に捉え、自分の頭で判断・言語化する習慣」を身につけることが狙いです。単にロジカルシンキングのフレームワークを学ぶのではなく、自分の仕事に対して「なぜそうするのか」「ほかに選択肢はないか」「本質的な問題は何か」を問う姿勢を育てる設計が必要です。

典型的な研修テーマは、問題発見・問題解決思考、クリティカルシンキング、業務の構造化と言語化、仮説思考などです。ここで重要なのは、フレームワークの網羅性ではなく、思考の習慣化を目指すことです。研修中に身近な業務課題を題材に何度も思考プロセスを回し、受講者同士で思考の違いを相互観察する時間を十分に取ります。

よくある失敗は、フレームワークの数を増やしすぎて消化不良に終わるパターンです。2年目に必要なのは、多くのフレームワークを知ることではなく、1つか2つの型を自分の仕事に繰り返し当てはめて思考する経験です。研修後に「自分の業務の中で思考フレームを1つ定着させる」課題を設定すると、行動変容につながります。具体的な設計事例は、2年目社員の思考力(問題解決力)強化研修をご覧ください。

モチベーションを維持する研修 ― 成長実感とキャリア展望を描く

モチベーションの研修は、「仕事の意味づけと、将来への展望を本人の中でつくり直す」ことが狙いです。2年目は目新しさが薄れ、同期との比較や将来への迷いが生じやすい時期です。上司や人事からの言葉では届きにくい内面の揺らぎに対し、本人が自分の言葉で意味づけできる場を用意することが、継続的な意欲につながります。

典型的な研修テーマは、キャリアデザイン(中長期のキャリア展望を描く)、強みの棚卸しと自己理解、価値観の言語化、ロールモデルから学ぶなどです。重要なのは「会社が用意した正解を押し付けない」設計にすることです。キャリア観や価値観は本人ごとに異なり、内省と対話を通じて本人の中から引き出す必要があります。

よくある失敗は、会社都合のキャリアパスを提示して「納得してもらう」型の研修になることです。これはむしろ離職意向を高めるリスクがあります。本人が自分で考え、自分の言葉で語る時間を十分に確保し、上司や先輩との対話セッションを研修後に続けることで、日常業務の中にモチベーションの維持装置を組み込むことが有効です。アイディア社では強みを起点にしたモチベーション研修を実施しています。詳しくは2年目社員のモチベーション研修(強みを活かす)をご覧ください。

3軸の研修を組み合わせる際の留意点

3軸の研修を単発で終わらせず、年間を通じて組み合わせる設計を推奨します。例えば、2年目前半で思考力の土台を作り、中盤で実行力を鍛え、節目でモチベーションの研修を入れる、という時系列の配置です。あるいは、それぞれ2〜3日の集中研修として実施し、間に現場での実践期間を挟む設計も有効です。

ただし、3軸すべてをフル装備で実施する必要はありません。自社の2年目社員の課題がどの軸に偏っているかによって、重点を置く軸と軽めにする軸を決めるほうが現実的です。次章では、自社の状況に合わせて3軸の研修体系をどう組み立てるか、5ステップの設計フローを解説します。

2年目研修の設計ステップ|自社に合わせて研修体系を作る方法

3軸の全体像が理解できたら、次は自社に合わせた研修体系に落とし込む段階です。2年目研修の設計は、いきなり研修内容を決めるのではなく、自社の2年目の実態把握から始めて5つのステップで組み立てるのが定石です。この順序を守ることで、現場の課題と乖離した「やったふり研修」を避けられます。

自社に合わせた2年目研修の設計 ― 5ステップ

STEP

1

2年目の実態を把握する

現場ヒアリング・上司アンケート・本人アンケートで、6つの典型課題のうちどこで躓いているかを特定する

アウトプット:2年目の課題一覧と3軸への割り付け

STEP

2

3軸の配分と優先順位を決める

実行力・思考力・モチベーションのうち、どの軸に重点を置くかを経営課題・人事戦略と照らして決める

アウトプット:3軸の重点配分(例:思考力50%/実行力30%/モチベ20%)

STEP

3

研修形式と期間を設計する

集合研修・オンライン・個別コーチング・eラーニングの組み合わせを決め、年間スケジュールに落とし込む

アウトプット:年間研修カレンダーと各プログラム概要

STEP

4

上司・現場を巻き込んで実施する

研修前に上司と本人の期待すり合わせ、研修中に行動計画を策定、研修後に上司との振り返りを行う

アウトプット:上司向け説明資料・行動計画フォーマット

STEP

5

効果測定とフォローを設計する

研修直後のアンケートで終わらせず、3ヶ月後・6ヶ月後の行動変容・成果を確認し、次年度設計に反映する

アウトプット:効果測定レポートと次年度改善案

この5ステップの中で、最も省略されやすいのがSTEP1(実態把握)とSTEP5(効果測定)です。前後を省いて中間の3ステップだけで進めると、「他社でやっている研修をとりあえず導入する」「実施しただけで効果が見えない」といった失敗に直結します。以下、各ステップの勘所を解説します。

STEP1:2年目の実態を正しく把握する方法

実態把握は、本人アンケート・上司アンケート・人事観察の3点セットで進めます。本人だけに聞くと「自分ができている」と答えがちなテーマ(段取り・巻き込み・思考の深さ)は、上司側の評価と照らし合わせてギャップを見るのが有効です。同期の中での比較ではなく、業務遂行に必要な水準とのギャップで課題を特定します。

アンケート項目を設計するときは、「実行力・思考力・モチベーション」の3軸それぞれに3〜5個ずつの観察項目を用意し、本人と上司が同じ項目で5段階評価する形式が分かりやすくおすすめです。ギャップが最も大きい軸から重点的に手を打つ、というシンプルな判断ができます。

STEP2〜3:3軸の配分と研修形式の選び方

3軸の配分は、STEP1で特定したギャップをもとに決めます。実行力・思考力・モチベーションのうち、ギャップの大きい軸に研修時間とコストを多めに配分します。3軸均等配分は「現状分析ができていない証拠」です。自社の課題と向き合って差をつけた設計にすることで、現場で成果が出る研修になります。

研修形式の選び方は、扱うテーマの性質で判断します。実行力は現場実践との接続が重要なので、集合研修+現場実践+フォローの組み合わせが有効です。思考力は対話と相互観察で深まるため、集合研修での議論時間を厚く取ります。モチベーションは内省と対話が中心のため、少人数ワークや1on1コーチングとの組み合わせが適しています。

STEP4〜5:上司巻き込みと効果測定の設計

研修の効果は、研修室で決まるのではなく現場で決まります。そのため、上司を研修設計の段階から巻き込み、研修前・中・後で役割を持たせることが重要です。研修前に本人と上司で期待をすり合わせ、研修中に行動計画を策定し、研修後に上司が面談で振り返りを行う。この3点セットを設計に組み込むだけで、定着率は大きく変わります。

効果測定は、研修直後の満足度アンケートで終わらせず、3ヶ月後・6ヶ月後に行動変容を確認します。本人の自己評価に加え、上司の観察コメントを集めることで、研修が実務に活きているかを立体的に捉えられます。測定結果は次年度の設計改善に活かす循環をつくります。

ここまで解説した5ステップは、自社内で進めることもできますが、実態把握・3軸配分・研修設計を外部の視点で見直すと、社内では気づきにくい盲点が見えてくることがあります。2年目研修の設計を具体的に進めたい場合や、現行の研修を3軸で再設計したい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。自社の2年目の課題に合わせた設計をサポートしています。

2年目研修を成功させるために押さえたい3つの運用ポイント

3軸の研修設計ができても、運用が甘いと成果は出ません。2年目研修の成否は、研修プログラムそのものよりも、前後の現場との接続・上司の関与・効果測定のタイミングで決まります。ここでは、多くの企業で躓きがちな3つの運用ポイントを解説します。どれも設計段階から織り込んでおくことで、研修の効果を数段階引き上げられます。

運用ポイント①:新入社員研修・3年目研修との接続を設計する

2年目研修を単独の研修として設計するのではなく、新入社員研修で学んだ内容の延長・発展として位置づけることが重要です。1年目にビジネスマナーや報連相の基礎を学び、2年目でそれを自走・応用のレベルに引き上げ、3年目で他者への影響力・後輩育成へとつなぐ、という3年一貫のストーリーを描きます。この接続があることで、本人は「なぜ今これを学ぶのか」を理解しやすくなります。

具体的には、1年目研修の内容一覧、2年目研修の内容、3年目研修の内容を1枚のマップにまとめ、毎回の研修冒頭で「昨年はここまで学び、今回はここを扱い、来年はこの先を扱う」と位置づけを共有します。このマップがないと、受講者は毎回バラバラの研修を受けている感覚になり、学びが繋がりません。研修設計の全体像は、新入社員研修の設計完全ガイドもあわせて参考になります。

運用ポイント②:上司を研修前から継続的に巻き込む

研修の効果は、研修室で決まるのではなく研修後の現場で定着するかどうかで決まります。そのためには、本人の直属上司が研修の目的・内容を理解し、研修後の行動を支援することが不可欠です。上司が「研修に行ってきて」とだけ言って送り出すケースは、定着率が著しく下がります。

具体的な巻き込みの型は、研修前の事前面談(目的すり合わせ)、研修直後の行動計画共有、研修後1ヶ月・3ヶ月の振り返り面談、という3〜4回のタッチポイントをセットにすることです。上司自身も忙しいため、人事側が上司向けガイド・面談フォーマット・想定質問集などを用意し、上司の関与コストを下げる工夫が必要です。上司を「受益者」ではなく「共同運営者」として扱うと、関与の質が変わります。

運用ポイント③:効果測定は「直後」ではなく「3ヶ月後・6ヶ月後」で行う

研修の効果測定というと、研修終了直後のアンケート(満足度・理解度)を想起しがちです。しかし、2年目研修で測るべきは「現場での行動変容」であり、それは研修から3ヶ月〜6ヶ月後にならないと見えてきません。直後アンケートは研修運営の品質を測る指標であり、研修の効果そのものを示すものではないと割り切ります。

効果測定のタイミングは、研修直後(満足度・理解度)、3ヶ月後(行動変容の初期兆候)、6ヶ月後(行動変容の定着と業務成果)、の3段階で設計します。3ヶ月後と6ヶ月後は本人評価だけでなく、上司観察とセットにすることで客観性を担保します。測定項目は設計段階から決めておき、受講者にも「半年後にこの項目で変化を見る」と伝えると、研修後の行動にも意図が生まれます。

これら3つの運用ポイントは、設計段階から仕組みとして組み込むのがコツです。実施してから「やっぱり上司を巻き込もう」「効果測定を追加しよう」では遅く、後付けでは機能しないまま終わってしまいます。次の章では、2年目育成についてよく寄せられる質問にお答えします。

2年目社員の育成に関するよくある質問

2年目社員の育成について、人事・育成担当者の方からよくいただく質問にお答えします。

Q1. 2年目社員の育成で最も起きやすい課題は何ですか?

最も起きやすいのは「停滞感」と「成長実感の喪失」です。1年目は初めての経験ばかりで右肩上がりに成長しますが、2年目は求められる水準が上がる一方で日々の業務が繰り返しに感じられ、自分の伸びが見えにくくなります。この内面の揺らぎがモチベーション低下や早期離職のきっかけになります。対処には、実行力・思考力のスキル面だけでなく、モチベーションを独立した軸として扱う育成設計が必要です。

Q2. 実行力・思考力・モチベーションの3軸は同時に扱うべきですか?

3軸をすべて同時にフル装備で扱う必要はありません。研修時間・コスト・受講者の吸収力を考えると、自社の2年目の実態に合わせて重点軸を決めるほうが現実的です。ただし、3軸は相互に依存しているため、単独軸だけで進めると効果が持続しにくくなります。重点軸を中心に据えつつ、ほかの2軸は軽めでも触れておく、という設計がおすすめです。どの軸に重点を置くかは、本人アンケートと上司アンケートのギャップが大きい軸を選ぶのが定石です。

Q3. 2年目研修は新入社員研修・3年目研修とどう違うのですか?

新入社員研修は「型を覚える」、2年目研修は「型から自走へ引き上げる」、3年目研修は「他者への影響力を広げる」というように、3年間で連続したストーリーを持たせるのが望ましい設計です。2年目は1年目で学んだ基礎を応用・自走レベルに引き上げる橋渡しの時期であり、この時期を単発の研修で扱うと効果が薄れます。前後の年次との接続を意識することで、2年目研修の意義が本人にも伝わりやすくなります。

Q4. 2年目研修の頻度・期間はどれくらいが目安ですか?

標準的には、1回2〜3日の集中研修を年に1〜2回実施し、その間に3〜6ヶ月の現場実践期間を挟む設計が一般的です。3軸のどこに重点を置くかで変わりますが、思考力・実行力は集合研修での議論と実践が必要なためまとまった時間を取り、モチベーションは1on1や少人数ワークを継続的に行う運用が有効です。研修期間だけでなく、上司との面談や行動計画の振り返りなど、研修前後のタッチポイントを含めた全体設計が効果を左右します。

Q5. 2年目研修は内製と外部委託のどちらが適していますか?

軸によって向き不向きがあります。実行力は自社業務と密接に結びつくためOJTや内製研修との接続がしやすく、内製寄りで設計しやすい軸です。思考力はフレームワークと対話の設計が重要で、外部講師のほうが設計負荷が低く効果的な研修を組みやすい傾向があります。モチベーションは外部の客観的視点と内部の継続的な関与の両輪が効くため、外部設計+内部運用のハイブリッドが有効です。自社の設計リソースと研修テーマの相性を踏まえ、軸ごとに判断するのが現実的です。

2年目社員の研修設計について相談する

2年目社員の育成は、自社の課題がどの軸に偏っているかを正しく把握することから始まります。アイディア社では、2年目社員の実態診断から3軸の研修設計、運用サポートまで、企業ごとの課題に合わせた育成体系づくりを支援しています。現行の研修を3軸で再設計したい、2年目の研修体系を新たに構築したいなど、お気軽にご相談ください。

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