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実務で使う発想法|欠点列挙法とNM法でアイデアを生み出す具体手順

会議で「何か新しいアイデアはないか」と振られて、頭が真っ白になった経験はないでしょうか。ブレインストーミングを始めても、出てくるのは似たような案ばかりで堂々巡り——。アイデアを出すことに苦手意識を持つビジネスパーソンは少なくありません。

実は、新鮮なアイデアを生み出す力は「センス」ではなく、手順のある技術です。本記事では、数ある発想法のなかでも一人の実務ですぐ使える「欠点列挙法」と「NM法」の2つを取り上げ、自分の課題に落とし込む手順を具体的に解説します。

なぜ自己流のアイデア出しは枯れるのか

アイデア出しに苦手意識を持つのは、あなただけではありません。アイディア社がイノベーション研修の受講者2万人以上から集めた事前データには、多くの人が抱える共通の悩みが表れています。

91%
が必要性を感じる
98%
が高めたいと望む
19%
が自分は得意と答える
11%
が学んだ経験がある

注目したいのは、98%が「高めたい」と望んでいるのに、「自分は得意」と答えた人は19%、「学んだことがある」人にいたっては11%にとどまる点です。つまりアイデアを出せないのは才能の問題ではなく、多くの人が発想の技術を学ばないまま自己流で取り組んでいるだけ、と読み取れます。裏を返せば、手順を知って練習すれば、アイデアを出す力は誰でも伸ばせるということです。

自己流のアイデア出しが似た案ばかりになるのには、はっきりした理由があります。人はいつもの経験や知識の延長で考えるため、無意識のうちに同じ発想の枠から出られなくなるからです。新鮮なアイデアを増やすには、この枠から意図的に外れる仕掛け——つまり発想法が必要になります。次章では、その道具箱の全体像を確認します。

発想法という「目的別の道具箱」

発想法は1つではありません。アイディア社のイノベーション研修では、アイデアを生み出す段階を、8つの発想法を「4つの動作」に整理した道具箱として扱います。動作で分けることで、「いま自分は何をすればよいか」を選びやすくなるのが特徴です。代表的な4つの動作を見てみましょう。

1

他人の案を参考にする|ブレインライティング

他のメンバーが書いたアイデアに次々と上乗せして、数多くの案を生み出します。

2

欠点を反転させる|欠点列挙法

対象の欠点や不満を洗い出し、それを裏返して解決アイデアに変えます。本記事で詳しく解説します。

3

テーマから離れる|NM法

課題そのものから一度離れ、別のものから発想して新鮮な解決案を持ち込みます。本記事で詳しく解説します。

4

連想する|強制連想法

無関係に見える刺激から連想を広げ、斬新な案を数多く出します。

このほかにも、他人の視点になりきって考える「達人の知恵」、理想の状態から逆算する「逆転の発想」など、目的に応じた技法があります。重要なのは、行き詰まったときに「どの動作で抜け出すか」を意識して道具を選べることです。

この道具箱のなかでも、一人の実務で今日から試しやすいのが「欠点を反転させる=欠点列挙法」と「テーマから離れる=NM法」の2つです。特別な道具や大人数を必要とせず、自分の抱える課題が1つあれば回せるためです。次章から、それぞれの具体的な手順を見ていきます。

欠点列挙法を実務で使う3ステップ

欠点列挙法は、対象のマイナス要素を洗い出し、それを裏返して解決アイデアに変える技法です。難しい問題を解決したいときに向いています。ゼロから良い案をひねり出すのではなく、誰でも挙げやすい「欠点」や「不満」から始められるのが大きな利点です。実務では、次の3ステップで進めます。

欠点列挙法の3ステップ

STEP 1

欠点を洗い出す

対象の不満・問題・障害・制約を、思いつく限り書き出す

STEP 2

欠点を裏返す

それぞれの欠点を「こうだったら良いのに」という理想に反転する

STEP 3

解決案にする

反転した理想を実現するための具体的な打ち手を考える

この技法の強みは、出発点を自分でつくらなくてよいことです。アイデアに詰まりやすい人ほど「良い案を出さなければ」と身構えてしまいますが、欠点列挙法ではまず不満を並べるだけ。日頃感じている「やりにくさ」が、そのまま改善のタネになります。

たとえば「定例会議が長い」という課題なら、STEP1で「議題が曖昧」「時間管理がない」「結論が残らない」と欠点を挙げ、STEP2で「議題が明確」「時間が守られる」「決定事項が共有される」と裏返します。STEP3では、それを実現する打ち手として「アジェンダを前日に共有する」「各議題に持ち時間を設定する」「決定事項を最後に1分で確認する」といった具体策に落とし込めます。漠然と「会議を改善したい」と考えるより、はるかにアイデアが出やすくなります。

欠点列挙法のような発想法を、実際の職場課題を題材に体系的に練習したい方へ。アイディア社の実践型イノベーション研修では、発想から実行までを一連の流れで身につけられます。

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NM法を実務で使う3ステップ

NM法は、課題そのものから一度離れ、まったく違う分野からヒントを借りて新鮮な解決案を持ち帰る技法です。欠点列挙法が手元の課題を深掘りする「近くを掘る」発想なら、NM法は思考をいったん遠くへ飛ばす発想だと考えると分かりやすいでしょう。いつもの経験の延長では出てこない案を呼び込みたいときに向いています。実務では、次の3ステップで進めます。

1

課題のキーワードを1つ抜き出す

解決したい課題の本質を、できるだけ短い言葉に言い換えます。「何を実現したいのか」を一語に絞るのがコツです。

2

まったく違う分野で似た例を探す

そのキーワードと同じ働きや性質を持つものを、自分の仕事とは無関係な世界から連想します。自然・スポーツ・日常の風景などが手がかりになります。

3

その仕組みを課題に持ち帰る

別世界で「なぜうまくいっているのか」を観察し、その仕組みを自分の課題に翻訳して具体案にします。

たとえば「新人がなかなか質問してこない」という課題なら、キーワードは「質問しやすさ」です。これを別世界に飛ばし、「コンビニのレジ横の商品はなぜ気軽に手が伸びるのか」を考えると、「ついでに手に取れる」「失敗してもリスクが小さい」「目に入る位置にある」といった仕組みが見えてきます。これを課題に持ち帰れば、「ついでに聞ける共有チャットをつくる」「先輩から先に小さく声をかける」「質問を歓迎する空気を見える化する」といった、自分一人で課題をにらんでいても出てこなかった案が生まれます。

欠点列挙法とNM法は、行き詰まりの種類で使い分けると効果的です。手元の不満がはっきりしているなら、近くを掘る欠点列挙法。考えが堂々巡りして同じ案しか出てこないなら、遠くへ飛ぶNM法、という具合です。

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出したアイデアを「実行」に落とす

発想法でアイデアが出ても、実行しなければ職場は何も変わりません。アイデアを出して満足してしまうことが、実務で成果を生めるかどうかの分かれ目です。ここで一つ、見過ごせないデータがあります。アイディア社のイノベーション研修では、学ぶ量と実践する期間によって、出る成果がはっきり変わります。

育成にかけた量と、現場で出る成果

研修日数と実践期間が増えるほど、現場の成果は大きくなる(アイディア社イノベーション研修の受講データより)

1日+1カ月(実践期間)
意識は高いが動かない
3日+2カ月(実践期間)
行動はするが成果はまだ
5日+4カ月(実践期間)
具体的な成果が出る

▶ 棒が長いほど、現場で出る成果が大きい

注目したいのは、1回学んだだけでは意識が高まっても行動に移りにくく、具体的なビジネス成果に届くのは、実践と振り返りを十分に繰り返した場合だという点です。これは研修に限らず、一人で発想法を使うときも同じです。欠点列挙法やNM法を一度試すだけで終わらせず、自分の課題で繰り返し使い、出た案を必ず実行に移すことが、成果への近道になります。

そのために役立つのが、出したアイデアを「明日すぐできる最初の一歩」に落とす習慣です。次の3つを満たすかどうかを確認すると、アイデアが行動に変わりやすくなります。

アイデアを「最初の一歩」に変える3つのチェック

動詞

具体的な行動になっているか

「検討する」ではなく「課題を3つ書き出す」のように、動詞で具体的に言い切れること。

2分

2分以内で始められるか

深く考えなくても、気軽にすぐ終えられる小ささであること。

最初

先にやるべきことが残っていないか

その一歩の前に別の準備が必要なら、それはまだ最初の一歩ではありません。

とはいえ、一人で続けるには限界もあります。とくに失敗を恐れる人ほど、上司を巻き込んだり、進捗を振り返る機会があったりすると、最初の一歩を踏み出しやすくなります。アイデアを出す力と、それを実行して成果につなげる仕組みは、セットで考えることが大切です。

アイデアを出すだけで終わらせず、職場で実行して成果につなげたい方へ。アイディア社の実践型イノベーション研修は、自分の課題を題材にした発想から、実行・定着までを伴走する設計です。

▶ 実践型イノベーション研修を見る▶ お問い合わせはこちら

よくある質問

発想法とは何ですか?

発想法とは、新しいアイデアを生み出すための手順をもった技術の総称です。本記事で扱う欠点列挙法やNM法のほか、ブレインライティング、強制連想法など、目的に応じた複数の技法があります。センスに頼るものではなく、手順を知って練習すれば誰でも使えるようになるのが特徴です。

欠点列挙法とNM法の違いは何ですか?

欠点列挙法は、対象の欠点や不満を洗い出し、それを裏返して解決アイデアに変える「近くを掘る」技法です。一方のNM法は、課題からいったん離れ、まったく違う分野からヒントを借りて新鮮な案を持ち帰る「遠くへ飛ぶ」技法です。手元の不満がはっきりしているときは欠点列挙法、同じ案しか出てこず堂々巡りするときはNM法が向いています。

アイデアが出ないときはどうすればよいですか?

まず「良い案を出さなければ」と気負わないことが大切です。欠点列挙法を使えば、日頃感じている不満や欠点を書き出すところから始められるため、ゼロから考えるより着手しやすくなります。それでも同じ発想に偏るときは、NM法で課題から離れ、別の分野の仕組みを借りてみると、新しい視点が得られます。

発想法は一人でも実践できますか?

はい。欠点列挙法もNM法も、特別な道具や大人数を必要とせず、自分の課題が1つあれば一人で取り組めます。ただし、出したアイデアを実行して成果につなげる段階では、上司を巻き込んだり、進捗を振り返る機会を設けたりすると、行動が続きやすくなります。

発想法を組織の力に変えるなら

個人の工夫を、チームや組織の成果につなげるには、発想から実行・定着までを支える仕組みが有効です。アイディア社では、貴社の課題に合わせたイノベーション研修をご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。

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