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2023.11.27管理職研修

管理職コーチング研修|現場で機能する5つの課題と解決策

管理職・マネージャーにとって、コーチングスキルの重要性は今や疑いようがありません。弊社が2023年に開催したマネージャー育成フォーラムでのアンケート調査(n=48)では、回答者の98%が「コーチングはマネージャーにとって大切、またはとても大切」と回答しています。これだけ必要性が認識されているにもかかわらず、現場でコーチングが機能しているかというと、実態はかなり厳しいものがあります。

同調査では、約7割の担当者がコーチング研修を「実施中・予定・検討中」と答えた一方、その効果について「良い・極めて良い」と評価した割合はわずか25%にとどまりました。つまり、コーチング研修を実施している企業の4分の3は、期待通りの効果を感じられていないという状況です。

コーチングに対する「認識」と「実態」の大きなギャップ

認識(期待)

98%

コーチングは
マネージャーに大切

「大切・とても大切」と回答した人事担当者の割合

VS

実態(効果)

25%

研修効果を
実感できている

「良い・極めて良い」と評価した実施済み企業の割合

出典:弊社 2023年マネージャー育成フォーラム アンケート調査(n=48)

なぜ研修を受けても現場で使えないのか。本記事では、弊社が実際のコーチング研修で収集した職場映像の分析データをもとに、管理職コーチング研修が現場で機能しない5つの課題と、それを解決するための研修設計のポイントをお伝えします。

管理職コーチング研修はなぜ現場で機能しないのか?

結論から言えば、研修のロールプレイでは機能して見えるコーチングスキルが、上下関係のある実際の職場場面ではほとんど発揮されていない——これが弊社の職場映像分析から浮かび上がった実態です。

弊社のコーチング研修では、受講者が職場で部下に対して実際に行ったコーチングの場面をビデオ撮影し、提出してもらうという取り組みを数年前から続けています。研修講師がその映像を分析し、傾聴力・目標設定・質問の質・動機付けなど基本的なコーチングスキルを評価するものです。

研修中のロールプレイでは、受講者のスキルレベルはそれなりに見えます。しかし、実際の職場映像を見ると、想定をはるかに下回るケースが多い。上下関係のある実際の場面では、研修での学びがほとんど機能していないことが映像から明確にわかります。次章で紹介する5つの課題は、多くのマネージャーに共通して見られるものです。

現場で頻発するマネージャーの5つのコーチング課題とは?

弊社の職場映像分析から見えてきた5つの課題の多くは、「聞かない」「使い分けできない」「曖昧に終わる」という3つの根本パターンに起因しています。ロールプレイでは機能しても実戦で崩れるのは、この根本が解消されていないためです。以下、具体的に5つの課題を見ていきます。

課題1:相手の話を聞かず、一方的に話し続ける

最も深刻なパターンは、50分の映像を通して見ても、どこにもコーチング的な要素が見当たらないケースです。マネージャーが一方的に話し続け、部下が聞き役に徹してしまっている。部下と向き合う場になると、多くのマネージャーは無意識のうちに「説教モード」に入ってしまうようです。傾聴が不足し、自分の先入観で話を進め、自身の経験談ばかりを語る。これでは部下が自分の考えを整理したり、主体性を持って行動に向かうことはできません。

課題2:コーチング・ティーチング・業務指示の使い分けができていない

「コーチングが大事」と学んだ結果、どんな状況でもコーチングを使おうとするマネージャーが一定数います。しかし、部下がまだ知識やスキルを持っていない段階では、質問で引き出そうとしても意味がなく、教える(ティーチング)ことが必要です。逆に、ある程度わかっているがもやもやしている状態の部下には、コーチングによって頭を整理することが効果的です。進捗確認や業務指示が必要な場面もあります。

部下の状態に応じた3つの使い分け

部下の状態①

まだ知らない・できない

知識・スキル・手順がそもそも身についていない段階。質問で引き出そうとしても答えが出ない

取るべき対応

ティーチング

まず「教える」ことが最優先

部下の状態②

わかっているがもやもや

ある程度の知識・経験はあるが、整理できていない/次の一歩が見えていない段階

取るべき対応

コーチング

質問で「考えを整理」する

部下の状態③

取るべき行動が決まっている

やるべきことは明確で、あとは実行・進捗確認・納期調整が必要な段階

取るべき対応

業務指示・進捗確認

明確に指示・確認する

重要なのは、部下の状況を正確に把握し、その状況に合った対応を選ぶことです。コーチング研修では「コーチング一辺倒」を学ばせるのではなく、この3つの使い分けができる観察力・判断力を身につけさせる設計が欠かせません。

課題3:1on1の目的が曖昧なまま終わる

映像を見ていると、驚くほど多くの1on1が「雑談で終わる」「お互いに遠慮しながら話が進まない」「部下の愚痴を聞くだけで時間切れ」というパターンに陥っています。コーチングを通じて「次に何をすれば良いか」というイメージを部下が持てるかどうか、そしてそこへ向かうモチベーションが高まるかどうかが本来の目的です。目的意識のない1on1は、コーチングでも何でもなく、単なる時間の消費です。

課題4:マネージャー自身が解決策を考えて提示してしまう

「部下のために」という善意から、マネージャーが答えを出してしまうケースも多く見られます。しかしこれでは、部下は単なる情報提供者になってしまい、主体性もモチベーションも育ちません。コーチングの真価は、部下自身が考え、自分の言葉で答えを見つけ、「やってみよう」という気持ちで動き出せる点にあります。マネージャーが回答を持ち込んだ瞬間、その価値は失われます。

課題5:具体的なアクション・期限・フォローの確認がない

「心理的安全性が大切」という学びを誤解して、「何も決めない、ただ聞くだけ」がコーチングだと思い込むマネージャーがいます。しかし、セッションが終わった後に「誰が・何を・いつまでに」が不明確であれば、それは雑談です。コーチングの基本は、部下が自ら次のアクションを決め、実行する意欲を持てる状態にすることです。安全な雰囲気を作ることと、明確なコミットメントを引き出すことは、矛盾しません。

なぜ従来のコーチング研修は効果が出にくいのか?

結論から言えば、多くのコーチング研修が「プロコーチ養成カリキュラムの転用」をベースに設計されていることが、効果が出にくい最大の原因です。社内マネージャーの実務とプロコーチの仕事では、使う場面もスキルの粒度も大きく異なります。

日本にコーチングが普及した当初、多くの企業研修はプロコーチ養成のカリキュラムをそのまま転用していました。その問題が、今も形を変えて引き継がれています。プロコーチ向けの認定プログラムは、コーチングを職業とする人のために設計されており、必要な項目数も、前提とするコミュニケーション能力も、社内マネージャーの実態とはかけ離れています。GROWモデルや承認・傾聴のフレームワークを学んでも、「自分がどの場面でこのスキルを使えばいいのか」が具体的にイメージできなければ、職場に戻った途端に使えなくなります。

また、多くの研修は「やりっぱなし」で終わります。研修後、いつどこでコーチングを使えばいいかわからない、時間が経つと自信がなくなる、実際に使ってみてもうまくいかない——これが典型的なパターンです。職場でコーチングを実践できる環境・シーンを作れていないことも、定着を妨げる大きな要因です。

管理職・マネージャー向けのコーチング研修設計でお悩みの方は、弊社の無料相談からお気軽にご連絡ください。自社の課題に合わせた設計カスタマイズについてご提案いたします。

効果的な管理職コーチング研修を設計する5つのポイント

5つのポイントに共通する原理は、「マネージャーが実際に使う場面から逆算して研修を設計する」ことです。プロコーチ養成ではなく、社内マネージャーの実務に直結した学習機会を作ることで、研修後の定着率が大きく変わります。以下、弊社が実践の中で見出した5つのポイントを紹介します。

ポイント1:マネージャーの「使う場面」から逆算して設計する

社内マネージャーは外部プロコーチではありません。彼らがコーチングスキルを使う主な場面は、1on1、部下との業務相談、評価面談など限定的です。研修内容はその場面から逆算して絞り込む必要があります。「プロコーチとして知っておくべき知識」ではなく、「このシーンでこのスキルを使う」という実践直結の設計が、定着の鍵です。

ポイント2:研修時間の7割以上を演習に充てる

コーチングは知識として学んでも身につきません。繰り返しの実践とフィードバックによってのみ、スキルとして定着します。研修の7割以上を演習(ロールプレイ・フィードバック)に充てることが目安です。理論や概念の説明は最小限にとどめ、動かす・試す・修正するサイクルを繰り返すことに集中してください。

ポイント3:受講者自身がコーチングを「受ける」体験を組み込む

良いコーチングを体験したことがないマネージャーは、良いコーチングを提供することができません。研修の中にプロコーチによる1on1コーチングを組み込み、受ける側の感覚——「聴かれることで考えが整理されていく感覚」「自分で答えを見つけていく体験」——を実感してもらうことが重要です。そのイメージがあって初めて、部下に同じ体験を提供しようという動機が生まれます。

ポイント4:職場での実践を研修プログラムに組み込む

研修中に職場でコーチングを実践し、その場面を映像撮影して提出させる仕組みを設けることで、学びが職場行動に直結します。研修のロールプレイと実際の職場は大きく異なります。実践の場を用意し、そこで起きたことを研修に持ち帰ってフィードバックするサイクルを作ることが、行動変容への近道です。

ポイント5:映像を使った個別フィードバックを実施する

最も効果的なのは、講師と受講者が一緒に映像を見ながら対話することです。「このとき部下の表情はどうだったか」「この質問で相手はどう動いたか」を映像で確認しながら話し合うことで、自己評価と他者評価のギャップが埋まり、具体的な改善行動につながります。評価レポートの提供だけでなく、映像を使ったフィードバックセッションを研修設計に含めることを強く推奨します。

これら5つのポイントを自社の研修にどう組み込むかは、受講者の人数・既存のマネジメント文化・評価制度との連動などによって変わります。具体的な設計カスタマイズについては、お問い合わせフォームからご相談ください。

管理職コーチング研修に関するよくある質問

管理職コーチング研修はどのくらいの期間・回数で実施するのが理想ですか?

弊社の設計では、事前インプット・研修1回目(約1ヶ月後)・研修2回目(約2ヶ月後)に加え、職場実践(コーチングビデオ提出)とプロコーチによる1on1評価(約3ヶ月後)を含む、3ヶ月程度の構成を推奨しています。単発の研修では行動変容にはつながりにくく、研修と職場実践をセットにした設計が効果的です。

コーチングとティーチングの使い分けはどう教えればいいですか?

シンプルな判断基準として、「部下がまだ知らない・できない段階ならティーチング、なんとなくわかっているがもやもやしているならコーチング、取るべきアクションが決まっているなら業務指示」という整理が実践的です。研修では、この3つを区別する観察力と判断力を身につける演習を重点的に行うことが有効です。

1on1が雑談で終わってしまう場合、どう改善すればいいですか?

1on1の冒頭に「今日このセッションで何を達成したいか」を部下自身に言語化させることが効果的です。また、セッション終了前に「次のアクションは何か・いつまでにやるか」を必ず確認するルーティンを作ることで、目的意識のある1on1に変わっていきます。マネージャーがファシリテーターとして場を構造化する習慣を研修で練習することが重要です。

社内でコーチング研修を担当するファシリテーターを育てることはできますか?

可能ですが、難易度は高めです。コーチングスキルは自分自身が習得している人でないと正確に教えることが難しく、フィードバックの質がスキル習得の鍵であるため、ファシリテーター自身の経験値が問われます。社内展開を検討する場合は、まず外部専門家による研修で受講者の基礎スキルを確立してから、内製化を進めることを推奨します。

管理職コーチング研修の効果測定はどのように行えばいいですか?

研修前後での部下からの360度フィードバック、1on1の実施頻度と部下の満足度調査、および職場での具体的な行動変容(部下の自主的な提案数・離職率など)を複合的に見ることが有効です。弊社では職場映像の分析を活用した定量・定性両面の評価も提供しています。単なる研修満足度アンケートではなく、職場での行動変化を追うことが本質的な効果測定につながります。

管理職・マネージャー向けコーチング研修をお探しの方へ

「研修を実施したが現場で変わらない」「1on1の質を上げたい」といったお悩みに、弊社は職場実践と個別フィードバックを組み込んだコーチング研修で対応しています。自社の課題・マネージャー層の成熟度に応じた設計カスタマイズが可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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