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研修事例

人材育成ブートキャンプ50時間の事例|OJT3年分を体系学習に変える

人材育成担当者は社員を育てる一方で、自身の学びは後回しになりがちです。ベストプラクティスの習得はOJTで約3年かかり、体系立てて学ぶ機会がなく、効果測定なども我流に頼らざるを得ませんでした。

人材育成ブートキャンプ50時間の事例|OJT3年分を体系学習に変える

研修テーマ

人材育成担当者向けオンデマンド研修「人材育成ブートキャンプ」。企画から効果測定までの6段階と5つの専門分野を、50時間以内の体系学習で習得します。

社員は育てるのに、自分の学びは後回しになってしまう——。多くの人材育成担当者に共通する状態です。人材育成のベストプラクティスは、現場のOJTで身につける担当者が多く、一通り把握できるようになるまでにおよそ3年かかると言われます。本記事では、その「OJT3年分」を50時間以内の体系的な学習に置き換えた、人材育成担当者向けオンデマンド研修「人材育成ブートキャンプ」の設計と、受講した担当者に起きた変化を事例として紹介します。

この記事では、なぜ担当者自身の育成が後回しになるのか、OJT3年分をどのように50時間へ圧縮したのか、研修の企画から効果測定までを一つの体系にする設計、そして受講した担当者に何が変わったのかを、順に見ていきます。自社で人材育成担当者の育成を体系立てたい方の参考になれば幸いです。

なぜ、人材育成担当者自身の学びは後回しになるのか

人材育成担当者の仕事は、社員の知識・スキル・能力を高めることです。ところが、自分自身のスキルアップは意外と後回しになりがちです。人材育成のベストプラクティスは実務を通じて覚える担当者が多く、企画・設計・実施・定着・効果測定を一通り把握できるようになるまでに、およそ3年かかります。概要は分かっていても、体系立ててシステマティックに学ぶ機会は、ほとんどないのが実情です。

担当者の「関心」と「実行」のギャップは、人材育成の永年の課題である研修効果測定のデータにはっきり表れます。

研修効果測定に対する「関心」と「実行」のギャップ

効果測定に関心の高い企業を対象にした調査でも、実行できている企業はごく一部(アイディア社 2022年ラーニングイノベーションフォーラム アンケート・n=42)

効果測定に「意味がある」と思う
100%
期待する効果測定が半分以上「できている」
14%
期待する効果測定が「できていない」
86%

読み取れること:全員が意味を認めているのに、実際にできているのは14%。関心と実行のあいだに大きな溝がある。

意味を認めているのに、実際にできている担当者はごく一部——。これは能力の問題ではなく、体系立てて学び直す機会がないまま、我流とOJTに頼らざるを得ないことの表れです。「知ってはいるが、やれていない」という状態が、担当者自身の学びの実態を象徴しています。

もう一つの背景が、学び方そのものの変化です。近年の人材育成トレンドでは、まとまった研修だけでなく、ITツールを使って働きながら学ぶ「OJTの改革」が重要テーマとして挙がっています。担当者自身の学びも、3年かけて経験で覚えるやり方から、必要なときに必要な分だけ学べる形へと見直す余地があります。この事例のブートキャンプが掲げたのは、次のような時間の置き換えでした。

「OJT3年分」を体系学習に置き換える

約3年
OJTで習得する目安
50時間以内
体系学習で習得
5〜10分
動画1本あたり

OJTで3年かけて断片的に身につけていた知識を、50時間以内・1本5〜10分の学習に組み替える。担当者にとっては、限られた時間のなかでも「いつ・何を学べば全体像に届くか」が見えるようになる、という意味を持ちます。次章では、この圧縮を成り立たせた設計の考え方を見ていきます。

研修の企画から効果測定までを体系立てて学ぶ全体像は、無料のオンデマンド解説でも確認できます。担当者に求められる力を整理したい方は、あわせてご覧ください。

▶ オンデマンド研修で学ぶ人材育成の体系(無料)▶ 人材育成担当者に求められる5つの専門性

OJT3年分を50時間に圧縮した設計思想

ブートキャンプのコンセプトは明快です。OJTでおよそ3年かかる人材育成のベストプラクティスを、50時間以内で身につけられるようにすること。スタイルは、1本5〜10分の映像マイクロラーニングと短い記事を組み合わせたオンデマンド研修です。ただし、動画を並べただけでは「分かった気」で終わってしまいます。3年分を50時間へ圧縮しても定着させるために、設計には4つの原則が置かれています。

ジャーニー|全体像と現在地が見える

膨大な情報を整理し、見た瞬間に欲しい内容が分かるようにする。学習が進んでいる実感と、どこを目指しているかが常に見えるようにする。

インプット|負担の少ないマイクロラーニング

自己学習で吸収しやすい、1本5〜10分の映像と短い記事。すきま時間でも無理なく進められる分量にする。

アウトプット|振り返りと職場課題

オンデマンドでも、振り返り・コメント・職場での実践課題の機会を用意する。「分かる」を「できる」に近づける。

インタラクション|ソーシャルラーニング

他の受講者や講師とのやりとりで、一人では続きにくいオンデマンド学習のモチベーションを保つ。

4つの原則に共通するのは、「点」の知識を「線」につなぐという発想です。単発の動画視聴で終わらせず、全体像のなかに位置づけ(ジャーニー)、手を動かし(アウトプット)、人とつながって続ける(インタラクション)。だからこそ、OJTで3年かけていた学びを50時間に圧縮しても、知識が定着します。

では、その50時間で何を学ぶのか。次章では、人材育成の全体像をどのように「見える体系」へと組み立てたのかを見ていきます。

人材育成の全体像を「見える体系」にする

50時間で学ぶ中身の背骨になっているのが、人材育成の仕事を6つの段階に並べた流れです。研修の企画から効果測定まで、担当者の仕事を一本の線として示します。OJTでは案件ごとにバラバラに覚えていた作業が、ここでは順番のある一続きのプロセスとして整理されます。

人材育成の6段階(学習の背骨)

STEP 1

企画

目的とニーズを見極める

STEP 2

設計

形態と流れを組む

STEP 3

実施準備

教材と演習をそろえる

STEP 4

実施

受講者を巻き込む

STEP 5

定着フォロー

現場で使えるようにする

STEP 6

効果測定

成果を確かめる

この6段階が「地図」の役割を果たします。学習者である担当者は、いま自分がどの段階を学んでいて、次に何が来るのかが常に分かります。断片的だったOJTの知識が、抜け漏れの見える一続きの体系に置き換わる——ここが「体系学習に変える」の中身です。

さらに、この6段階を「どの研修に当てはめるか」も整理されています。研修は、育てる対象(階層)と、育てる中身(分野)の2つの軸で分けられます。どちらの軸の研修にも、同じ6段階を共通の骨格として当てはめていきます。

誰を育てる研修か(階層別)

新入社員研修/若手社員研修/次世代リーダー研修/管理職研修。対象が変われば、つまずく所も伝え方も変わります。

何を育てる研修か(分野別)

知識系(例:異文化研修)/スキル系(例:ロジカルなコミュニケーション)/マインド系(例:イノベーション)/グローバル系。分野ごとに、定着のさせ方が異なります。

これにより、担当者は目の前の研修が「どの対象・どの分野で、6段階のどこにいるのか」を一枚の地図の上で捉えられるようになります。次章では、その地図の中で具体的に何を身につけるのか、5つの専門分野に分けて見ていきます。

5つの専門分野で身につけるもの

先ほどの6段階のうち、実施準備を実施の一部として捉えると、担当者が身につけるべき力は5つの専門分野に整理できます。ブートキャンプでは、この5分野それぞれで「何を押さえればよいか」を具体的に学びます。

1

企画(Planning)

インパクトマップを使い、職場で求める成果・必要な行動・強化するスキル・研修内容のベクトルを合わせる。ニーズ把握から効果測定まで一貫させる出発点。

2

設計(Design)

対面・リモート・ブレンドラーニング・オンデマンド・個別ラーニングジャーニーの5形態から、目的に合う設計を選ぶ。反転学習で事前に予習を促し、研修本番はアウトプット中心にする。

3

実施(Delivery)

受講者を巻き込む講師スキル。とくにリモートでは、明確な演習指示と、ブレイクアウトの空気を数秒でつかんでフォローする力が要る。主役は常に受講者に置く。

4

定着フォロー(Transfer)

「分かる」を「できる」に変える。上司の巻き込み、ビジネスニーズからの逆算、忘却曲線への対策で、研修と職場の成果をつなぐ。

5

効果測定(Evaluation)

カークパトリックの4段階、フィリップスの5段階、LTEM、ブリンカホフのサクセスケースメソッド(SCM)などのモデルで、満足度だけでなく行動変容とビジネス成果まで確かめる。

5分野に分けることの意味は、「人材育成スキル」という漠然としたものが、測れる単位に分解される点にあります。自分はどこが弱いのかが特定でき、その部分だけを重点的に学び直せます。

なかでも受講者の反応が最も大きいのが、4つ目の定着フォローです。理由は、研修の成果が定着で決まるからです。

成果は「研修の質 × 定着」で決まる

同じ研修でも、定着の度合いによって最終的な成果は大きく変わる

研修10 × 定着1
成果10
研修5 × 定着5
成果25
研修10 × 定着10
成果100

掛け算だから、片方が低いと成果は伸びない。研修の質を上げるだけでなく、定着まで設計して初めて成果は最大になる。

研修そのものが10点満点でも、定着が1点なら成果は10。両方が高くて初めて、成果は100に届きます。だからこそ、やりっぱなしの単発研修から抜け出し、定着まで含めて設計する力が要ります。ブートキャンプ自体も、1本5〜10分のマイクロラーニングと振り返りによって、学びが定着するよう組まれています。

効果測定のモデル選びや、定着フォローの具体的な進め方は、関連記事で詳しく解説しています。自社の研修設計に取り入れたい方は、あわせてご覧ください。

▶ 研修効果測定モデル比較(4モデルの違いと選び方)▶ フォローコーチング20分で定着を支えた事例

では、こうして体系立てて学んだ担当者に、実際どんな変化が起きたのでしょうか。次章で、受講した担当者の声を見ていきます。

受講した担当者に何が起きたか

このブートキャンプは2023年9月に開講しました。受講した人材育成担当者は、はじめから企画や効果測定に自信があったわけではありません。体系立てて学び直したことで、仕事の捉え方がどう変わったのかを見ていきます。

受講した人材育成担当者に起きた変化

受講前

研修直後の理解度と満足度しか測れず、効果測定に悩んでいた。研修が「点」で終わりがちで、自分の学びは我流とOJT頼み。

受講後

研修を「点から線へ」設計する意識が生まれ、定着フォローの重要性を実感。効果測定もSCMなら実現できそう、と具体的な一歩が見えた。

やったこと

50時間のオンデマンド体系学習。1本5〜10分のマイクロラーニングと短い記事で企画から効果測定までの6段階を一巡し、振り返り・職場課題・他の受講者とのやりとりを通じて学びを定着させた。

ポイント:「知っている」で止まっていた知識が「やってみる」へと動き出した。

受講者の声には、変化の中身がよく表れています。ある担当者は「ここ数年いろいろ経験して、研修を点で終わらせず、線でできるように考えることの方が大事だと気づいた」と振り返りました。別の担当者は「定着がいかに重要かがよく理解できた」と語り、効果測定については「たくさんのモデルを学んだが、やはりSCMが自分のイメージに一番合うし、実現性が高いと感じた」という声もありました。

これらに共通するのは、「知っている」で止まっていた知識が「やってみる」に動き出した点です。体系という地図を手にしたことで、担当者は次の一歩を自分で選べるようになりました。定量の成果はこれからの効果測定で確かめる段階ですが、担当者自身の判断軸が変わったこと自体が、体系学習の最初の成果だといえます。

OJT頼みを卒業し、体系で学び直す

人材育成担当者の仕事は、社員の力を高めることです。その担当者自身の学びが、3年かけて経験で覚えるOJT頼みのままでは、成果にばらつきが出ます。この事例のブートキャンプは、企画から効果測定までの6段階と5つの専門分野を「見える体系」にまとめ、1本5〜10分のマイクロラーニングと振り返りで、OJT3年分を50時間以内の学習に置き換えました。

担当者一人が体系を手にすれば、その先にいる全社員の育成が変わります。自分達のスキルアップを後回しにせず、体系立てて学び直すことのインパクトは、想像以上に大きいのです。

よくある質問

人材育成ブートキャンプは、どのような人が対象ですか

研修の企画から効果測定までを担う人材育成担当者や社内講師が対象です。経験の浅い方はもちろん、我流でやってきた進め方を体系立て直したいベテランの方にも役立ちます。

なぜ50時間で身につくのですか

1本5〜10分のマイクロラーニングで企画から効果測定までの6段階を一巡し、振り返りと職場課題で定着させる設計だからです。OJTで断片的に3年かけていた学びを、順序立てて圧縮しています。

オンデマンドだけで定着しますか

視聴だけで終わらないよう、振り返り・コメント・職場課題に加え、他の受講者や講師とのやりとり(ソーシャルラーニング)を組み込み、モチベーションと定着を保つ設計にしています。

学んだ内容は、どの研修に活かせますか

新入社員から管理職まで、また知識系・スキル系・マインド系・グローバル系のどの研修にも、同じ6段階を当てはめて活かせます。対象や分野が変わっても、判断の骨格は共通です。

人材育成担当者の育成を、体系立てて始めませんか

OJT頼みの3年を、50時間の体系学習に。人材育成ブートキャンプの内容や自社導入について、お気軽にご相談ください。研修の企画から効果測定までの全体像は、オンデマンド解説(無料)でもご覧いただけます。

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