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研修事例

グローバルマネジメント研修|外国人部下を率いる設計事例

海外売上比率の上昇で、複数の外国人部下を率いる日本人マネージャーが増えています。上級の英語力があっても、ストーリーテリングやネガティブフィードバックなど人を動かすスキルは英語で崩れやすく、語学研修だけでは補えないのが課題でした。

グローバルマネジメント研修|外国人部下を率いる設計事例

研修テーマ

12週間・3ステージのグローバルマネジメント研修。反転学習と少人数の個別演習を組み合わせ、英語でのマネジメントの「型」を習得しました。

「英語は上級レベル。それでも、外国人の部下を前にすると思うように動かせない」——これは語学力の問題ではありません。本記事では、複数の外国人部下を率いる日本人マネージャーを対象に、12週間で「英語でのマネジメント力」そのものを鍛えた研修事例をご紹介します。設計の全体像から、最も難所となるスキルの「型」まで、自社の研修設計にそのまま転用できる粒度でお伝えします。

なぜ英語が話せても、外国人部下を動かせないのか

英語でのマネジメントがうまくいかない原因の多くは、語学力ではなく「日本語のマネジメントスタイルが、そのままでは英語に乗り換わらない」ことにあります。指示出しやタイムマネジメントは英語でもほぼそのまま通用する一方で、人を動かす高度な対人スキルほど、英語にすると大きく崩れます。

海外売上比率の上昇に伴い、複数の外国人部下をマネジメントする日本人マネージャーが増えています。本事例の対象者も、業務に支障のない上級レベルの英語力を持っていました。それでも現場では「日本語ならできるが、英語だと思うように伝わらない」「外国人のネイティブほどには場を動かせない」という声が上がっていました。

マネジメントに必要なスキルを「日本語から英語への通用しにくさ(文化的なギャップ)」で並べてみると、どこが崩れやすいのかがはっきりします。

マネジメントスキルの「英語への通用しにくさ」

日本語のマネジメントスタイルが、英語でどれだけそのまま通用するか(文化的なギャップで分類)

ギャップ小さい
ギャップ中程度
ギャップ大きい

タイムマネジメント
モチベーション
部下育成
指示出し

プロジェクトマネジメント
トラブルシューティング
問題解決
影響力

ストーリーテリング
エグゼクティブプレゼンス
ネゴシエーション
ネガティブフィードバック

注目すべきは、ギャップが大きい右側に並ぶのが、ストーリーテリングやネガティブフィードバックといった「相手の心を動かし、行動を変える」高度なスキルである点です。これらは成果への影響が大きいにもかかわらず、英語にすると最も崩れやすい領域です。つまり、補うべきは英単語や文法ではなく、英語でこれらを成立させる「型」です。本研修が12週間で集中的に鍛えたのは、まさにこの領域でした。

なお、マネージャーではなくプレーヤー層が英語で日々の業務を進める力については、別の研修事例で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

▶ 関連事例:英語で仕事を進める力を高める研修▶ お問い合わせはこちら

12週間・3ステージで「英語でのマネジメント」を積み上げる

本研修は12週間を3つのステージに分けています。設計の核は順序です。まず難易度の低い「自分の見せ方」から入り、次に「部下を動かし育てる力」、最後に最難関である「言いにくい話の伝え方」へと段階的に積み上げます。いきなり最難関から始めない——これが定着を左右する設計判断でした。

12週間プログラムの3ステージ(易しい順に積み上げる)

STAGE 1 | 1–4週目

存在感とストーリーで「自分」を伝える

Storytelling
Presentation
Presence

STAGE 2 | 5–8週目

影響力で部下を動かし、育てる

Influence
Coaching
Motivating
Developing

STAGE 3 | 9–12週目

言いにくい話を成立させる

Difficult Conversations
Negative Feedback

この順序には理由があります。存在感や伝え方という「土台」がないまま影響力やネガティブフィードバックに進んでも、相手には響きません。最難関を最後に置くのは、前段で信頼関係と表現の型ができてからでなければ、かえって関係を損なうからです。各ステージの中身も、自分の軸を英語で言語化することから始まります。たとえばステージ1では、週ごとに「自分のミッション・ビジョン」「マネジメント哲学」「チームへの期待」を英語で組み立てていきます。ステージ3では、ネガティブフィードバックを「態度・行動」「全社的な変化」「成果(アウトプット)」と場面を変えながら3週かけて鍛えます。

進め方は、各ステージの冒頭に半日のセミナーでベースをつくり、以降は毎週「自己学習 → 個別演習(55分)→ 理解度確認(20分)」のサイクルを回します。講義は反転学習として事前の自己学習に寄せ、貴重な対面・同期の時間は演習に集中させています。演習を少人数の2人体制にしているのも、一人ひとりに個別フィードバックを返すためです。週単位の細かい接点を12週間継続することで、密度を保ちながら無理なく積み上げる設計になっています。

最難関は「言いにくい話」——崩れやすいスキルに「型」を与える

英語で最も崩れるスキルほど、感覚ではなく「型」で再現できるようにします。本研修では、最優先となる4スキル(ストーリーテリング・エグゼクティブプレゼンス・ネゴシエーション・ネガティブフィードバック)それぞれに、英語のまま使える定型のフレームを用意しました。日本語なら空気や関係性で補えていた部分も、英語では言語化しないと相手に伝わらないからです。

たとえば最難関のネガティブフィードバック——「言いにくいことを、相手を追い詰めずに、行動が変わるように伝える」——は、感覚に頼ると過剰なストレスを与えたり、曖昧で行動変容につながらなかったりします。そこで使うのが「DAP」という3ステップの型です。

ネガティブフィードバックの型「DAP」

1

Describe(事実を描写する)

評価や感情を交えず、観察した事実だけを具体的に伝える。ここで主観が混じると相手は身構えます。

2

Appreciate(解釈を共有する)

その事実がなぜ問題なのか、どんな影響があるのかを相手と確認する。納得の土台をつくる段です。

3

Prescribe(期待を示す)

次にどう行動してほしいかを明確に示し、相手が動けるようにする。批判で終わらせず、前進で締める。

この3ステップを英語で反復することで、「言いにくいから避ける」「強く言いすぎて関係が壊れる」のどちらにも陥らずに済みます。ほかのスキルにも同じ発想で型を用意しています。ストーリーテリングは In(前振り)→ Context(状況設定)→ Challenge(挑戦)→ Conflict(課題)→ Resolution(解決)→ Out(締め)の6段で「響かない話」を構造化し、プレゼンテーションは THINK(説得力のある構成)→ MAKE(伝わる資料)→ SPEAK(惹きつける話し方)で組み立てます。語学そのものを鍛えるのではなく、これらの型を英語で使えるようにすることが、この研修の本質です。

外国籍社員のマネジメントや研修設計でお困りの点があれば、貴社の状況に合わせてご相談を承ります。「従来のやり方が通用しない理由」を整理した関連記事もあわせてご覧ください。

▶ 研修設計について相談する▶ 関連記事:外国籍社員の研修が「従来のやり方」では通用しない理由

自社の研修設計に活かす4つの設計原則

結果として、受講したマネージャーは「英語でも型に沿えば部下を動かせる」という再現性を手にしました。これまで避けていた言いにくい場面にも、型を頼りに踏み込めるようになっています。注目したいのは、この成果を支えたのが特別な英語教材ではなく、12週間の密度を無理なく継続させる「設計」だった点です。同じ設計は、外国人部下のマネジメントに限らず、少人数・高密度・個別最適が求められる研修全般に転用できます。

反転学習でインプットを事前に回す

講義はマイクロラーニングの自己学習に寄せ、貴重な対面・同期の時間を演習に集中させる。インプット待ちで時間を浪費しない。

自己学習に個別フォローを組み合わせる

一人ひとりの弱点に合わせて伸ばす。集合研修だけでは拾えない個人差を、個別フォローで埋める。

実践演習は2人体制にする

演習を少人数にして毎回個別フィードバックを返す。「分かる」を「できる」に変える要となる仕掛け。

大人数セミナーで土台をつくる

各ステージの冒頭で共通の基礎を一気に揃え、その後の個別演習を効率化する。土台と個別最適を役割分担させる。

もし自社で同種の研修を組むなら、まず「インプットは事前へ、対面は演習へ」という一点から始めると効果が見えやすくなります。そのうえで、最も崩れやすいスキルから型を与え、少人数の個別フィードバックで定着させる——この順番が、限られた時間と人数で成果を出すための近道です。

よくある質問

英語が得意なマネージャーでも、外国人部下のマネジメント研修は必要ですか?

必要なケースが多いです。上級レベルの英語力があっても、ストーリーテリングやネガティブフィードバックといった「人を動かす高度な対人スキル」は、日本語と英語でのギャップが大きく、語学力だけでは補えません。本研修は英語そのものではなく、英語でマネジメントを成立させる「型」を鍛えます。

なぜ12週間という期間が必要なのですか?

存在感づくりから始め、影響力、最後に最難関の「言いにくい話」へと段階的に積み上げるためです。難所をいきなり扱うと定着しないため、3ステージ12週間で土台から順に鍛えます。各ステージは半日のセミナーでベースをつくり、以降は毎週「自己学習・個別演習・理解度確認」のサイクルを回します。

対象人数が少なくても実施できますか?

できます。本研修は反転学習・自己学習・少人数の個別フォローを組み合わせており、少人数でも一人ひとりに個別フィードバックを返せる設計です。集合研修だけでは費用対効果が合いにくい、少人数のマネジメント層に向いています。

ネガティブフィードバックを英語で伝えるコツはありますか?

「DAP」という型が有効です。Describe(事実を描写する)、Appreciate(解釈を共有する)、Prescribe(期待を示す)の3ステップで伝えると、相手を追い詰めずに行動変容につなげられます。感覚に頼らず、型で再現できるようにすることがポイントです。

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