【セミナーレポート】人材育成に関する本格ノウハウを短時間で学べる4つのセッション「人材育成カンファレンス 2019年1月」を開催しました。(2019年1月23日)
2019年1月23日(火)10:00より、お茶の水ソラシティ カンファレンスセンターにて弊社主催「人材育成カンファレンス」を昨年11月に引き続き開催。
前回同様、1つのセッションが75分から90分という短い時間で構成いたしました。
人材育成に関するホットな4つのテーマ、
1)ブレンドラーニング、2)研修効果測定、3)グローバル人材育成、4)ギャップマネジメント
について、今回も本格ノウハウを余すことなくお伝えさせていただきました。
出席されたみなさまにおかれましては、大量な情報シャワーだったと思いますが熱心に参加していただき、貴重なコメントもたくさん頂戴いたしました。 本当にありがとうございました。
それでは、当日のダイジェストレポートをご覧下さい。
セミナー名称:人材育成カンファレンス 2019年1月
開催日時:2019年1月23日(水)10:00~17:30
会場:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター
session 1 ブレンドラーニング 10:00~11:15(参加 66名)
session 2 研修効果測定 11:30~13:00(参加 93名)
session 3 グローバル人材育成 14:00~15:30(参加 54名)
session 4 ギャップマネジメント 15:45~17:00(参加者 58名)
session 1 :ブレンドラーニング
ビジネス成果を生み出すブレンドラーニングの設計術
~マイクロラーニング・バーチャルラーニング・集合研修の最適な組み合わせ~
本セッションは、ブレンドラーニングの手法として使われている多種多様のメディアの特徴、有効な活用法、使い分けがわからない、さらに集合研修とどのように組み合わせたら良いかわからない、という多くの声に応えるものです。
そこでまず最初に12の代表的な手法(メディア)についてご説明し、その後に、集合研修・マイクロラーニング・バーチャルラーニングの組み合わせの手法、いわばレシピとして当社が長年の経験と研究から生み出した研修設計ノウハウを、テンプレートとしてお伝えしました。
まず、ご紹介したブレンドラーニングの手法は以下の通りです。
- モバイル・ラーニング(すきま時間に数分で学習する)
- コーチング(振り返る/考えさせられる/頭が整理される)
- ビデオ映像(仕事上の活用イメージを把握する/ベストプラクティスを学び真似をする)
- 参考図書(内容の詳細を理解する)
- 集合研修(新しいスキルを実践して身につける/モチベーションを高める)
- ウェビナー(単純なインプット/忘れないようにリマインドされる)
- ソーシャルメディア(他の受講者の取組みと成功事例を知る/アドバイスをもらう/仕事上の活用イメージを明確にする)
- サポートツール(チェックリストやJob Aidといったその場で必要な仕事上のサポート)
- スライドシェア(概念や内容を大まかに理解する)
- ポッドキャスト(移動しながら学習する)
- eメールリマインダー(忘れないように思い出して定着する)
- 診断ツール(自分の長所短所を知る/学習目的を明確にする)
また、研修テンプレートとしては以下の3つをお伝えしました。
- 記憶に残す(知識、意識)
- できるようにする(スキル)
- 仕事上で活かせるようにする
講師の当社代表ダーキー
session 2 :研修効果測定
経営層が納得する実践的な研修効果測定方法
~具体的な事例の徹底解説により研修効果測定を一気にマスター~
本セッションは、昨年11月に開催したラーニング・イノベーション・フォーラム2018で、その目的や全体概要をご紹介し、大反響を呼んだブリンカホフSCM(サクセス・ケース・メソッド)のより具体的な進め方をお伝えするものです。
前回参加されたみなさまからは
「成功事例が重要というアプローチが目から鱗でした」
「研修内容を実践して達成した現場での成果は何か?/なぜうまくいったのか?/障害はなんだったのか?/もっと良くするにはどうしたら良いか?を明らかにするわかりやすい内容」
「職場をヒーローに!のメッセージに心を打たれた」
「研修担当者として元気をもらった」
など様々な感想をいただきましたが、より詳細を期待されて再度参加された方も多数おられたようです。
今回もブリンカホフSCMの生みの親、ロバート・ブリンカホフ博士のお嬢様でありシニアコンサルタントでもあるリネット・ブリンカホフ氏と弊社のダーキーが一緒にお伝えさせていただきました。進め方は概略以下の通りでした。
1. 研修効果測定の背景
世界の人材育成業界での従来の効果測定モデルとSCMが根本的に違うポイントをごお伝えしました。
2. 研修効果測定の現状
研修効果測定の企業での現状を前回の約200名の参加者の皆さんからのアンケートでお伝えしました。
3. SCM(サクセス・ケース・メソッド)の流れ
前回説明資料をベースに、より詳しい事例を挙げて、研修効果測定の手法・判断基準をわかりやすくお伝えしました。そのステップは5つです。
step 1:インパクトマップ
当該部門で教育から成果へ繋がる現場のメカニズムを可視化したインパクトマップについてその基本構成と実現イメージ、そして作成のヒント。
step 2:インタビュー対象者を決めるためのアンケート調査
アンケート調査の流れ、アンケート選択肢のサンプル、調査集計上のヒント。
step 3:対象者へ行う電話インタビュー
インビューのストーリ、電話イメージ実施例のビデオ映像、実施上のヒント。
インタビューのサンプル映像
step 4:経営層へ提出するレポート作成
全体構成や目次、アンケート結果のまとめ、結論、アドバイス、そしてインパクトプロフィール。これはインタビューで発掘した成功体験のストーリを経営層へ刺さる表現で作成したものでSCMの極めて重要な特徴の一つです。
step 5:結果発表
結果発表のヒント。
4. SCMのキーワードや今回お伝えしたことのまとめ
本セッションは満席でしたが、説明が進むに従いノートやPCで熱心にメモを取り始める方、投影スライドをスマホで撮影する方、英語の説明にもしっかり聴き入る方など 前回同様皆さんの集中度がどんどん高まってゆくのを肌で感じました。
講師のリネット・ブリンカホフ氏と当社代表ダーキー
session 3:グローバル人材育成
グローバルで「明日から」戦える人材の作り方
~2万時間に及ぶ「グローバル実践力診断」から分かった本物の人材育成法~
本セッションでは、当社が開発したグローバル実践力を診断する「グローバル人間ドック」の必要性と、それを活用した実践力育成プログラム設計手法についてお伝えしました。
進め方は最初に具体的なケースを設定して、ダメな研修と効果の上がる研修を比較し、その後、実践力を診断する「グローバル人間ドック」で2万時間以上実践してきた結果をお伝えししました。
1. ケーススタディ
step 1:ビジネスケースの設定(標準的な日本企業のグローバル人材育成)
ある日本企業が、国内仕事の評価は高いが、海外ビジネス経験のない社員向けに「グローバルコミュニケーション力」研修を実施して実務に活用できるかを設定しました。対象はTOEIC 500 ~700程度としました。期間は3週間です。
step 2:Before(インプット重視の英語研修とその効果)
語学のみのカリスマ講師による研修が最悪の研修効果をもたらす例をビデオ映像でお伝えしました。ライティング、電話、ミーティングの全てでコミュニケーションが成立していないリアルな映像に、会場から笑いや納得の頷きが見られました。。
step 3:対策(アウトプット重視の実践力強化研修)
そこで弊社の実践力育成研修プログラムの3週間プログラムのテンプレートをご紹介し、これを受講した効果を同じくビデオ映像でお伝えしました。 また事前と事後に「グローバル人間ドック」を実施することによって、個人別と受講者全員の実践力アップとを判定しています。
明らかに英語力が上がったわけではないのに、度胸がついて自信を持ってコミュニケーションを成立させている様子が会場の頷きや納得をえていました。
2. グローバル実践力の実力診断
最初に弊社の考えるグローバル実践力の定義についてご説明をしました。
次に実践力を診断する「グローバル人間ドック」についてお伝えしました。
これは、丸一日間で、受講者1グループごとにネイティブ外国人講師2名がついて、あるテーマに関して提案を行い、その結果を評価してもらうというものです。
ミーティング、プレゼンテーション、ネゴシエーションの3段階で、毎回外人講師と英語でガチンコ対決を行い、終了後、講師から(英語で)個人レポートとして実践力スコアとその理由をフィードバックしてもらいます。さらに全体レポートとして全員の実践力スコアとTOIECスコアで二次元のプロットを行います。
当社ではこれまで多くのグローバル人間ドックを開催してきましたが、その統計的結果を見ると、TOEIC が高いから実践力スコアが高いわけではないということ、さらに、3週間の実践力強化研修では確実に全員の実践略平均スコアがアップすることが確認されています。
一方、平均的にどのくらい実践力スコアがアップするかはTOIECスコアの高さにはあまり依存しないという傾向も顕著に見られることもお伝えしました。
参加者によるディスカッション風景
session 4:ギャップマネジメント
多様化が加速するこの時代に求められるマネジメントスキル
~若手社員、外国籍社員などが主体的に動いて成果を引き出す上司術~
本セッションでは、近年ニーズが急増している「ギャップマネジメント研修」の必要性と、多様なメンバーで構成されている弊社の独自の実践ノウハウから生まれた研修プログラムについてお伝えしました。
まず背景となっているDIVERSITYという言葉がどんな意味で使われているかをご説明し、DIVERSITYとは人材の多様性のことであり、グループ討論も行いなぜ重要かの理解を深めていただきました。
次にその多様な「難しい」人材を抱えた企業が、効果的にマネジメントしたり、ギャップを持つ人を見抜いて解決したり、適材適所で活躍の場を与えられるようになるための実践的な研修プログラムについて、ケーススタディとしてのビデオ映像に関するグループ討論も行いながら理解を深めていただきました。
1, DIVERSITYとは
宗教、障がい、人種、生活様式/価値観、文化、性的指向、年齢、学歴、経験
など世界中を見渡すと様々なカテゴリが存在し、日本企業では女性の活用とグローバル化の側面で言われることが多かったのですが、近年は外国籍社員だけでなく現代の若者も増えて管理職にとっての大課題としてとしてクローズアップされるようになりました。
また、企業におけるDIVERSITY(の取り組み)が、しばしば数値目標として目的化されてしまっていますが、目的ではなくあくまでも手段であり、そう考えるとDIVERSITYの重要性を「会社にとって」「マネージャにとって」「個人にとって」の3つに分けて考えることが重要であり、その共通キーワードは「多様性があることがこれからの変化に強い」であることをポイントとしてお伝えしました。多様性が乏しいため変化に弱くなっている日本企業が多い現状からも、多くの参加者の方々が納得するご様子でした。
2. ギャップマネジメント研修 ケーススタディ
step 1:ケースの設定(仕事の効率を高めるアイデアを出す会議)
経験者、ディジタルネイティブ、リスク歓迎、リスク回避、支配的、調和的、理想主義、現実主義、PASSION、COOL という10名の超多様な人材を集め、上司が目的やビジョンも提示せずに会議を初めてしまった時に起こる混乱を想定しビデオでリアルに描き出して、会場から爆笑や失笑が湧き上がりました。
step 2:グループ討論
何か問題?どうすれば良い?についてグループで討論をしていただきました。
その結果は目的やビジョンを提示していない、議論の柱(前提条件など)が無くて、それぞれの要望や不満が出ただけというような意見が出ました。
step 3:実践的なマネジメント手法としてのギャップマネジメント研修
目的は「難しい」人材を効果的にマネジメントしたり、ギャップを持つ人を見抜いて解決したり、適材適所で活躍の場を与えられるようになることです。
特徴としては ダイバーシティを理解した上で実践的な方法で対応すること、多くのギャップ(年齢、聖別、別の職場、性格など)を網羅していること、そして弊社の多様なメンバー構成から生まれた独自の実践ノウハウによっていることです。
例えば、SEE(相手の目を見る)、LISTEN(相手の耳で聞く)、TALK(相手に伝わるように話す)DO(相手が動きたくなるようにする)などです。
step 4:グループ演習
適材適所アプローチの演習として、仕事の効率化を高めるアイデアを出して実行に移すプロジェクトで10名に役割を振り分けるというワークをやって、この研修の一端を体得していただきました。正解はないわけですが、各グループごとの方針を定め、それに基づいた様々な役割配分をすることで体験をしていただきました。
今回実施しましたカンファレンスは、4つのセッションの中で好きなものだけ選んで出席できるというセミナーだったのですが、朝から4つすべてのセッションに出席された方もたくさんいらっしゃいました。
本当にありがとうございました。