ステークホルダーの期待に応える人材育成チームの4つの行動指針

育成方針が整理されるのを「待つ」のは危険
2023年は人材育成の可能性が広がっています。対面集合研修も、リモート研修も、eラーニングやマイクロラーニングも、ChatGPTのような新しいAIツールも活用できる環境が整ってきました。しかし経営者・受講者・育成部門それぞれの期待は異なり、研修体系と予算はなかなか変わらない。「育成方針が整理されるまで待とう」と考える人材育成担当者も少なくないようですが、それは会社の競争力低下と従業員のスキルダウンにつながるリスクがあります。
この記事では、難しい環境の中で人材育成チームが主体的に動いて会社と従業員に貢献するための4つの切り口をお伝えします。
ステークホルダーごとの期待を把握する
人材育成施策に影響を与えるステークホルダーの期待はある程度想定できます。それぞれの視点を整理することが出発点です。
ポートフォリオで研修施策にメリハリをつける
すべての研修を同じ力の入れ方で実施しようとすることが、多くの人材育成チームの疲弊の原因のひとつです。重要なのは、しっかりした成果を出す施策と効率よく受講できる施策を意識的に使い分けることです。
研修設計の方法論については、研修ニーズのヒアリング方法|把握から設計につなげる3つのアプローチもご参照ください。
パートナーシップと研修効果測定を重視する
どんなに良い研修施策を設計しても、ステークホルダーへの積極的な発信と巻き込みがなければ伝わりません。特に変化の激しい環境では、ステークホルダーの巻き込みが成果を左右します。経営者と職場を上手に巻き込むポイントとしては、経営方針に合わせて育成ポートフォリオを決めること、職場で求める成果について受講者の上司にヒアリングすること、受講者の職場行動変容を促進するために上司に支援してもらうこと、そして人材育成施策と得られるビジネス成果のつながりを明確にして伝えることが挙げられます。
研修効果の報告については、研修効果測定のやり方|実践できる3つのステップを解説も参考になります。
受身的から主体的へ:とにかく動く
DDI(Development Dimensions International)の調査では、人材育成チームは3つのタイプに分類されます。要望に合わせて施策を実施する「受身的(Reactor)」が29%、経営者と職場と一緒にニーズを把握して施策を実施する「協力的(Partner)」が61%、経営方針やKPIから先を読んで先手を打つ施策を提案する「主体的(Anticipator)」が10%です。
経営者が求めているのは3番目の主体的なタイプですが、現状では10%にとどまっています。変化が続く環境において、主体的なタイプが会社に大きく貢献できます。そのためにはちょっとしたマインドシフトが必要です。ビジネス成果につながるテーマ選定・充実した人材育成施策・進捗と環境変化に合わせた柔軟な対応を意識的に選択していくことから始めましょう。
人材育成施策の設計について具体的にご相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
経営方針がまだ固まっていない段階で先手を打つとはどういうことですか?
経営方針が完全に固まるのを待つのではなく、現状から読み取れるビジネス課題に対して「このような育成施策が有効ではないか」という提案を先に持っていくことです。外れてもゼロにはなりません。方向性が変わった場合に柔軟に調整できる施策設計(モジュール化・短期完結型)にしておくことが重要です。
限られたリソースで成果重視施策と効率重視施策を両立するにはどうすればよいですか?
全ての研修を同じレベルで実施しようとしないことが前提です。全研修を棚卸しして「戦略的か・必須コンプライアンスか・自己啓発か」に分類し、戦略的な研修のみに成果重視施策を適用します。残りの大半は効率重視施策で運営することでリソースを集中できます。
上司を研修に巻き込むにはどうすればよいですか?
最も効果的なアプローチは「上司にとってのメリット」を明確に伝えることです。「この研修で部下がこんなスキルを身につけます。配属後にこんな行動変容を求めてください」という具体的な期待値の共有が、上司の巻き込みを自然に促します。
人材育成戦略の立て直しをお考えの方へ
「経営層の期待に応える育成施策を設計したい」「研修ポートフォリオを整理してメリハリをつけたい」というご要望に、人材育成の専門家がご支援します。まずは現状のヒアリングから始めます。







