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グローバル人材育成の最新動向|パンデミック後に変わった3つのこと、IT活用、企業事例を解説

グローバル人材育成の最新動向|パンデミック後に変わった3つのこと、IT活用、企業事例を解説

2023年7月25日、IDEA DEVELOPMENT株式会社は「グローバルフォーラム2023」をオンラインで開催しました。テーマは「パンデミック後の新しいグローバルビジネス環境と実態 — グローバル人材に求められるスキルと能力とは?」。日系企業の海外進出事例、VR・AR・AIを使った最新のグローバル研修手法、そしてグローバル実践力の測定データまで、約2時間にわたって幅広いトピックを取り上げました。

この記事では、フォーラムで紹介されたデータ・事例・ノウハウを、人事担当者が自社のグローバル人材育成施策に活かせる形で再構成してお届けします。

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この記事の内容

グローバル人材育成についてお悩みですか?

アイディア社は、グローバル実践力の診断から研修設計、外国籍社員の受け入れ支援まで、グローバル人材育成を一貫してサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。

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パンデミック後のグローバルビジネス環境 — 3つの構造変化

フォーラムの冒頭では、JBIC(国際協力銀行)やATD State of the Industryなど複数の調査データをもとに、パンデミック後のグローバルビジネス環境の変化が整理されました。ポイントは、3つの変化が「海外市場が拡大する → 国内でも外国人との接点が増える → 人材育成投資が必要になる」という因果の流れでつながっていることです。

36.5%
製造業の海外売上高比率
180万人
在日外国籍労働者数(過去最高)
$1,280
従業員1人あたり教育費

これらの数字がどうつながっているのか、3つの構造変化として見ていきます。

STEP 1 ─ 海外市場の拡大

海外は「選択肢」から「前提」に

製造業全体の海外売上高比率は36.5%。電機・電子部品では46%、自動車部品は41%を超える。海外現地法人の従業員数は569万人で増加傾向。

STEP 2 ─ 国内のグローバル化

「海外に行く人」だけの話ではない

在日外国籍労働者は180万人で過去最高。外国人取締役比率も上昇。国内で外国人と働く場面が急増し、全社員にグローバルスキルが必要に。

STEP 3 ─ 人材育成投資の増加

投資は増えているが、配分に課題

従業員1人あたり教育費は$1,280(人件費の5.0%)。リーダーシップ研修が20%でトップだが、グローバル研修は独立カテゴリがなく各社が独自に設計する必要がある。

注目すべきは、STEP 3の「投資は増えているが、グローバル研修には独立した枠がない」という点です。ATD State of the Industry 2022の研修内容別ランキングでは、マネジメント・リーダーシップ研修(20.0%)、ヒューマンスキル研修(12.3%)、コンプライアンス研修(10.1%)が上位を占めますが、グローバル研修という分類は存在しません。つまり、グローバル人材育成は「経営課題として認識されているのに、研修予算の標準カテゴリに入っていない」というギャップがあります。

このギャップを埋めるために、先進的な日系企業はどのようにグローバル戦略を進めているのか。次のセクションでは、フォーラムで紹介された3社の海外進出事例を見ていきます。

海外進出を成功させた日系企業3社のケーススタディ

海外売上比率36.5%という数字の裏には、各社それぞれの戦略があります。フォーラムでは、東京エレクトロン・ユニチャーム・キッコーマンの3社が取り上げられました。興味深いのは、3社とも海外で大きな成果を出しているにもかかわらず、市場との向き合い方がまったく異なるということです。

3つのグローバル戦略 — 追随型・先読み型・文化適応型

3社の事例を見る前に、まずそれぞれの戦略の違いを整理します。

1

市場追随型

東京エレクトロン

顧客(半導体工場)が海外に移動したら、自社も追いかける。市場の所在地に合わせて経営資源を機敏に再配置する戦略。

2

成長市場先読み型

ユニチャーム

人口動態(出生率・高齢化・ペットケア需要)を先読みし、需要が生まれる前に進出する。成長市場を「待つ」のではなく「取りに行く」戦略。

3

食文化適応型

キッコーマン

自国の食文化を海外の食文化に合わせて提案する。早期進出+現地文化への丁寧な適応で、長期的に市場を育てる戦略。

共通点は「国内市場の限界を見据えて、早い段階で海外に踏み出した」こと。しかし、海外市場への入り方は三者三様です。それぞれの詳細を見ていきましょう。

CASE 1:東京エレクトロン — 半導体工場を追いかけて旧中計を2年前倒し達成

状況

1990年代に栄えた日本国内の半導体工場が消滅。市場の中心が中国・韓国・台湾へ移動し、国内にとどまっていては成長できない環境に。

結果

前中期計画の目標(売上2兆円・営業利益率29.9%)をFY22で2年前倒し達成。海外比率88%(中国・韓国・台湾で60%)。新中計ではFY27に売上3兆円・利益率35%を目指す。

やったこと ― 市場追随型の3つの柱

柱 1

長期展望に基づく継続投資

2030年に半導体市場1.35兆ドルの展望を見据え、研究開発と生産基盤に投資し続ける

柱 2

機敏なオペレーション

市場の変動に合わせて拠点・人員・設備を迅速に再配置する体制

柱 3

パートナー関係の確立

現地の信頼できるパートナーと長期的な関係を構築し、進出リスクを低減

人事担当者への示唆:海外比率88%の企業では、国内にいても海外拠点との連携が日常業務。「海外赴任者向け」のグローバル研修ではなく、国内社員を含めた全社的なグローバルスキル底上げが求められる。

CASE 2:ユニチャーム — 人口動態を先読みして海外比率60%超

状況

日本国内のケア市場は人口減少により頭打ち。1984年の時点で国内市場の成熟化を予見し、海外進出を開始。現在の海外比率は60%を超える。

結果

FY21で売上7,827億円(海外比率63%)を達成。2030年のビジョンとして売上1兆4,000億円・海外比率70%・営業利益率17%を掲げる。アフリカの人口増・アジアの高齢化・ペットケア急拡大を成長の柱に据える。

やったこと ― 投資を段階的に拡大する3ステップ

STEP 1

市場を読む

地域別戦略:各市場の成長フェーズに合わせて進出タイミングと投資規模をカスタマイズ

STEP 2

人を送る

共振の経営:日本から海外へ優秀な人材を派遣し、本社と現地のノウハウを共振させる

STEP 3

組織を買う

戦略的M&A:成長市場で現地企業を買収し、自前の立ち上げだけに頼らず進出スピードを加速

人事担当者への示唆:「共振の経営」は人材育成のテーマそのもの。本社から派遣する人材には現地のビジネス慣行を理解する異文化対応力が必要であり、現地スタッフには本社の経営理念と品質基準を共有するグループシナジー研修が求められる。

CASE 3:キッコーマン — 食文化を追いかけて海外がコロナ危機を救う

状況

国内しょうゆ市場の頭打ちを早期に予想。1957年に米国へ進出し、1973年には現地生産を開始。戦後に日本の食文化を持ち帰った米国人が最初の有望顧客となった。

結果

FY22で売上5,164億円・海外比率68.9%に急上昇。コロナ禍で国内が低迷する中、規制解除が先行した海外が持ち直し、国内の落ち込みをカバー。海外進出の蓄積がリスクヘッジとして機能した。

やったこと ― 丁寧な文化適応の2ステップ

STEP 1

まず進出して需要を確認

早期に現地へ進出し、需要が確認できてから現地生産を開始。リスクを最小化しながらスピーディに展開する

STEP 2

現地の食文化に合わせて提案

「日本のしょうゆをそのまま売る」のではなく、各国の食文化に合わせた活かし方を提案。外食チェーンの海外進出も追い風に

人事担当者への示唆:「現地の文化に合わせて提案する」には、異文化理解とコミュニケーションスキルが不可欠。グローバル研修で「英語力」だけを鍛えても、現地文化に合わせた提案力は身につかない。語学力と実践力のバランスが重要になる。

3社に共通するのは「グローバル展開の成功は、現地で成果を出せる人材がいるかどうかにかかっている」という点です。東京エレクトロンの機敏なオペレーション、ユニチャームの「共振の経営」、キッコーマンの文化適応提案——いずれも、グローバルスキルを持った人材なしには成り立ちません。では、そのスキルをどう育成するのか。次のセクションでは、VR・AR・AIなどITを活用した最新のグローバル研修手法を紹介します。

グローバル人材育成の全体設計やプログラム選定についてお悩みでしたら、アイディア社にご相談ください。海外赴任者から国内で外国人と働く社員まで、対象者に合わせた研修設計をサポートしています。

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グローバル研修にITを活かす — オンデマンド・VR・AR・AI

3社の事例が示す通り、グローバル人材には語学力だけでなく、異文化理解・プレゼンテーション・交渉など複合的なスキルが求められます。フォーラムの第2パートでは、これらのスキルを効率的に育成するためのIT活用が紹介されました。

ポイントは、4つのテクノロジーが「知識をインプットする → 体験で定着させる → 現場を支援する → 成果を評価する」という学習プロセスの各段階に対応しているということです。ツールを単独で導入するのではなく、学習プロセスのどの段階に使うかを設計することが効果を左右します。

4つのテクノロジーと学習プロセスの対応

STEP 1

知識をインプット

オンデマンド

STEP 2

体験で定着

VR

STEP 3

現場を支援

AR

STEP 4

成果を評価

AI

ここからは、それぞれのテクノロジーの特徴と、グローバル研修で使うときの実践的なポイントを解説します。

STEP 1:オンデマンドコンテンツ — 知識インプットの効率化

現在は数年前では考えられないほどオンデマンド教材があふれています。フォーラムでは、教材のスタイルを4つに分類し、それぞれの長所と懸念点が紹介されました。

eラーニング型

講師による解説+スライドの組み合わせ。分かりやすく教育に最適。語学と他のスキルを同時に学べる。

例:LinkedIn Learning、Udemy、Coursera

解説映像型

質の高い映像や経営者インタビュー。映像品質とスピーカーは超一流だが、英語レベルが高く教材選びに苦労するケースも。

例:MasterClass

研修風景型

聴衆に対しての講義形式。生の研修に近く、分かりやすい。映像クオリティにばらつきがある場合も。

例:TED、Creative Live

個別フィードバック型

受講者の提出物に対する講師からのフィードバック。プロによる具体的かつ実践的な指導だが、題材が少なく探しにくい。

例:一部のMasterClassとCreative Live

オンデマンド教材を選ぶ際に最も重要なのは「受講者にとって興味のある、仕事と関連性の高いテーマ」を選ぶことです。教材の質が高くても、受講者の業務と結びつかなければ学習は定着しません。

STEP 2:VR — 講師なしでもビジネスシーンを体験

VRの最大の強みは「当事者感覚」です。eラーニングや映像教材では得られない360度の没入体験が、グローバルビジネスのリアルなシミュレーションを可能にします。フォーラムでは、VRをグローバル研修に効果的に組み込む流れが紹介されました。

STEP 1

講師がインプット

知識・スキルの基本を解説

STEP 2

講師とロールプレイ

実際の場面を対人で練習

STEP 3

VRで復習

360度の没入環境で繰り返し練習

STEP 4

録画を分析・改善

VRの録画を見て具体的に改善

VRの導入で注意すべき点は「向いているテーマと向いていないテーマ」があることです。VRの強みは360度に動ける没入感なので、工場・海外の街・展示会など特徴的な空間での体験に適しています。一方、教室や会議室の中での座学には不向きです。同様に、自由に動くことで学びが深まるテーマ(企業訪問、ツアー)には効果的ですが、座って聞くだけのミーティングにはオーバースペックになります。

STEP 3:AR — 現場で「カンニングペーパー」のように使う

ARは工場や技術関連の現場で特に効果を発揮します。グローバル教育において、ARの最大のメリットは「目の前に必要な用語や情報が表示される」こと。まさにカンニングペーパーのように使えます。

STEP 1

ARで英単語を確認

備品名・キーワード・背景情報が目の前に表示される

STEP 2

文字を見ながら説明

表示された用語をヒントに英語で説明する練習

STEP 3

文字を見ないで説明

補助なしで説明できるまで繰り返し、自力で話せる力を養成

ARの導入には事前のセッティングが重要です。スマートグラスやARヘッドセットの準備だけでなく、「見るポイントの設定」や「表示する情報の準備」に時間をかける必要があります。技術的な導入コストが高い一方、工場見学の案内や設備の英語説明など、繰り返し使う現場では投資対効果が高くなります。

STEP 4:AIフィードバック — 何度でも飽きずに練習相手になる

グローバルスキルを高めるにはフィードバックが不可欠です。AIの自動フィードバックは急速に進化しており、すでに実用レベルに達しています。講師よりも優れている点は「何度同じことを繰り返しても相手が飽きない」「フィードバックがデジタルで比較しやすい」ことです。

フォーラムでは、英語プレゼンテーションのAIフィードバック(Rehearsal)の具体例が紹介されました。数分間の英語プレゼンを録画するだけで、以下の項目が自動的に分析されます。

AIが自動分析する7つの項目(Rehearsal)

1

総合評価

強み・弱み・アドバイスのレーダーチャート

2

話すスピード

適正は1分120〜180ワード。変化の有無も測定

3

表情とノンバーバル

笑顔・目の動きからポジティブ/ネガティブを判定

4

口ぐせ

「えっと」等の繰り返し言葉を講師以上に精密にピックアップ

5

アイコンタクト

カメラ目線と左右のバランスを測定

6

滑舌

発音の明瞭さ。ノンネイティブにとって特に重要

7

キーワード

設定した重要キーワードを何回発言したかカウント

ベンチマーキング機能:過去の受講者の平均スコアとの比較ができるため、「自分が全体のどの位置にいるか」を客観的に把握できます。これは講師によるフィードバックでは難しい、AIならではの強みです。

4つのテクノロジーはそれぞれ単独でも効果がありますが、学習プロセスの流れに沿って組み合わせることで「インプット→体験→現場支援→評価改善」の学習サイクルが回ります。重要なのは「どのツールを入れるか」ではなく「どの学習段階にどのツールを配置するか」という設計の視点です。

では、これらのITツールも活用しながら、実際のグローバルビジネスの準備をどう進めればよいのか。次のセクションでは、英語プレゼンテーション準備の6ステップを紹介します。

英語プレゼンテーション準備の6ステップ — ITツール活用の実践フロー

前のセクションでは研修に使えるIT技術を紹介しましたが、ITの活用は学習の場面だけにとどまりません。フォーラムでは「実際のグローバルビジネスの業務でITを使いこなすこと」自体が、グローバル人材の重要なスキルとして紹介されました。

語学力があるうえにツールを上手に使いこなせると、短時間で高い成果が出せます。ここでは、英語でプレゼンテーションをする場合の6ステップを、各ステップで使うツールとともに紹介します。

英語プレゼン準備フロー — 6ステップ

1

スライド作成

Canva

短時間で外国人に刺さる発表スライドをつくる。

よくある課題:日本語の細かい文字と数字中心の資料は外国人に響かない。色とビジュアルのインパクトも弱い。
ヒント:海外のデザイナーがつくったテンプレートを使うだけでインパクトが一気に上がる。

2

スライドとスクリプトの自動翻訳

DeepL

短時間でスライドと話す原稿を通じる英語にする。

よくある課題:英語資料の作成に時間とエネルギーがかかり、通じるかどうかも不安。
ヒント:英語の文章構成を意識した単純な日本語で書いてから自動翻訳する。原稿は話しやすい言葉に直すこと。

3

発表イメージを確認する

Synthesia

聞き手の立場から内容を確認し、具体的な発表のゴールイメージを持つ。

よくある課題:自分のプレゼンが聞き手にとって分かりやすいのか判断できない。
ヒント:AIアバターにプレゼンを発表してもらい、聞き手視点で内容と流れを確認する。

4

練習してフィードバックをもらう

Rehearsal

本番までに効率よくリハーサルを重ねる。

よくある課題:リハーサルをしても良し悪しが分からない。
ヒント:AIによる分析(スピード・表情・滑舌・キーワード等7項目)のレポートを参考に改善する。

5

質疑応答に字幕をつける

自動翻訳字幕

準備のできない質問に即興で適切に答える。

よくある課題:準備したプレゼンはうまくいくが、直後の質疑応答で聞かれていることが分からず、ずれた答えをして信頼感が下がる。
ヒント:参考のために自動翻訳の字幕を表示し、質問の内容を正確に把握してから回答する。

6

議事録を自動作成して振り返る

Colibri

時間をかけずに議事録をつくり、内容を正確に理解して改善につなげる。

よくある課題:会議中に分からなかった内容が最後まで分からない。議事録をつくるのが大変。
ヒント:自動文字起こしツールを使えば、会議後に全内容を日本語で確認し、次回に向けた改善ポイントを特定できる。

この6ステップのポイントは「英語力そのものを上げる」のではなく「今の英語力でも成果を出せるようにツールで補う」という発想です。ツールを使いこなせるかどうかで、同じ英語力でもプレゼンテーションのクオリティに大きな差が出ます。グローバル研修では「語学力を鍛える」と「ツール活用力を鍛える」を並行して進めることが重要です。

グローバル研修のプログラム設計やITツールの選定にお悩みでしたら、アイディア社にご相談ください。語学力と実践力のバランスを考慮した研修設計をご提案します。

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ここまでで「環境変化」「企業事例」「IT活用」「実践フロー」を見てきました。次のセクションでは、グローバル人材の実践力をどう測定するかについて、2,608名の診断データをもとに解説します。

グローバル実践力を測る「グローバル人間ドック」とは

ここまで企業事例やIT活用を見てきましたが、そもそも「自社のグローバル人材は今どのレベルにいるのか」を客観的に把握できている企業は多くありません。フォーラムの後半では、グローバル人材の実力を可視化する「グローバル人間ドック」という診断プログラムと、2,608名の診断データが紹介されました。

語学力と実践力は別物

英語力を測るツール(TOEIC、GTEC、CASECなど)は多様で正確性がありますが、「実際のビジネスで英語を使って成果を出せるか」を測るツールはなかなか存在しません。フォーラムでは、語学力と実践力の違いが以下のように整理されました。

語学力

目的

自分の英語力を高めて、自分の意思を英語で伝えられるようになる

鍛える要素

文法、語彙、文章力、リスニング、ライティング、スピーキング、リーディング

評価方法

TOEIC、GTEC、CASECなど

研修形態

マンツーマン、グループレッスン、eラーニング

実践力

目的

自分の応用力を強化して、ビジネスをよりスムーズに英語でできるようになる

鍛える要素

コミュニケーション力、ロジック、ミーティング、プレゼンテーション、ネゴシエーション

評価方法

ミニシミュレーション(ライティング、電話、ミーティング、プレゼンテーション)

研修形態

セミナー、メール・電話トレーニング、マンツーマン、場面別演習

重要な示唆:TOEICのスコアが高くても、ミーティングで発言できない、プレゼンで説得力がない、交渉で合意を引き出せないケースは珍しくない。語学力と実践力は別の軸で測定し、別の方法で鍛える必要がある。

グローバル人間ドック — 4段階の実力診断

この「語学力≠実践力」という問題を解決するために、アイディア社が開発したのが「グローバル人間ドック」です。1日かけて4つのビジネスシーンをシミュレーションし、実践力を客観的に測定します。

STEP 1

ミーティング

ネイティブスピードの会話に入り込めるか。積極的な参加と意見表明が評価ポイント

STEP 2

プレゼンテーション

自分の考えを論理的にまとめてPowerPointに落とし込み、限られた時間で発表する

STEP 3

ネゴシエーション

プレゼン内容を相手に受け入れてもらうよう交渉。柔軟な対応とWin-Win提案が鍵

STEP 4

フィードバック

診断結果に基づき担当講師から個人フィードバック。モチベーションが高いうちにアドバイス

4つのステップは実際のグローバルビジネスの流れを再現しています。朝のミーティングで情報を収集し、準備してプレゼンテーションを行い、その内容について交渉する——この一連のプロセスを1日で体験することで、総合的な実践力が測定できます。

2,608名のデータが示す「語学力と実践力のギャップ」

グローバル人間ドックの累計受講者数は2,608名。このデータから見えてくるのは「語学力が高くても実践力が高いとは限らない」という事実です。散布図では、TOEIC 800点台でも実践力スコアが2.0(一場面で適用する)レベルにとどまるケースが確認されています。逆に、TOEIC 600点台でも実践力3.5(十分適用する)を超える人もいます。

2,608名
累計受講者数
+0.86
研修後の実践力スコア平均伸び幅
41.7%
スコア+1.0以上の成長を達成した割合

特に注目すべきは研修の効果です。実践力強化研修を受けた1,145名のデータでは、研修前後のスコア伸び幅の平均が+0.86。さらに、41.7%の受講者が+1.0以上の大幅な成長を遂げています。研修後のスコア分布を見ると、3.00〜3.75のゾーン(「応用する」〜「十分適用する」)に受講者が集中しており、研修によって実践力が着実に底上げされていることが分かります。

実践力スコアの5段階と到達レベル

研修後の受講者は3.00〜3.75のゾーンに集中している

1.0〜1.9
2.0〜2.4
2.5〜3.4
3.5〜4.4
4.5〜5.0
難しい
一場面で適用
適用する
十分適用する
良くできる

このデータが人事担当者に示唆するのは「TOEICスコアだけでグローバル人材のレベルを判定するのは危険」ということです。語学力のテストと実践力の診断を組み合わせることで、初めて「この人はどこが強くてどこが弱いのか」が見え、研修プログラムの設計精度が格段に上がります。

次のセクションでは、もうひとつの重要テーマである「外国籍社員と海外現地スタッフの育成」について、3つのアプローチを紹介します。

外国籍社員と海外現地スタッフの育成 — 3つのアプローチ

フォーラムの最終パートでは、グローバル人材育成のもうひとつの柱として「外国籍社員と海外現地スタッフをどう育成するか」が取り上げられました。先ほどのセクションで見た通り、在日外国籍労働者は180万人を突破し過去最高を更新しています。「日本人をグローバル人材に育てる」だけでなく、「外国籍社員が日本の職場で力を発揮できるようにする」ことも、同時に取り組むべき課題です。

フォーラムで紹介された3つのアプローチは、「個人のスキルを上げる → チームとしての連携を強化する → リーダーとして組織を牽引する」という段階的な育成パスを形成しています。

STEP 1

ビジネススキル向上

個人の能力を底上げ

STEP 2

グループシナジー強化

日本人×外国籍の協働力を高める

STEP 3

リーダーシップ力アップ

外国籍社員をリーダーに育てる

それぞれのアプローチの目的、ポイント、具体的な施策を詳しく見ていきます。

STEP 1:ビジネススキル向上 — 個人の能力を効率よく底上げする

目的

必要なビジネススキルを身につける

受講者のニーズに合わせて柔軟に対応する

現地社員のリテンションも高める

ポイント

既存のオンデマンド教材を効率よく活用

様々なレベルに対応できるようにする

動機付けとリテンションをセットで考える

活用できるオンデマンドプラットフォーム

LinkedIn Learning

汎用的で完成度が高い

MasterClass

インパクトと動機付けにつながる

アジアオリジナル教材

ノンネイティブに分かりやすい

STEP 2:グループシナジー強化 — 日本人と外国籍スタッフの共同研修

目的

会社に対する理解を高める

日本人のグローバル対応力を強化する

組織を越えた人脈をつくる

ポイント

日本人と海外現地スタッフで共同研修を行う

研修内容を社内コンテンツに重点を置く

交流と意見交換の時間を多くする

効果的なプログラム例

職場の紹介

お互いの仕事を理解し合う

企業理念ディスカッション

価値観を共有し一体感を醸成

機能別アイディア出し

多様な視点を活かした協働体験

STEP 3:外国籍社員のリーダーシップ力アップ — 日本で対面研修を行う

目的

リテンションとモチベーションアップ

本社との関係を強化する

会社に対する理解を深める

ポイント

日本で対面研修を行う

研修・交流・観光を組み合わせる

本社メンバーを積極的に登場させる

プログラムの構成要素

ゲストスピーカー

経営層からグローバル戦略を直接共有

混合グループワーク

日本人と海外スタッフの混合チームで課題に取り組む

課外活動

フィールドワーク等で日本文化を体験し関係を深化

もうひとつの課題 — 外国籍社員の異文化対応と日本人上司の受け入れ

3つのアプローチに加えて、フォーラムではもうひとつ重要なテーマが紹介されました。外国籍社員が日本の職場環境にスムーズに適応するための異文化研修と、受け入れ側の日本人上司への教育です。

アイディア社が開発した「Working with Japanese Partners」というeラーニングでは、外国籍の新入社員が入社後に直面する10の場面(導入研修、OJT、配属直後、1年目後半の評価まで)について、文化的な背景と実践的なアドバイスを映像で学べるようになっています。

異文化対応の4つの軸

High/Low コンテクスト

言葉に頼らないハイコンテクスト(日本)と、言葉で明確に伝えるローコンテクスト。テンポよく話す、ポイント数を先に言うなどの対応ヒントがある。

権力格差 大・小

上下関係が強い格差大(日本)と弱い格差小。理由を述べる、裏付けるなど、格差の大小に応じたコミュニケーションの調整が必要。

個人・集団主義

自己から考える個人主義と、周りから考える集団主義(日本)。聞き手のメリットを強調する、社風に合わせるなどの対応が求められる。

全体・詳細重視

全体像に関心が高い文化と、詳細にこだわる文化(日本)。大枠から話す、完成度にこだわるなど、相手の文化に合わせた情報の出し方が鍵。

双方向のアプローチが重要:外国籍社員に日本文化を理解してもらうだけでなく、受け入れ側の日本人上司も異文化対応の基本を学ぶ必要がある。フォーラムでは、外国籍社員への個別コーチング(全7回)と日本人上司への受け入れ研修+個別コーチング(全5回)を並行して行うプログラムが紹介された。

外国籍社員の育成で最も避けたいのは「せっかく採用した優秀な外国籍社員が1年もしないうちに退職する」という事態です。異文化研修は「完璧な日本人になること」を目指すのではなく、「外国人として許されるレベル」を目標に、文化的な背景(Why)と実践的なアドバイス(What・How)をバランスよく伝えることが効果的です。

外国籍社員の受け入れ研修や、海外現地スタッフとの共同研修の設計について、アイディア社がサポートします。異文化対応力診断からプログラム設計まで一貫してご相談いただけます。

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参加者の声

グローバルフォーラム2023の参加者アンケートから、掲載許可をいただいたコメントを紹介します。

★★★★★

VR・AR・AIフィードバック等の研修形式を詳しく知ることができた

研修の形式(オンデマンド、VR・AR、AIフィードバック等)について詳しくご教示いただいたこと。

— 大手機械メーカー 人材育成担当者

★★★★★

ITツールの使い方が具体的で、プレゼンの参考にもなる

ITツールの使い方が具体的でわかりやすかったです。いつもながら、説明の資料や説明の仕方が分かりやすく、プレゼンの参考にもなります。

— 大手自動車メーカー 人材育成担当者

★★★★★

参加型のデザインで飽きずに楽しく受講できた

ローコンテクストで解りやすく、お二人で説明を交代しながら進めてくださり、参加型にデザインされていたので、飽きずに楽しく受講させていただきました。

— 大手航空会社 人材育成担当者

★★★★★

外国籍社員の対応について新たな気づきがあった

聞きやすく、理解しやすかった。外国籍社員の対応に関して、気付きがあった。日本語研修を受講して頂いているが、最近伸び悩んでいる部分の今後の対応をもう少し考えるべきと感じた。

— 大手機械メーカー 人材育成担当者

★★★★★

現在にマッチした手法が日本人向け育成にも参考になる

いろいろなツールを使った、現在にマッチした手法紹介が、日本人向け育成にも参考になります。

— 大手電子部品メーカー 人材育成担当者

★★★★☆

概論だけでなく、実際に活用できるITツールの案が参考になった

概論だけでなく、実際活用できる案について紹介して頂きました。特に、ITツール活用についての内容はいいヒントになりました。

— 大手電子部品メーカー エンジニア

★★★★★

投資データとグローバル視点の重要性を再認識

ビジネスで使用できる様々なツールを紹介いただけましたし、投資に関するデータは大変参考になりました。今後、グローバルな視点でビジネスを進めていくことの重要性を再認識できました。

— 大手食品メーカー 人材育成担当者

★★★★☆

グローバル人財育成の変化とIT活用のアプローチが参考になった

グローバル人財育成の変化、ITを活用したアプローチが参考になりました。

— 大手ITサービス企業 人材育成担当者

よくある質問(Q&A)

Q1. グローバル人材育成で最初に取り組むべきことは何ですか?

まずは自社のグローバル人材の現状を可視化することです。TOEICなどの語学力テストだけでなく、ミーティング・プレゼンテーション・交渉といった実践力を診断することで、「どのスキルが不足しているのか」が明確になり、研修プログラムの設計精度が格段に上がります。アイディア社の「グローバル人間ドック」のような実践力診断を活用するのも有効です。

Q2. 語学力(TOEIC)と実践力の違いは何ですか?

語学力は英語の文法・語彙・リスニングなどの基礎力を測るものです。一方、実践力はその英語力を使って「ビジネスで成果を出せるか」を測るものです。2,608名のグローバル人間ドックのデータでは、TOEIC 800点台でもビジネスの場面では十分に力を発揮できないケースが確認されています。語学力と実践力は別の軸で測定し、別のアプローチで鍛える必要があります。

Q3. VRやAIなどのITツールをグローバル研修に導入するメリットは?

最大のメリットは「繰り返し練習できる」ことです。VRでは講師なしでもグローバルビジネスのシーンを360度の没入感で体験でき、AIフィードバックでは何度練習しても相手が飽きることなく、スピード・表情・滑舌などを客観的に分析してくれます。ただし、ツールの導入が目的にならないよう「学習プロセスのどの段階にどのツールを配置するか」を設計することが重要です。

Q4. 外国籍社員の受け入れで最も気をつけるべきことは?

最も避けたいのは「採用した優秀な外国籍社員が1年もしないうちに退職する」ことです。これを防ぐには、外国籍社員への異文化研修と、受け入れ側の日本人上司への教育を同時に行うことが効果的です。外国籍社員だけに適応を求めるのではなく、双方向のアプローチで相互理解を深めることが定着率の向上につながります。

Q5. グローバルフォーラムはどのような企業が参加していますか?

グローバルフォーラムは、グローバル人材の育成に熱心に取り組む企業の人事担当者・人材育成担当者を対象としています。2023年の参加者は製造業(自動車・電子部品・機械)、食品、航空、ITサービスなど多様な業種の大手企業が中心でした。2006年から毎年夏に開催しており、累計参加者は約17,000名を超えています。

まとめ

グローバルフォーラム2023では、パンデミック後のグローバルビジネス環境の変化から、日系企業3社の海外進出事例、VR・AR・AIを活用した最新の研修手法、グローバル実践力の測定データ、そして外国籍社員の育成まで、グローバル人材育成の全体像が紹介されました。

共通するメッセージは「グローバル人材育成は、一部のエリート向け施策から全社的な経営課題に変わっている」ということ。海外売上比率が30%を超え、国内でも180万人の外国籍労働者と協働する時代には、語学力だけでなく実践力を鍛え、ITツールを活用し、異文化対応力を双方向で高めるアプローチが求められています。

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