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若手社員の年次別育成ヒント|1年目・2年目・3年目の課題と研修設計【2025年版】

2025年8月5日、アイディア社はオンラインにて「1-2-3年目 社員育成フォーラム 2025」を開催しました。新入社員から3年目社員までの年次別育成課題と、それぞれに対応する研修プログラムの設計ポイントを、2025年度の最新データとともに解説したセミナーです。

本記事ではセミナー当日の内容を詳しくレポートします。各パートのライブ配信映像も全編無料で公開していますので、気になるパートから動画をご覧ください。

本フォーラムでは、講師が2025年度に約2,000名の新入社員研修を担当した経験をもとに、最新の傾向データと実践的な育成ヒントを紹介しています。若手育成の体系づくりや研修の見直しをご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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2025年度 新入社員研修の最新傾向

フォーラムの冒頭では、アイディア社代表のダーキーが2025年4月に講師として担当した約2,000名の新入社員研修の振り返りを報告しました。44名規模から375名規模まで、計12回の研修を通じて見えた今年の新入社員の傾向をデータとともに共有しています。

約2,000名の研修から見えた2025年新入社員の3つの特徴

今年の新入社員の傾向は、「態度は良い → しかし習得度は態度ほど高くない → だから今後のフォローの方向性も変わる」という因果の流れで整理できます。

1

マインド|集中力が高く、積極的で心の余裕がある

200名以上の研修でも眠そうにしている受講者はゼロ。コミュニケーションに対する抵抗感がなく、変わった演習にも素直に取り組む姿勢が印象的。一方で、リスクを恐れない分、仕上がりが雑でも満足する傾向も見られた。

2

習得度|コミュニケーションには前向きだが、出来は普通

ロジカルシンキングは人によるばらつきが大きい。単語ベースのコミュニケーションに慣れているため、論理的な文章作成が苦手な傾向がある。電話に対する抵抗感も目立ち、基本的なビジネスコミュニケーションの土台づくりが必要。

3

今後のフォロー|「楽しかった導入研修」と「配属後のギャップ」への備え

導入研修中は良い仲間もでき、快適に過ごしていた印象。それだけに、配属後に職場の厳しさとのギャップを強く感じるリスクがある。前向きな姿勢を維持しつつ配属後の現実に対応できるよう、秋のフォロー研修と数カ月後のヒアリングが特に重要になる。

態度が良いこと自体は歓迎すべきですが、「前向きな姿勢=仕事の成果」ではありません。人事担当者としては、導入研修中の好印象だけで安心せず、配属後の行動変容と習得度を定点観測する仕組みが求められます。特に今年のように「心の余裕がある」世代は、配属後のリアリティショックへの耐性が未知数です。研修の前半で成功体験をつくり、後半で「職場の現実」への心構えをつける二段構えの設計が有効です。

研修の実施形態と規模

2020年にほとんどの新入社員研修がリモートに切り替わりましたが、2023年から対面研修に戻る流れが加速しています。一方で、数百名規模の研修ではハイブリッド形式が定着しつつあります。2025年度のデータを見ると、興味深い構図が浮かび上がります。

2025年度 新入社員研修の実施形態別データ

実施回数と受講者数の比較 — ハイブリッドが最少回数で最大人数をカバー

対面(7回)
609名
ハイブリッド(3回)
864名
リモート(2回)
508名

注目すべきは、ハイブリッド形式がわずか3回の実施で864名と最多の受講者をカバーしている点です。数十名のクラスごとに部屋を分け、講師の解説をリアルタイム配信しつつ各部屋ではサブ講師が演習をフォローするスタイルが、大人数に安定した品質の研修を届ける手段として定着しています。実際に、各クラスの修了アンケートの総合評価は5点満点中4.7〜5.0とばらつきがほぼありませんでした。

人事担当者にとっての示唆は、「対面に戻すか、リモートを続けるか」の二者択一ではなく、研修内容の性質に合わせて形態を使い分けることです。インプット中心の内容はオンデマンドで効率化し、ヒューマンスキルや身体を使う演習は対面に集中させる。この組み合わせが、限られた時間と予算で最大の効果を生む設計になります。

来年度に向けた新入社員研修見直しのポイント

セミナーでは、来年度以降の新入社員研修について「内容の見直しが必要な時期が来ている」と強調されました。コロナ前から言われていた「主体性がない」「正解をすぐ求める」「リスクを恐れる」という傾向が変化してきており、従来の定番プログラムと現在のビジネス環境のあいだにずれが生じているためです。

具体的に見直しが必要な領域として挙げられたのは、電話に出る重要性とふさわしい話し方の指導、議事録作成における生成AIツールの効果的な活用方法、ハイブリッドワークでのチームコミュニケーション、そしてハラスメントを恐れて遠慮する上司との人間関係構築です。いずれも「過去にはなかった、しかし現在の職場では不可避のテーマ」であり、研修設計の前提そのものを更新する必要があります。

新入社員研修の全体像や年間の育成サイクルを体系的に知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

▶ 新入社員研修の設計完全ガイド|導入から1年間の育成サイクルまで

Part 1. 新入社員向け研修の育成ヒント — 動画

2025年度の新入社員の傾向分析と、それを踏まえた導入研修の設計ポイントを解説しています。「部門紹介」を新入社員自らのインタビュー発表形式にする工夫や、AI日報添削の活用事例、「されること」が当たり前になっている世代への主体性の引き出し方など、実践的なヒントを紹介しています。

若手社員のニーズはどう変わったか

続いてセミナーでは、新入社員だけでなく2年目・3年目を含む若手社員全体のニーズ変化を取り上げました。パンデミックが各年次に与えた影響は一様ではなく、同じ「若手」でも入社年次によって経験してきた環境がまったく異なります。この違いを踏まえずに一律の研修体系を適用すると、的外れな育成になりかねません。

パンデミック影響下の年代別背景と傾向

2020年から2023年にかけて、年次ごとに「学生時代」「入社時」「入社後」のどのタイミングでパンデミックを経験したかが異なります。その結果、同じ社内にいる若手社員のあいだに、対面経験の差や社会性の差が生まれています。

パンデミック影響下の年代別背景(2025年時点)

同じ「若手」でも、パンデミックのどの時期に何を経験したかで傾向が大きく異なる

4年目
スムーズスタート

学生生活にある程度の社会経験あり。リモート授業と就職活動でリモートに慣れた状態で入社。上司・メンバーも前年よりリモート慣れしており、比較的スムーズに立ち上がった。ただし卒業〜1年目に心配やストレスが多い世代。

3年目
リモートネイティブ

リモートに非常に慣れており、抵抗なく入社教育を受けた世代。一方で、学生時代の行動範囲が狭く視野も限定的。社会勉強と対面スキルが不十分な人もいる。ストレスは少ないがマイペースで育つ傾向がある。

2年目
リモートオンリー世代

社会勉強と課外活動が非常に限定された世代。リモートに「慣れている」というより、対面に対して経験不足と苦手意識がある可能性が高い。視野が狭く周りへの意識が低い傾向があり、メンターに頼る部分が多い。

新入社員
ソフトランディング

リモート・ハイブリッド・対面のすべてを経験した唯一の世代。最近の新入社員よりストレスが少なく、仕事とコミュニケーションに対して前向き。ただし、パンデミック前に入社した先輩とは異なる経験と期待を持っている。

ここで人事担当者が注意すべきなのは、「若手」をひとくくりにしないことです。4年目は対面に戻った安心感がある一方、2年目はそもそも対面での協働経験が乏しい可能性があります。フォロー研修やOJTの設計でも、年次ごとの「経験の差」を前提にしたカスタマイズが求められます。

年次別に求められる能力と、パンデミック前後の変化

セミナーでは、社会人基礎力をベースにした15の能力項目について、パンデミック前(〜2019年)と現在の重要度の変化が示されました。特に変化が大きかった項目を中心に、年次別の対応を見ていきます。

〜2019年の重要度

テクノロジー活用力 — △(低い)

個人が業務で使うITツールは限定的。会社が用意した環境を使えれば十分だった

働きかけ力 — ○(普通)

対面で自然に生まれる人間関係のなかで、周囲を巻き込む力は徐々に身についた

実行力 — ○(普通)

目の前の業務を確実にこなすことが求められ、自ら目標を設定する機会は限られていた

ストレスコントロール力 — △(低い)

職場のストレスは上司や先輩との日常的な関わりのなかで自然に緩和されていた

2025年現在の重要度

→ テクノロジー活用力 — ◎(非常に高い)

生成AI・ハイブリッドツール・議事録AIなど、自ら新しいツールを使いこなす力が必須に。2年目の研修テーマとして特に重要

→ 働きかけ力 — ◎(非常に高い)

リモート・ハイブリッド環境では「待っていても」巻き込まれない。3年目の影響力研修で重点的に育成する

→ 実行力 — ◎(非常に高い)

仕事の量とスピードが求められるなか、自ら目標を設定して確実に行動する力が2年目の最重要テーマに

→ ストレスコントロール力 — ○(重要度上昇)

リモートワークで孤立しやすい環境。3年目のキャリアデザイン研修とセットで、自分のモチベーションを自分で管理する力が必要

変わらない原則:「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3本柱は不変。変わったのは、それぞれの力を発揮する「環境」と「手段」。研修体系もこの変化に合わせてアップデートが必要です。

この対比から読み取れるのは、パンデミック後の若手育成では「個人が自力で動ける力」の重要度が軒並み上がっているということです。対面の職場にいれば自然と身についた能力が、ハイブリッドワーク環境では意図的に育成しないと獲得できなくなりました。研修体系を見直す際は、「何を教えるか」だけでなく「どの年次で・どの順番で育てるか」のロードマップ設計が鍵になります。

「1年目から3年目までの育成体系をどう設計するか」「年次ごとの研修をどう連動させるか」など、若手育成の全体設計についてのご相談を承っています。

▶ お問い合わせ・ご相談はこちら▶ 新入社員研修の設計完全ガイドを読む

新入社員の育成ヒント — 導入から成果発表まで

セミナーのPart 1では、新入社員育成の年間サイクルにおいて「どの時期に、何を、なぜやるか」を体系的に解説しました。よくある9つの問題を年間5フェーズに対応させ、時期に合った打ち手を具体的に紹介しています。

新入社員によくある9つの問題と年間育成サイクル

新入社員育成の問題は、入社直後に一気に発生するのではなく、年間を通じてフェーズごとに異なる形で現れます。「研修がインプット中心で行動につながらない」は導入研修の課題であり、「成長が見られない」は配属後のフォローの課題です。この対応関係を踏まえた5フェーズの育成サイクルが紹介されました。

新入社員育成の年間5フェーズ

4〜5月

導入研修

マインド+コミュニケーションの基礎。受講者中心の設計で主体性を引き出す

5〜6月

配属直前研修

応用マインド+対面マナー。配属後のトラブルを想定した心構えづくり

6〜9月

配属後フォロー

上司・メンターの関わり強化。チェックイン、Dailyメール、1on1の仕組み化

10〜12月

フォロー研修

新しいインプットなし。成長の振り返り+年度末ビジョン+同期交流でモチベーション回復

1〜3月

成果発表

1年間の取り組みと成果を一人ずつプレゼン。上司を聞き手に、2年目への目標を明確化

このサイクルで重要なのは、各フェーズが独立しているのではなく、前のフェーズの成果を次のフェーズが引き継ぐ設計になっていることです。導入研修で身につけたプロフェッショナルマインドが配属後に実践されているかをフォローで確認し、フォロー研修で振り返り、成果発表で言語化する。この「学ぶ→実践→振り返る→言語化する」の繰り返しが、1年間の成長を確実なものにします。

セミナーでは各フェーズの設計ポイントが詳しく解説されましたが、特に参加者の反響が大きかったのが「部門紹介の工夫」と「コミュニケーション研修の見直し」です。

今年の工夫ポイント:部門紹介をインタビュー発表型に変える

どの企業でも新入社員に会社を知ってもらうための部門紹介がありますが、各部門からの一方的な説明を聞くだけの形式では、新入社員が集中できず内容を覚えないケースが多発していました。セミナーで紹介されたのは、この部門紹介を「新入社員が自ら動く場」に転換する工夫です。

工夫事例:部門紹介を「受ける」から「自分でつくる」に転換

BEFORE — 従来の部門紹介

各部門の担当者が順番に説明するスタイル。新入社員は受け身で聞くだけで集中力が続かず、内容を覚えない。部門側の準備負担も大きい。

AFTER — インタビュー発表型

新入社員が自ら部門の先輩にインタビューし、情報を整理して発表するスタイル。理解度が劇的に向上し、部門側の負担も軽減。ビジネスマナーとコミュニケーションの実践の場にもなる。

やったこと — 3段階のプロセス設計

STEP 1

部門ヒアリング

過去の部門紹介資料を読み込み、不明点を先輩に直接インタビュー。アポ取りの練習にもなる

STEP 2

プレゼン資料作成

ヒアリング内容を整理し、プレゼンテーションスキル研修で学んだ手法を活用して資料を作成

STEP 3

プレゼン発表

部門の方にも同席してもらい、補足説明で品質管理。発表そのものが複数スキルの実践の場になる

ポイント:この設計の本質は「部門を知ること」と「スキルを実践すること」を一石二鳥で実現している点にあります。ヒアリングでは傾聴力とアポ取り、資料作成では情報整理力、発表では伝達力。1つのプログラムで複数の能力を同時に鍛えています。

アンケートでも「部門紹介の進め方が印象的だった」「部門の理解だけでなく、いろんなスキルの実践の場にもなると感じた」という声が寄せられています。自社の部門紹介を見直す際は、「新入社員が何をアウトプットするか」を軸に設計してみてください。受け身のインプットを能動的なアウトプットに変えるだけで、研修全体の質が大きく変わります。

コミュニケーション研修の見直し

新入社員向けコミュニケーション研修についても、現在のビジネス環境に合わせた見直しが提案されました。従来の「報連相+電話の受け方+メールの書き方」にとどまらず、配属後に即活用できるスキルに重点を移しています。

具体的には、ライティング編(日報・メール・ビジネス文章・議事録の書き方)とスピーキング編(電話応対・報告・相談)の2軸で構成されています。ライティング編では「簡潔に書く」「相手中心に書く」「解決思考で書く」「ロジカルな構成にする」の4原則を軸に、実際のビジネスメールを題材にした添削演習が行われます。スピーキング編では、電話応対の基本に加え、「相手にとって必要な情報に絞って簡潔に報告する」「選択肢を提案しながら相談する」など、1年目から身につけておくべき実務直結のスキルを反復練習で定着させます。

注目すべきは、インプットとアウトプットを分離した研修設計です。マナーの知識は短時間のeラーニングで事前にインプットし、集合研修の時間はすべて演習に充てる。この「反転学習」の考え方を取り入れることで、限られた研修時間で「分かる」を「できる」に変えることが可能になります。

新入社員研修の個別テーマについて、より詳しい記事もご用意しています。部門紹介の詳細設計やビジネスマナー研修の見直し方もあわせてご覧ください。

▶ 部門紹介をインタビュー発表型に変える▶ ビジネスマナー研修の見直し方

2年目社員の育成ヒント — 自分で考え、巻き込む力

セミナーのPart 2では、2年目社員の育成に焦点を当てました。1年目で基礎を身につけた社員が「自分で考える力」と「周囲を巻き込む力」をどう伸ばすか。よくある6つの問題と、それに対応する年間の研修プログラム設計が紹介されています。

2年目社員によくある6つの問題と育成の年間イメージ

2年目社員によくある問題として挙げられたのは、基本的なビジネススキルの弱さ、仕事の量とスピードの不足、言われたこと以外に動かない受け身の姿勢、周囲とのコミュニケーションの少なさ、モチベーションのムラ、成果の不十分さの6つです。これらは別々の問題のように見えますが、根本には「自分で考えて動く力」と「仲間と協働する力」の不足が共通しています。

セミナーで紹介された年間育成プログラムは、この根本課題に4つの研修を年間を通じて段階的に積み上げるアプローチです。

2年目社員の年間育成プログラム

4つの研修が「できる→考える→続ける→見せる」の順序で積み上がる

4〜6月

実行力強化

仕事の量とスピードを上げる。「考える→伝える→やる」の3ステップとAI活用ヒント

7〜9月

問題解決研修

ロジカル+クリエイティブの両面から問題を解決する思考力を鍛える2日間プログラム

10〜12月

モチベーション向上

ストレングスファインダーで内的動機を特定し、自分のモチベーションを自分で管理する力を養う

1〜3月

成果発表

1年間の実行力+思考力+モチベーション管理の成果を可視化し、3年目に向けた目標を設定

この設計のポイントは、前半で「行動の量を増やす」ことに集中し、後半で「行動の質を高める」構成になっていることです。実行力が先に来るのは、2年目社員の最大の課題が「仕事の量とスピードの不足」だからです。考える力やモチベーション管理は、行動の土台がある程度できてから取り組むほうが効果的です。

また、今年の工夫ポイントとして「上司との付き合い方の強化」「思考力の底上げ」「内的動機と仲間意識の強化」の3つが紹介されました。特に2年目社員の代表的な悩みは人間関係、なかでも上司との関係であり、同期との関係を強化しながら上司のことを理解して仕事をスムーズにこなすコツを教えることが重要だと強調されています。

シンキング研修:ロジカル×クリエイティブの問題解決

2年目の研修で特に参加者の関心が高かったのが、問題解決研修の設計です。セミナーでは、問題解決の4ステップを「左脳(ロジカル)」と「右脳(クリエイティブ)」の2つのアプローチに分けて設計するメソッドが紹介されました。

問題解決の4ステップ — ロジカルとクリエイティブの使い分け

前半は左脳で正確に把握し、後半は右脳で新鮮な解決策を考える。ステップ2→3で思考モードが切り替わる

LOGICAL — 左脳で把握・分析する

CREATIVE — 右脳で発想・計画する

1

状況把握

何が起きているか、事実を漏れなく整理する

手法:情報ラベル / マトリクス / ロジックツリー

OUT → 整理された事実

2

原因分析

表面的な症状ではなく、根本原因を掘り下げる

手法:クリティカル思考(深く) / システムズ思考(複雑に)

OUT → 根本原因+狙い

転換
3

解決策

常識にとらわれず、新鮮なアイデアを大量に出す

手法:ブレインライティング / 欠点列挙法 / NM法 / 強制連想法

OUT → 新鮮な解決アイデア群

4

実行計画

アイデアを具体的な行動に変え、実行可能なプランにする

手法:作業のつながり整理 / オリジナル課題への適用

OUT → 職場で実行するプラン

読み方:各ステップの「OUT」が次のステップの入力になります。ステップ2で特定した根本原因と狙いが、ステップ3で発想する解決策の「的」を決めます。この因果のつながりがあるから、「分析だけで終わる」「アイデアが的外れ」の両方を防げます。

この設計が効果的なのは、多くの2年目社員が「問題に気づいているが、解決策が平凡」という状態にあるためです。状況把握と原因分析だけではロジカルシンキングの延長線上にしかなく、1年目で学んだことの焼き直しになりがちです。後半にクリエイティブ発想の手法を組み合わせることで、「正しく分析する力」と「新鮮なアイデアを出す力」の両方を1つの研修で鍛えられます。

研修は2日間構成で、1日目にロジカル(状況把握+原因分析)、2日目にクリエイティブ(解決策+実行計画)を扱います。各ステップで架空のケーススタディに取り組んだ後、自分の職場の実際の課題に応用するオリジナル演習を行う流れです。この「ケースで学ぶ→自分の課題に適用する」の2段構えが、研修内容を職場実践につなげるポイントです。

Part 2. 2年目社員研修の育成ヒント — 動画

2年目社員に求められる「自分で考える力」と「周囲を巻き込む力」の育成について解説しています。実行力強化研修、問題解決研修(ロジカル×クリエイティブ)、モチベーション向上研修の設計ポイントと、上司との関係構築のヒントを紹介しています。

3年目社員の育成ヒント — キャリア自律とリーダーシップの芽

セミナーのPart 3では、3年目社員の育成を取り上げました。3年目は「個人プレーヤーからチームへの影響者」への転換期です。1年目・2年目で身につけたスキルの土台の上に、周囲を動かす力とキャリアの方向性を自分で描く力を育てるフェーズに入ります。

3年目社員によくある6つの問題と育成の年間イメージ

3年目社員によくある問題として挙げられたのは、個人ごとのできること・できないことが把握されていない、知識とスキルの凸凹があって個別フォローが必要、ヒューマンスキル(特に接点のない人や異なる組織との関わり)の弱さ、チームワークの改善余地、会社理念の浸透不足、3年間の明確な成果がないことの6つです。

これらの問題に対応する年間プログラムは、前半に影響力(ヒューマンスキル強化)、中盤にキャリアデザインとコーチングによる個別フォロー、後半に成果発表という構成です。2年目までが「個人の能力を高める」ことに注力していたのに対し、3年目は「周囲との関係性の中で成果を出す」ことにフォーカスが移ります。

影響力研修「相手が動きたくなる」5つの切り口

3年目の研修で特に参加者の反響が大きかったのが、影響力の研修です。立場が弱くても相手に協力してもらえる「相手が動きたくなる」メソッドは、5つの切り口で構成されています。注目すべきは、この5つが「浅い(すぐ使えるテクニック)→ 深い(人間力の本質)」のグラデーションになっていることです。

「相手が動きたくなる」5つの切り口 — 浅いコツから深い人間力まで

DOING(行動のコツ)

聞くだけで済む浅いテクニック。明日からすぐ使える即効性がある

BEING(あり方)

奥深い人間力の本質。時間はかかるが、影響力の根幹になる

▼ 5つの切り口は「浅い→深い」の順に積み上がる
1

時間があるから

DOING

相手に「時間がある」「手間がかからない」と感じてもらう工夫。依頼の仕方ひとつで相手の負担感は大きく変わる

2

簡単だから

DOING

「自分にもできそう」と思わせるハードル設計。最初の一歩を小さくすることで相手のアクションを引き出す

3

重要だから

DOING → BEING

相手にとっての「重要性」を具体的に示す力。単なるテクニックではなく、相手の立場を深く理解する姿勢が求められる転換点

4

やりたいから

BEING

相手の内的動機に火をつける力。診断ツール(ストレングスファインダー等)で自分と相手のモチベーションスタイルを理解し、相手の「やりたい」に接続する

5

あの人だから

BEING

究極の影響力は「あなただから動く」という信頼。日々の行動の積み重ねで築かれるもので、テクニックでは代替できない。3年目の終わりまでにこの種を蒔くことが目標

設計のポイント:研修では1→5の順に進むため、午前中は「すぐ使えるテクニック」で成功体験をつくり、午後に「人間力の深い部分」へ踏み込みます。浅い成功体験があるからこそ、深いテーマにも前向きに取り組めるという設計意図があります。

この5つの切り口は、3年目社員だけでなくマネージャーの影響力強化にも応用されているメソッドです。人事担当者にとっての示唆は、「影響力の研修」を単なるコミュニケーションスキル研修に矮小化しないことです。テクニックだけを教えても一時的な効果しか出ません。3番目の「重要だから」を境に、DOINGからBEINGへの転換を意識した研修設計が、長期的な行動変容につながります。

社会人基礎力の実力診断 — 3領域8項目を1日で測定

セミナーの最後に紹介されたのが、3年目社員の個別能力を多角的に測定する「社会人基礎力の実力診断」です。3年間で人によって能力の凸凹が大きくなっており、画一的な研修では対応できないケースが増えています。この診断は、個人の強みと改善ポイントを可視化し、個別の学習プランにつなげる仕組みです。

社会人基礎力の実力診断 — 3領域8項目

1日のシミュレーション体験で多角的に測定し、当日中に個別フィードバックまで完結

考える

THINKING

論理思考力

カードを使った情報整理

課題発見力

ケースとフィールドワーク

発想力

アイディア出しワーク

伝える

COMMUNICATION

理解力

映像を見て整理する演習

伝達力

テーマについて話す演習

共感力

映像を見て解釈する演習

やる

ACTION

主体性・実行力

ミニ in バスケット演習

主体性・協働力

グループの協働作業

この診断の特徴は3つあります。第一に、自己申告のアンケートではなく、インボックス演習・インタラクティブ映像・ロールプレイなどのダイナミックなシミュレーション体験で能力を測定すること。第二に、複数のツールを組み合わせて広範囲の能力を1日で測ること。第三に、当日中に個別フィードバックを行い、診断結果に基づいた個別学習プランまで作成すること。「測って終わり」ではなく「測った結果を次の行動につなげる」ところまでを1日で完結させる設計です。

人事担当者にとって、3年目社員の能力の凸凹は見えにくい課題です。日常業務のなかでは「できる人」と「そうでない人」の印象はあっても、具体的にどの能力が高くてどの能力に改善余地があるかは把握しづらい。この診断を導入することで、個人ごとの育成計画を「印象」ではなく「データ」に基づいて設計できるようになります。

Part 3. 3年目社員研修の育成ヒント — 動画

3年目社員のキャリア自律とリーダーシップの芽を育てるプログラムを解説しています。「相手が動きたくなる」影響力研修の5つの切り口、キャリアデザイン研修の工夫、社会人基礎力の実力診断の仕組みを紹介しています。

参加者の声

当日ご参加いただいた皆様のアンケートから、掲載許可をいただいたコメントを厳選してご紹介します。

★★★★★

1〜3年目の教育体系を「意味づけ」で理解できた

新人職員の1〜3年目までの教育体系が意味づけで学べました。パンデミックからの新人の傾向の変化を教えていただき、各年次に応じた教育の意図や効果がより明確になりました。

— コープデリ連合会 森重竜士様

★★★★★

「Why」を考える力を養うヒントが得られた

社員に「Why(なぜ)」を考えてもらい、主体的な思考力を養っていくという視点は新たな気づきでした。今後は社員同士のディスカッションを通じて、自ら答えを導き出すような関わり方にも挑戦したいと思います。

— トラベレックスジャパン株式会社 平野智子様

★★★★★

実践的な1年目研修の進め方が参考になった

1年目研修として紹介された「部門紹介」の進め方が印象的でした。新入社員自らが情報収集し、成果物をまとめて発表することで、部門の理解だけでなくいろんなスキルの実践の場にもなると感じました。

— BIPROGY株式会社 野崎良様

★★★★★

各年次の課題と対応事例が具体的でわかりやすかった

各年次における課題とそれらに対する対応事例が具体的で非常にわかりやすかったです。今年の新入社員の雰囲気が言語化でき、会社側の要求値の高まりへの事例も具体的にイメージすることができました。

— YKK株式会社 飯塚佳明様

★★★★★

従来の研修を見直すタイミングで非常に参考になった

新人から3年目までの近年の傾向とそれに対応する研修の紹介はためになりました。1年目および2年目のフォローアップ研修について、従来の研修を見直すタイミングだったので、今回の内容は非常に参考になりました。

— 朝日広告社 伊藤由輝子様

★★★★★

活用したいポイントがたくさんあった

いつも通り、情報が濃縮されて提供されていましたが、トレンドがわかりやすく、実際に活用したいと思うポイントがたくさんありました。

— ENEOSリニューアブル・エナジー株式会社 寺久保麻美様

★★★★★

AI日報添削を次年度カリキュラムに取り入れたい

新入社員研修の概要や今年の特徴がわかり、当社と比較することができました。AI日報添削は次年度カリキュラムに取り入れたいと思います。下期の育成への取り組み方の参考および次年度の研修のヒントになりました。

— SB C&S株式会社 神明子様

★★★★★

面白い研修のアイデアやポイントが大変有意義だった

最新の情報を元に、面白い研修のアイデアやポイントを教えてくださり大変有意義でした。

— EPSデジタルシェア株式会社 袴田美来様

★★★★★

Z世代の年代別特性をアップデートできた

Z世代というだけでまとめてもいけない。年代別の特性がアップデートできました。また彼らの経年による育成フォローも重要だということ。理不尽な状況でも、自分のWINに替えるマインドセットが重要ということを再認識しました。

— ニッカホーム株式会社 佐藤友亮様

★★★★★

個人別の育成アセスメントに興味を持った

講師の方の感想と「よくある問題」が参考になりました。最後にダーキーさんが語ってくれた個人別の育成のアセスメントに興味を持ちました。新入社員の社会人への意識改革、個人別の育成の見える化に今後取り組みたいです。

— BIPROGY株式会社 蛯谷恵里様

よくある質問(Q&A)

Q. 1-2-3年目社員育成フォーラムとはどのようなイベントですか?

A. アイディア社が主催する、企業の人材育成・人事担当者向けのオンラインセミナーです。新入社員から3年目社員までの年次別育成課題と、それぞれに対応する研修プログラムの設計ポイントを、最新のデータとともに解説しています。2025年度は8月5日にリモートカンファレンス形式で開催しました。

Q. 2025年度の新入社員にはどのような傾向がありましたか?

A. 約2,000名の研修を担当した講師の報告では、集中力が高く非常に前向きで、コミュニケーションに対する抵抗感がないことが特徴的でした。一方で、単語ベースのコミュニケーションに慣れているためロジカルな文章作成が苦手な傾向があり、電話に対する抵抗感も見られました。態度は非常に良いが、習得度は態度ほど高くないという構図が浮かび上がっています。

Q. 2年目社員の研修では何が重要ですか?

A. 2年目社員の最大の課題は「自分で考えて動く力」の不足です。セミナーでは、年間の前半で実行力(仕事の量とスピード)を強化し、後半で問題解決力(ロジカル×クリエイティブ)とモチベーション管理を育てる段階的なプログラムが紹介されました。特に思考力強化では、左脳で状況を正確に分析した後に、右脳で新鮮な解決策を発想する2日間構成の問題解決研修が効果的です。

Q. 3年目社員の育成で注目すべきポイントは何ですか?

A. 3年目は「個人プレーヤーからチームへの影響者」への転換期です。セミナーでは「相手が動きたくなる」5つの切り口による影響力研修と、社会人基礎力の実力診断(3領域8項目を1日で測定)が紹介されました。3年間で個人ごとの能力の凸凹が大きくなるため、画一的な研修ではなく個別の診断に基づいた育成計画が求められます。

Q. セミナーの動画は視聴できますか?

A. はい、本記事内で全3パートのライブ配信映像を無料公開しています。Part 1(新入社員の育成ヒント)、Part 2(2年目社員の育成ヒント)、Part 3(3年目社員の育成ヒント)の各パートから、気になる内容を選んでご視聴いただけます。

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「新入社員研修の見直しを考えている」「2年目・3年目のフォローアップ研修を充実させたい」という段階でもお気軽にご相談ください。貴社の状況をお聞きしたうえで、最適な育成体系をご提案します。

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