ASTD2014 営業研修の成功ポイント~その2~
この記事では、ASTD2014帰国報告会のうち「営業研修の成功ポイント(イートレードファイナンスの事例)~その2~」をお伝えします。
その2については以下をご参照ください。
※「ASTD(ATD)人材育成国際会議 帰国報告会」は、世界最大の人材育成会議であるASTD(ATD) ICEで発表された内容を日本企業に役立つように紹介するセミナーで、アイディア社が毎年開催しているものです。
講演者1:Thomas Sawyer、役職:Director, Retail Sales Learning & Development
講演者2:Jonathan Feig、役職:Senior Retail Learning Specialist
会社名:E*TRADE Financial(イートレードファイナンス)
研修ガイダンス資料の書式統一
Step 3:プロセスを設計する。
まずは、研修講座案内の項目と書式を決める。
そして見本を1つ作り、その後ほかの担当者は項目リストと見本を参考にしながら、ほかの講座案内を手分けして作成していった。
そこまでやると、今度は具体的にどうするかという3番目のプロセスです。
各研修のいわゆる研修設計書や研修講座案内みたいな資料は、ガチガチのフォーマットで項目を決めて、全ての研修でそれが分かりやすく伝わるように作って、それがいまいちだったらそれをぐるぐる回しながらローリングで改善していくという事を部下たちに課したと言ってました。
関係者を巻き込んで、やれることは徹底的にやる
Step 4:実行する
・集合研修を25拠点で実施
・受講者の上司を巻き込んだ事前準備とフォロー策などを実施した結果、
・最初の2年で10億ドルの売上アップ
・追加の研修リクエストを受けた
実行するという段階。
結局、どんな事を実行したのかをあげていきます。
- 集合研修を25拠点でやる
- とにかく上司を巻き込む
- 事前の意識づけとか何をこの研修に行って学んで来れば良いのかという事を現場レベルでちゃんと事前に刷り込む
- 意味ある研修をやったあとは、また、今度はフォロー策を徹底的に用意しておく
以上のことを実行して、数値としては、2年で10億ドルの売上アップという成果があったという事で、
これもいろんな図り方があるとは思いますが、行ったことをちゃんと図って回していくという事をしていました。
人材育成担当者向けのアクションプランシート
プロジェクトごとに各担当者が得た知見を次の改善につなげるために、人材育成担当者向けの「アクションプランシート」を 作成し運用した。
→ ナレッジの
・見える化
・共有化
このことにより、人材育成部門そのものがより成果を生み出すことのできる部門に成長していくことができた。
この上側が人事担当者向けのアクションプランシートで、
各講座毎にアクションプランシートを担当者が書くような仕掛けにして、人材育成部門が
- 自律的に成長していく
- 向上していく
- 業務品質が上がっていく
そのような仕組みを取り入れていったという事です。
まとめ
このケースから得られるヒントという事で、2つ最後にご紹介します。
1.フレームワークを利用して活用してカスタマイズする
これはやはり賢いなと思いました。
- 自分達なりに当たり前と思っている事
- 自分としてこれが良いなあと思った事
なども、「なんでそれを使うの?なんでそのアプローチなの?」と言われた時に、なかなか裏付けがないと人を巻き込むのは難しいですし、
それが全然関係ない部門であったり、経営層であったりすると、なかなか難しいなという中に、このフレームワークを活用して、スタートしていくというのは悪くないなと思いました。
ただ、多くの場合が、フレームワーク通りやろうとするので、なかなかうまく自分が使えないじゃないですか?
これをうまく現実に近づけていく、今回本当は意味のあることをやっていたんでしょうけれども、最終的にカスタマイズした4ステップは、ある意味当たり前じゃないですか?
この当たり前の事を、「コッターが言っていた理論の通りになっています」と言われると、説得力があるので、大きな組織を動かしていく時には、本質的にも意味があるでしょうし、現場の知恵的にもこういった組織の動かし方ってありなんじゃないかなという風に思いました。
2.人材育成部門の業務品質が良くなるような仕組みを作って行く
これはサウジアラムコの事例に近いんですけれども、人材育成部門の業務品質が良くなるような仕組みを作って行こうという発想です。
1個1個の目先の、
- 何とかトレーニング
- 何とか研修
- 何とか育成研修
- 2015年度これこれ研修を良くしよう
だけではなく、部門そのものが継続的に良くして行こうという仕組みを、目先の仕事に、もしくは部下に真剣にあたらせて、その経験の中で、次を良くしていく。
それは本人のクオリティーだけではなくて、組織を良くしていくとこういった自立した人材育成部門が成長していく仕組みを狙いながら現場の仕事をやっていく、プロジェクトの仕事をやって行くというのは、一挙両得というか、
経験を通じて学ぶことで、非常に重要なことは、みなさんお分かりだと思うので、是非人材育成部門そのものをパワーアップしていくことに何かできないかなという事をもっと考えて頂くと、会社に対して人材育成部門が貢献できる領域が大きく広がっていくんじゃないかなと感じました。